アカデミー賞受賞日本人メイクアップアーティストが『スキャンダル』ジョン・リスゴーをブルドッグ顔に

2016年、アメリカで視聴率No.1を誇るTV局FOXニュースの創立者兼CEOのロジャー・エイルズが女性キャスターたちからセクハラを告発され、同社を去った。TV界の帝王として君臨していたエイルズのスキャンダラスなニュースは、メディア界に激震を走らせた――。この衝撃的な実話の裏側を暴く映画『スキャンダル』で、業界の帝王と崇められアメリカの政治までをも操っていたエイルズを思わず身震いしてしまうほどの存在感で怪演しているのが、ドラマ『ザ・クラウン』でウィンストン・チャーチルに扮したジョン・リスゴー。そして彼に特殊メイクを施したのが、映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』でゲイリー・オールドマンをウィンストン・チャーチルに変身させ、アカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞を日本人として初めて受賞したカズ・ヒロ(辻一弘から改名)なのだ。

『モンスター』でアカデミー賞主演女優賞を獲得したシャーリーズ・セロンと、『めぐりあう時間たち』で同賞を受賞したニコール・キッドマンという2大オスカー女優に、『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』で同賞にノミネートを受け、『スーサイド・スクワッド』のハーレイ・クインとしても知られるマーゴット・ロビーというハリウッド3大女優が豪華競演し、実際に起きた米TV局の一大セクハラスキャンダルを描く映画『スキャンダル』。そしてこの度、ジョン演じるFOXニュースの元CEOエイルズの場面写真が解禁となった。

エイルズは、FOXニュースの人気キャスターで朝のニュースの顔として活躍していたグレッチェン・カールソン(ニコール)を視聴率の下がる昼の番組に降格、そして2016年にFOXニュースを解雇した。不当な扱いを受けたグレッチェンは遂にエイルズをセクハラで提訴。グレッチェンの主張に対し激怒し全面否定、荒れ狂うエイルズの隣には、やさしく手を握り、夫を支える妻ベス(コニー・ブリットン『9-1-1:LA救命最前線』)の姿が。

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エイルズ本人は2017年に他界しているが、ジョンの演じる彼の姿は、彼を知らない人でもエイルズ本人の圧倒的な存在感を感じ、思わず身震いしてしまうほどの怪演ぶり。

看板番組を背負う売れっ子キャスターの主人公メーガン・ケリーを演じたシャーリーズは、「絶対に思いつかないキャスティングだけど、素晴らしいチョイスと納得したわ。彼の演じるエイルズは素晴らしかったの。役のリサーチを重ね、ヘアメイクを施した瞬間、とても誇らしく思ったわ。彼はロジャー・エイルズが、非常にカリスマ性があり、人々に愛されていたという事実も完全に表現していたわ」と絶賛している。

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そしてそのシャーリーズが直接連絡をとり本作への参加を頼んだというメイクアップ・アーティストのカズ・ヒロがジョンの特殊メイクも担当。

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「ある意味、彼の場合はハイブリッドというか、ジョンとロジャーの間という感じだね。準備期間があまりなかったので、最適なデザインを探る時間がなかった。だから、ジョンの見た目を維持しつつ、ロジャーのエッセンスを付け加えていったんだ。ロジャーは、どこかブルドッグような顔をしているからね。頬が垂れていて、鼻が大きい」と、特徴を掴んだメイクでジョンの役作りに貢献したと明かす。そして先日発表となった第92回アカデミー賞でも再びメイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネートされている。

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TV界を震撼させたセンセーショナルなスキャンダルを描く映画『スキャンダル』は、2月21日(金)からTOHOシネマズ日比谷ほかにて全国公開。(海外ドラマNAVI)

Photo:映画『スキャンダル』© Lions Gate Entertainment Inc. ジョン・リスゴー © SF/Famous