彼がいなければ、ビートルズも、クイーンも存在しなかった――。世界史上最も売れたソロアーティスト、エルヴィス・プレスリーの誰も知らなかった真実の物語が語られる『エルヴィス』がこの夏公開。この度、本作でエルヴィスを演じたオースティン・バトラー(『シャナラ・クロニクルズ』)が主役の座を射止めたオーディションとの運命的出会いの秘話を明かした。
オースティン・バトラーがエルヴィス役を勝ち取るまで…
ロサンゼルスで迎えたとあるクリスマスの日、オースティンは、エルヴィス・プレスリーの「ブルー・クリスマス」をいつの間にか口ずさんでいたという。その数週間後、自宅でピアノを弾きながらエルヴィスの歌を何曲か歌っていたオースティン。すると、そばでそれを聞いていた親友が彼の腕をつかんでこう言ったそうだ。“君はエルヴィスの役をやるべきだよ”と。その2日後、エージェントからの電話でオースティンはバズ・ラーマン監督がエルヴィス・プレスリーを描く映画を制作予定であることを知ったという。
その時を振り返り、「お告げのように感じたんだ」と、彼は言う。まさに運命といっても過言ではない本作との出会いからオースティンのエルヴィス漬けの日々が始まった。「役を獲得するには、すべてを投げうつ覚悟で臨まなくてはならないと思った。エルヴィスの人生、友人たち、人間関係について、手に入るものすべてを読み、視聴した。それにエルヴィスの曲だけを聴いて過ごした。まだオーディションが始まらないうちに、“アンチェインド・メロディ”をピアノで弾き語りしたビデオをバズに送ったんだ」と不退転の決意でオーディションに挑んだそうだ。
その結果、ワン・ダイレクションでスターダムの一歩を踏み出し、『ダンケルク』でも好演したハリー・スタイルズや、『ベイビー・ドライバー』や『ウエスト・サイド・ストーリー』が称賛されているアンセル・エルゴートなど、名だたる候補の面々を抑え、見事にエルヴィス役を勝ち取った。
最初は、とてつもない重圧に押しつぶされそうになったこともあったというが、彼はこの大役を演じていく中で気づいたという。「一番大事なのは人生だと。誰かの真似をすることだけじゃなく、その人が内側に持つ情熱、ハート、人間性を見つけること」凝り固まった姿勢から自分を解放し、できるだけ正直な気持ちで役に向き合おうと決意を固めたという。そうしたありのままの人間性を追求する役作りに対する姿勢も相まって、完全にエルヴィスとシンクロを遂げたオースティンの圧巻の演技は、公開前から早くも注目を集めている。今年のカンヌ国際映画祭での初お披露目では、上映後になんと同映画祭史上最長となる12分間のスタンディング・オベーションを受けるなど世界的に絶賛の声が上がり、エルヴィスの娘リサ・マリー・プレスリーは、すでに彼のオスカー受賞を確信していると言う。
ロックを創り、世界を変えたエルヴィス・プレスリーの真実を描き、すべてが始まったその熱狂のライブを体験するミュージック・エンタテイメント『エルヴィス』。心に響く音楽、そして胸の熱くなるドラマを全身に浴びる映像体験をぜひ劇場で味わって欲しい。なお、オースティンとラーマン監督は来日することが決定している。
『エルヴィス』7月1日(金)ROADSHOW。(海外ドラマNAVI)
Photo:ワーナー・ブラザース映画『エルヴィス』(C)2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved