オスカー女優シャーリーズ・セロン、突然のドラマ出演はキャリアを救うためだった

2003年の映画『モンスター』でアカデミー賞主演女優賞を受賞し、出演オファーが激減すると言われる40代になってからも『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』や『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』といった大作映画に出演するシャーリーズ・セロン。実力と人気を兼ね備える彼女が、2005年にドラマ『ブル~ス一家は大暴走!』にゲスト出演したのは自身のキャリアを救うためだったと語った。米Entertainment Weeklyが報じている。

大作映画の失敗から立ち直るために

モデルを経て1990年代半ばから女優業を始めたシャーリーズは、キャリア初期から映画界を中心に活動し、早々にキアヌ・リーヴスやジョニー・デップとも共演。オスカーを獲得してからは、主人公の相手役でなく自らが主演を務めることも増えていった。そんな中、2005年にコメディドラマ『ブル~ス一家は大暴走!』で初めてテレビシリーズに出演。マイケル・ブルース(ジェイソン・ベイトマン)が一時婚約する、陽気ながらも秘密を抱えた恋人のリタ役としてシーズン3の計5話に出演した。

シャーリーズはいきなりドラマ界へ進出した理由について、2005年に全米公開されたSFアクション映画『イーオン・フラックス』の評価が最悪だったからだと説明している。「(『ブル~ス一家は大暴走!』のような)人気のある素晴らしい作品に途中から参加するのはとても恐ろしかった。でも、当時の私は陰鬱だと思われていたから、違う形で自分をさらけ出すことが必要だったの。あのドラマが大好きだった」

「“かわいそうな私”みたいに聞こえるかもしれないけど、時々、私たち女性は一発勝負だと感じているの。そして『イーオン・フラックス』は大失敗に終わるとわかっていた。最初からね。だから、『ブル~ス一家は大暴走!』に出演したのよ」

Paramount Pictures製作の『イーオン・フラックス』はカルト的人気を誇ったアニメの映画化で、インディーズ映画『ガールファイト』で高い評価を受けたカリン・クサマが監督を務め、シャーリーズのほか、同じくオスカー女優のフランシス・マクドーマンド(『ファーゴ』)らも出演していた。しかし、世界での興収収入は5200万ドル(約71億円)と、6200万ドル(約85億円)ともされる予算を回収することすらできず、評価サイト Rotten Tomatoesでわずか9%を記録するなど、ファンからも批評家からも支持を得られなかった。シャーリーズは同作を救うため最後の最後まで闘ったが、最終的に解決する方法についての答えを見出せなかったとして以下のように回想している。

「私はプロデューサーではなかったし、トム・クルーズなら過去20年間言ってきたかもしれないようなこと、つまり、“こんなのはやめて、脚本家をあと4人呼んできて何とかしよう”と言えるような経験もなかった。当時の私は“なんとかして今日を乗り切らないと。気管支炎になりそうだけど、撮影を続けなきゃ”って考えていた。男性俳優たちが“6カ月間、撮影を中止しろ!”って言うのを想像してみたりもしたわ。でも、そういう選択肢があるなんて誰も言ってくれなかった」

そんなシャーリーズは、『ブル~ス一家は大暴走!』で『イーオン・フラックス』とはまったく違うキャラクターを演じて複数の賞にノミネートされる。これで気分転換もできたのか、以後は『ハンコック』『プロメテウス』『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『ワイルド・スピード』シリーズといった話題作やヒット作に出演し、『スタンドアップ』と『スキャンダル』で再びアカデミー賞主演女優賞に。さらに2010年代からプロデューサー業も積極的に行っており、自身の出演作のほかにも『マインドハンター』『Girlboss ガールボス』『マーダー・ミステリー』『プライベート・ウォー』といったドラマや映画を世に送り出している。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Entertainment Weekly

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Photo:『ブル~ス一家は大暴走!』と『イーオン・フラックス』でのシャーリーズ・セロン(米Entertainment WeeklyのTwitterより)