この春からシーズン2の配信がスタートしたNetflixオリジナルシリーズ『ロシアン・ドール:謎のタイムループ』。その世界観を作るにあたり、あのデヴィッド・リンチ監督が大きな役割を果たしたとVarietyが伝えている。
待望のシーズン2
『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』のナターシャ・リオンを主演に迎え、彼女が共同クリエイター・製作総指揮も兼任するタイムループコメディ『ロシアン・ドール:謎のタイムループ』。そのシーズン2では1982年にタイムスリップしており、クロエ・セヴィニー(『僕らのままで/WE ARE WHO WE ARE』)演じるノーラことレノーラなども登場する。
リンチのあの名作を参考資料に
新シーズンで、プロダクションデザイナーを引き継ぎ80年代の世界観を再現したのは『コーダ あいのうた』のダイアン・リーダーマン。ノーラのピンクのアパートもその一つ。リーダーマンいわく1986年公開のリンチ監督作に影響を受けたという。
「シーズン2のスタイルはたくさんの映画や70年代80年代の映画の作家主義の影響を受けているけれど、なかでもデヴィッド・リンチは重要だった。舞台のカギになるものを探していたとき、『ブルーベルベット』をもう一度見ることがあったの。その映画に登場するアパートは1980年代の象徴で、キッチュすぎることもなく、私たちの年代スタイリングに完璧な参考資料だった」
濃厚で深い色味に恋をしたリーダーマンは、ヴィンテージルックを完成させるため、ほとんど黒に近い濃い緑をドアやモールディングにチョイス。「いくつか大げさな80年代の装飾を加えた。白イルカの置物や黒い塗装、ガラスのコーヒーテーブルやベッドの上の真鍮でできたシーリングファンとかね。ノーラがお金を無計画に使うというアイデアをサポートするため」
非現実的な夢想家
劇中のキャラクターを表現するために大きな役割を果たす部屋作り。ノーラが非現実的な夢想家であることを示し、突飛な振る舞いを視覚化するために風変わりなアイテムで部屋を満たしたのだという。こだわり抜いたセットの中でも、特にお気に入りはピンクと黒のタイル張りのバスルームだそう。これはシーズン2第1話「時間を超えて」でナディアとノーラが交わるシーンで登場するが、リーダーマンは視覚効果に頼るだけではなく、実際に2つセットを作ることを思いついたという。「私たちは同じセットを2つ作ったの。お互いに鏡みたいになるように」と話すリーダーマン。後ろに飾られたポスターも反対向きに印刷されたという。「ナディアが鏡を見てノーラが映っているのを見ている時、ナターシャが片方にいて、クロエがもう片方にいるの」と撮影の裏側を明かした。
Netflixオリジナルシリーズ『ロシアン・ドール』シーズン1~2は独占配信中。6月にNetflixで配信される独占作品の一覧はこちらより。(海外ドラマNAVI)
Photo:Netflixオリジナルシリーズ『ロシアン・ドール:謎のタイムループ』シーズン1~2は独占配信中