『ボーイ・ミーツ・ワールド』ダニエル・フィッシェル、辛かった撮影初日を振り返る

1993年から2000年にかけて放送された米ABCのシットコム『ボーイ・ミーツ・ワールド』にトパンガ役で出演したダニエル・フィッシェルが、当時12歳だった撮影初日を振り返り、クリエイターのマイケル・ジェイコブスにクビにすると脅されたと話したとVarietyが伝えている。

ダニエルに加えてショーン・ハンター役のライダー・ストロング(『PEPPER ~恋するアンカーウーマン』)、エリック・マシューズ役のウィル・フリードル(『DCスーパーヒーロー・ガールズ』)といった『ボーイ・ミーツ・ワールド』元キャストがホストを務めるポッドキャスト番組『Pod Meets World(原題)』。最新回では全45話の監督を務めたデヴィッド・トレイナーをゲストに迎えて過去を振り返った。

クリエイターの衝撃的な発言

その中で明かされたのはダニエルにとって辛かった撮影初日。オーディション後に連絡がなかったものの、オリジナルキャストがダメになったことで役が回ってきたのだとか。金曜日の夜に決定の連絡を受けたダニエルは月曜日には現場入り。ハードなスケジュールを強いられた当時12歳のダニエルは、ジェイコブスとのやり取りを振り返った。「マイケルに“ダニエル、今他の人のセリフをやって一番最後に君のセリフを与える。一度にすべてね。もし君のセリフすべての間、みんなをここに座らせたら何時間もここにいて誰も家に帰れないことになるから。だから君はただここで最後まで待っていて”って言われたの。この瞬間から私の目はうるみ始めた。わかるでしょう? その時プロデューサーも脚本家もキャストもみんな揃っていて、すべての目が自分に注がれていたんだから」

ダニエルの番になるとジェイコブスは母を観客席から呼び出し、舞台上のテーブルに加わるよう指示。「私のセリフひとつひとつを取り上げて、彼が何を望むか、私の何が正しくないか、どれくらいの早さで話す必要があるか稽古した」と思い出すダニエル。さらに「“もし明日すべて直して戻ってこなかったら、もうここにはいられない”と言われたことをはっきり覚えている。交代した女優のことをちらつかせてね」と、衝撃的な発言を受けたことを明かした。

監督も嫌悪感を露わに「腹が立つ」

これを聞いた監督のトレイナーは「マイケルのために複数の作品で数年働いていたけれど、これはひどい話だね。彼の素晴らしいところはたくさんあるけれど、嫌なところもある。これがその一つ」と話し「超腹が立つ」と嫌悪感を露わにした。さらに「マイケルと働く人はみんな理解しているよ。暗黙的にか明確にか、いずれにせよ。マイケルが船の片側に傾き始めたら、みんなは違う方に寄って船が沈まないようにしてる。自分がやることに加えて、沈まないように防ぐことも仕事だった。だから最終的には嫌になったんだ」と加えた。

その後、母と徹夜で稽古をして翌日本番に臨んだダニエルはジェイコブスの期待に応えられたようで「拍手を送ろう。君は僕が求めたことを確実にやってくれた。ありがとう。ありがとう。おめでとう。素晴らしかったよ」とジェイコブスから言葉を贈られたという。「それからはクビにする脅しもなかった。私は仕事を成し遂げて、価値があることを彼に見せつけることができたの」と波乱万丈なキャリアスタートを振り返った。しかし30年経った今もなお話すたびに汗が出るというだけあって、ダニエルにとって忘れられないトラウマ的出来事だったに違いない。

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Photo:VarietyのTwitterアカウント(@Variety)より