大人気シットコム『ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則』で12シーズンにわたり、シェルドン・クーパー役を演じたジム・パーソンズ。同性愛者であることを公言しているジムが、「ゲイとして俳優キャリアを積んでいくことが怖かった」と語っている。
オファーされるのは大半がゲイの役
『ビッグバン★セオリー』のシェルドンはゲイではないが、ジムは本シリーズの出演中もその後も、TV映画『ノーマル・ハート』などをはじめ、同性愛者の役を演じることが多い。米Varietyのインタビューで、「LGBTQコンテンツへの出演を、よく依頼されていますよね。“ジム、君はハリウッドでカミングアウト俳優だよね?”という感じで、脚本を渡されるのですか?」と質問されて答えている。
「必ずしもLGBTQ+のコンテンツが多いとは言わないけど、ゲイのキャラクターを依頼されることは多いね。オファーされるのは大半がゲイの役で、10年前に、もし僕がカミングアウトした俳優だから、ゲイ役のオファーがたくさん来るでしょうねと言われたら、“そんなの簡単すぎて退屈しちゃうよ”って思っただろうね。僕が演じたゲイのキャラクター、特にここ5年ほどでは、『ノーマル・ハート』や『ボーイズ・イン・ザ・バンド』、ライアン・マーフィーの『ハリウッド』で演じた芸能エージェントのヘンリー・ウィルソンだね。すごく豊かなキャラクターと興味深いストーリーで、僕は俳優として、そしてあえて言うならアーティストとして、役に自分を投影できることがどれほど好きなのか気づかされたよ」
『ノーマル・ハート』は、脚本家ラリー・クレイマーの自叙伝的な舞台をTV映画化した作品で、1980年代のエイズ問題を題材にしたヒューマンドラマ。Netflix製作の映画『ボーイズ・イン・ザ・バンド』は、1968年のニューヨークを舞台に、誕生日パーティーの最中にやって来た意外な人物の登場で始めたゲームのせいで、7人のゲイ仲間たちが、これまで隠してきた秘密と感情をさらけ出す…というストーリー。Netflixのミニシリーズ『ハリウッド』は、夢と希望にあふれる第2次世界大戦後のハリウッドで、成功を追い求める俳優や映画製作者たちの夢や野望が描かれる。
同性愛者としては怖かった
続けてインタビューでジムは、「僕は、こういう話題で毎回真っ先に思い出すのが、エレン(・デジェネレス)が出て来た時代なんだ。すごくエキサイティングだったよ。彼女の登場は最終的には助けになったけど、同じ道、同じ業界でキャリアを積みたいと願う同性愛者としては酷く怖いことでもあったんだ。だから、(彼女のような存在を)長いこと待ち望んでいたんだよ」
米トーク番組『エレンの部屋』の司会で最も知られているエレンは、キャリアの初期からレズビアンであることを公言し、90年代にはシットコム『Ellen(原題)』で5シーズンにわたって主演。同性愛者であることをカミングアウトしながらも俳優と成功した、草分け的存在だ。
エレンのように頼もしい存在や好例がありながら、同性愛者としてキャリアを積んでいくのが「怖かった」と表現したジムだが、その経歴は順調そのもの。『ビッグバン★セオリー』の終了後は、スピンオフドラマ『ヤング・シェルドン』で製作総指揮・ナレーターを務め、ドラマ『ステージド2 俺たちの舞台、アメリカ上陸!?』や映画『Spoiler Alert(原題)』で活躍している。
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Photo:『ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則』© Warner Bros. Entertainment Inc.