いくつ知っていた?『ベター・コール・ソウル』10の裏話

大ヒットドラマ『ブレイキング・バッド』のスピンオフ『ベター・コール・ソウル』。今年ついにシーズン6で幕を閉じた本作だが、批評家とファンの双方から、オリジナル・シリーズの後継作品としてふさわしいと絶賛されている。そんな本作の隠された10の裏話を米Screenrantが紹介している。

1. キャストたちは共同生活をしていた

主演のソウル・グッドマン役のボブ・オデンカークは、キム役のレイ・シーホーン、ハワード役のパトリック・フェビアン、そしてソウルがCM制作などで雇うバイトカメラマン役のジョシュ・ファーデンらと共に撮影地のニューメキシコ州アルバカーキでルームメイトをしていたそうだ。ボブは「撮影の合間に4人で食事をしたり、ハイキングに行ったりすることもある」と話していた。

2.シットコムになるはずだった

本家『ブレイキング・バッド』のクリエイターであるヴィンス・ギリガンは、「30分のシットコムになるかもしれないと思った」と、企画当初はコメディドラマとして進めるはずだったことを明かしている。だが、コメディの脚本をどう作っていいか全くわからなかったそうで、現在の形になったという。

3. スピンオフは『ブレイキング・バッド』シーズン3の時点で計画された

ソウル・グッドマンは『ブレイキング・バッド』のシーズン2で初めて登場し、シリーズ終了まで主要キャストの一人として活躍。これは、ファンの間での人気とボブの魅力的な演技によるものである。ソウルは当初、わずか4話にしか登場しない予定だったが、ギリガンは犯罪の裏社会で、ウォルターにはこのキャラクターが必要だと気づき、ずっと登場することになったという。演じるボブによると、シーズン3の段階で、ギリガンから「スピンオフをどう思うか」と持ちかけられたという。

4. ボブは乗り気ではなかった

主演のボブは、『ブレイキング・バッド』で弁護士を楽しんで演じていたものの、主演として引き受けることに躊躇していたそうだ。また、撮影のために子どもたちと離れて過ごすことあり、引き受けることに消極的だった。しかし、息子に説得されたそう。「やらないって伝えたとき、息子は“皆をがっかりさせることになる”と言ったんだ。だから、“がっかりするのは見知らぬ他人だからね”って言ったんだよ。すると“みんなっていうのは、他人じゃなくて僕の友達だけどね”って答えたんだ」結局、息子の友人たちを落胆させると言われ、引き受けることにしたという。

5. スピンオフ製作はただの冗談話だった

『ブレイキング・バッド』でも濃いキャラクターとして存在感を放っていたソウルだが、それもそのはず、ボブはコメディ畑出身だからだ。ソウルのようなキャラクターがウォルターのような主役になれるとは思わず、脚本家も含めて冗談で話していただけだった。ギリガンによると、『ブレイキング・バッド』のカメラマンがボブに「続編で仕事をもらえないか」と冗談を言ったことがきっかけだったという。「脚本家ルームで何度も冗談を言い合ったので、もしかしたら冗談ではないのかもしれないと思ったんだ。そして『ブレイキング・バッド』が終わるころには、スタジオと真面目に話をするようになった」と説明している。

6. ボブは実際にシナボン作りの研修を受けていた

『ベター・コール・ソウル』記念すべき第1話で、ソウルはアルベカーキを脱出し、ネブラスカ州オマハのシナボン店長として新たな人生を歩んでいる姿が出てくる。米シナボンは、『ベター・コール・ソウル』のためにスタッフを派遣して、ボブを一人前のベーカリー・マネージャーとして教育したそうだ。同社のマーケティング担当副社長は、シナボンのシーンに登場するボブや他の俳優たちに対して、キャストやクルーのために何百ものシナボンを用意するトレーニングを行ったと明かしている。

7. ジミー(ソウル)のご近所には『ブレイキング・バッド』のあの人が!

ソウル・グッドマンの元の名前はジミー・マッギルだが、ジミーは小切手に書いてある住所によると、フアン・タボ通りで働いていることが『ベター・コール・ソウル』で明らかになっていた。熱心な視聴者は、ジミーと『ブレイキング・バッド』のお気に入りのキャラクターとの間につながりを発見。デヴィッド・コスタビル演じるゲイル・ベティカーがジミーと同じ通りのアパートに住んでいることを覚えていたのだ。ゲイルは、シーズン3から5にかけてガスに雇われ、ウォルターのラボで働くアシスタントとして登場している。

8. ソウルは、ボブの身近な人がモデル

ソウルという人物は、あまりにもユニークでわかりやすいため、純粋なフィクションだと誤解されることもある。しかし、ボブによれば、彼の演技は実在の人物を基にしているという。「ソウルは自分の思い通りになるように人を操ろうとしている」と語っており、エージェントにはそういう類の人間が多く、彼らはある種のシナリオを抱えているそうだ。その中でもボブは最初のエージェントだったアリがインスピレーションの源であったと明かしている。「彼はこれを誇りに思うだろうね。アリは注目されるのが好きだし、自分の色んな才能を人々が評価することに興奮を覚えるんだと思う」

9. ソウルのヘアスタイルは自分自身の象徴

『ブレイキング・バッド』や『ベター・コール・ソウル』のヘアスタイリストは、ソウルの髪型は、キャラクターを意図的に表現しているという。「サイドの髪を刈り上げているときは彼がビジネス一辺倒だからで、はげている部分を片側の髪で覆うスタイルは、若く見せようとするため、そして襟足だけ伸ばしているのは、リラックスした男性のように見せようとしているからだ」と説明している。

10. フィナーレでは、別のエンディングも用意されていた

本作のシリーズフィナーレは、ファンから概ね好評を博した。最も注目すべきは、ラストシーンだろう。ショーランナーのピーター・グールドによると、「二人がタバコを吸うところで終わることも考え、別のエンディングを撮影した」という。だが「最終的に両方を見て、離れた位置にいる二人のエンディングの方が、一緒よりも誠実のように感じたんだ」と、そちらを採用したことを明かしている。

『ベター・コール・ソウル』シーズン1~6はNetflixで配信中。(海外ドラマNAVI)

Photo:『ベター・コール・ソウル』アイキャッチ画像©Nicole Wilder/AMC/Sony Pictures/『ベター・コール・ソウル』シーズン3より©Michele K. Short/AMC/Sony Pictur/『ベター・コール・ソウル』シーズン5より©Warrick Page/AMC/Sony Pictures T