ディズニー作品でも知られるジュール・ヴェルヌ原作の小説を映像化し、英BBCで大ヒットしたアドベンチャー・ドラマ『80日間世界一周』が、本日より動画配信サービス「スターチャンネルEX」で独占日本初配信される(また、「BS10 スターチャンネル」では10月6日より独占日本初放送)。英国の“キュンおじ”俳優のデヴィッド・テナントが主演するこのドラマの見どころを紹介しよう。
“SFの父” と呼ばれるフランスの小説家ジュール・ヴェルヌの空想冒険小説「八十日間世界一周」。映画、アニメなど様々な作品に影響を与え1956年の映画版はアカデミー賞5部門を受賞している。その不朽の名作を最新のVFX映像でパワーアップしてドラマ化したのが今回紹介する『80日間世界一周』だ。産業革命でさまざまな交通手段が飛躍的な発達を遂げたヴィクトリア時代のイギリスを舞台に、紳士クラブでの賭けから80日間で世界を一周することになったフィリアス・フォッグと仲間たちの冒険を描いた全8話のアドベンチャー・ドラマで、イギリスをはじめ世界各国で大ヒット。シーズン2も決定している。
目次
『80日間世界一周』あらすじ
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物語は、1872年のロンドンの紳士クラブ「改革(リフォーム)クラブ」から始まる。資産家のフィリアス・フォッグは、80日間で世界一周することが可能かどうかをめぐってメンバーと議論になり、2万ポンドの大金を賭けて、80日後のクリスマスイブの午後1時までに戻ることを約束。ひょんなことから旅に同行することになる従者パスパルトゥーと女性ジャーナリストのフィックスを伴い、ドーバー海峡を渡ってパリに向かう。それはフォッグの秘めた理由もある人生初の旅立ちだった…。
内気で不器用な紳士!デヴィッド・テナントのハマり役!
このドラマの見どころといえば、なんと言っても、主人公のフィリアス・フォッグに扮するデヴィッド・テナントの魅力に尽きるだろう。
デヴィッドは、スコットランド出身で現在51歳。イギリスの長寿SFドラマ『ドクター・フー』の10代目ドクター役に抜擢され、その後も『ブロードチャーチ~殺意の町~』や『グッド・オーメンズ』に出演、犯罪ドラマからコメディまでと演技の幅が広く、映画『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』やドラマ『デス』、『ジェシカ・ジョーンズ』のヴィラン、キルグレイヴ役など、悪役での演技力にも定評がある。『ステージド 俺たちの舞台』シリーズでは本人役で登場し、続編も待ち遠しい『グッド・オーメンズ』で共演したマイケル・シーンと抱腹絶倒の掛け合いを披露。また、シェイクスピア舞台劇にも数多く出演し、舞台俳優としても高い評価を得ている。
イギリスでのデヴィッド・テナント人気は高く、「ナショナル・トレジャー(人間国宝)」と呼ばれたり、「TV界で一番クールな男」「世界で一番セクシーな男」といったランキングの常連で、毎年恒例のチャリティ番組の司会をつとめるなど、お茶の間でも老若男女問わず好感度が高い国民的スターだ。
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本作のフィリアス・フォッグは、世間知らずで上から目線ながらも、お茶目で憎めない。そして、実は秘めた情熱と過去を持ち、時にはずばぬけた行動力と勇気を発揮するというキャラクターで、デヴィッドにうってつけの役柄。可愛いながらもかっこよく、シリアスとユーモアを絶妙なバランスで演じるというのは、彼が一番お得意とするところ。デヴィッドの魅力が十二分に発揮された本作は、間違いなく彼の代表作シリーズになり、本作で底なしの“テナさん沼”に堕ちる人も多いに違いない。
また、『ドクター・フー』で共演し結婚した女優ジョージア・テナントの間に5人の子どもがおり、子煩悩な父親としても知られる。そして、長男タイ・テナントが本作の最終話でゲスト出演! 親子初共演のシーンは注目だ。
実は筆者も、デヴィッド・テナントのファンの一人。BBC局で2005年に放送されたドラマ ・シリーズ『Casanova(原題)』で彼の魅力にハマって以来、ずっと応援している。今秋にはウエストエンドでC・P・テイラーの戯曲『GOOD』に出演することも決定、『グッド・オーメンズ』のシーズン2も撮影終了しており、今後のさらなる活躍が楽しみだ。
実在した人物も登場!21世紀の現在にアダプトしたストーリー
今作は、原作からアイデアを大きく発展させ、舞台は1872年ながら、ストーリーやキャラクター設定を現代風にアップデートしたものになる。
原作に登場するフィックス刑事に代わって旅の仲間になるのが、デイリー・テレグラフ紙編集長の娘で女性ジャーナリストのアビゲイル・フィックスというところが新鮮だ。彼女のキャラクター造形には実際に80日間で世界一周をした女性記者の先駆者、ネリー・ブライが参考になっている。ほかにも、砂漠で出会う実在した伯爵夫人、フィックスにまつわる謎の女性エステラなど、自分らしく生きる強い女性たちを前面に出したストーリー展開や、人種、性差別、格差社会といったテーマも織り込まれている。
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また、主要キャラクター3人の関係性も興味深い。フィリアス・フォッグは上流階級出身、ロンドンの高級地メイフェアに自宅があり、仕事はせず、紳士クラブで毎日を過ごし、身の周りのことは従者に任せて、自分で紅茶を入れることもしない。フランス人の従者パスパルトゥーは、貧しい家庭の出身で、これまでに盗みをしたり、船員になったり、さまざまな仕事をしながら生き抜いてきた。その反面、人生で嫌なことが起こると目を背けて逃避する傾向もある。フィックスは、過保護の父親を尊敬しているが、自分の才能を信じ、ジャーナリストとして認められることを目指している。旅が進むにつれ、それぞれ抱える悩みや孤独が明らかになっていくが、3人が反発しあいながらも友情を深め、地位も年齢も越えた家族的な存在になっていく過程が実に面白い。
パスパルトゥーを演じるのは、フランスの若手俳優イブラヒム・コーマ(『シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢』)。フィックス役は『THE SWARM(原題)』での木村拓哉との共演が控えるドイツ出身のレオニー・ベネシュ(『白いリボン』、『ザ・クラウン』)。ほかに、ジェイソン・ワトキンス(『マクドナルド&ドッズ 窓際刑事ドッズの捜査手帳』)、ピーター・サリバン(『THE HOUR 裏切りのニュース』)など、イギリスのベテラン俳優が脇を支える。
壮大なスケールで描かれる魅惑の世界旅行!
本作の製作費は実に約 4000万ポンド(約66億円)という。南アフリカとルーマニアでのロケ撮影と最新のVFXにより、イタリア、イエメンの砂漠、インド、香港、米国など、19世紀当時の世界の景色を再現。3人が旅する各国の風景が美しく、こちらも一緒に旅をしている気分になる。一行が80日間の世界一周旅行を無事に期日通りに終えることができるのか、ハラハラドキドキの連続で、特に最終回の大どんでん返しは手に汗握る展開だ。
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熱気球や蒸気機関車といった、当時の最新鋭技術から人力車やラクダなどあらゆる乗り物駆使して世界旅行するという夢いっぱいのアドベンチャーで、子どもからお年寄りまで家族全員で楽しめるファミリードラマになっている。
映画音楽の巨匠!ハンス・ジマーのテーマ曲にも注目!
テーマ曲を手がけるのは、映画音楽界の巨匠ハンス・ジマー(『DUNE/デューン 砂の惑星』)。刻一刻と時間が流れる緊張感を表現した、ジマーならではのチューンがドラマを盛り上げる。また、オープニングタイトルも、『ゲーム・オブ・スローンズ』を彷彿とさせるような凝った映像になっている。
キャストよし、ビジュアルよし、音楽よし、そしてストーリーも、もちろんよし! シーズン2は海洋冒険ものになる?という予感もあり、早くも続編が待ち遠しい必見のドラマの誕生だ!
配信・放送情報
【配信】「スターチャンネルEX」
<字幕版> <吹替版>全話配信中
【放送】「BS10 スターチャンネル」
<STAR1 字幕版> 10月6日(木)より 毎週木曜よる11:00 ほか
※10/2(日)字幕版 第1話 無料放送
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(名取由恵 / Yoshie Natori)
Photo:『80日間世界一周』Photographer: Joe Alblas / Design by TEA Entertain | © Slim 80 Days /Federation Entertainment / Peu Communications / ZDF / Be-FILMS / RTBF (Télévision belge)– 2021