『ナイトメア・アリー』謎に包まれた物語を紐解く特別映像が解禁

監督ギレルモ・デル・トロが作品賞&監督賞を含むアカデミー賞4部門を受賞した『シェイプ・オブ・ウォーター』に続き、再びサーチライト・ピクチャーズとタッグを組んだ『ナイトメア・アリー』の特別映像が到着した。謎に包まれた物語を紐解く―。

本作は1946年に出版され、ノワール小説の伝説的傑作といわれる「ナイトメア・アリー 悪夢小路」を映画化。

監督を務めたデル・トロが、「これは運命についての映画だ。人生を変えられたはずの男が傲慢な心のせいでチャンスを失った」と語る本作の主人公は、むせかえるような成功への野心を胸にカーニバルへとやってきた青年スタン(ブラッドリー・クーパー)。

透視術士のジーナを演じるトニ・コレットが「彼は移動カーニバルの世界の中でさまざまな人々に自分自身を見つけるの」と明かすように、スタンはジーナをはじめとするカーニバルの温かい人間性に触れながら、読心術を身につけていく。

スタンをカーニバルへ最初に引き入れたのはウィレム・デフォー演じる見世物小屋の客引きのコートリー。「僕の役はスタントンの問題に気付きながらも、仲間として受け入れる」と語るデフォーの言葉の通り、ワケありで集まったほかのカーニバルの登場人物たちと同様、スタン自身も過去にある秘密を抱えており、不穏な空気を纏いながら木造の小屋で怪しげな作業をするスタンの姿も映し出される。

そんな一面も持ちながらも、カリスマ的才能と人を惹きつける持ち前の魅力でカーニバルから都会へと挑戦の舞台を変え、読心術師としてますます名を馳せるスタンの前に、ケイト・ブランシェット扮する精神科医のリリス・リッター博士がショーの観客として現れる。不敵な笑みでスタンに歩み寄るリリスとの出会いをきっかけに、スタンは読心術よりももっと危険なショービジネスに手を伸ばすことに。

デル・トロ監督の「都会は恐ろしい場所だ。自分や他人の善良さが分からなくなってしまう。他人を利用し、破滅させる人ばかり」というコメントともに、映像にはリチャード・ジェンキンス演じるスタンの新たなビジネスの顧客である富豪のエズラ・グリンドルが激高し、スタンのキャリアの雲行きが怪しくなっていくようなシーンも。

ジェンキンスは「ギレルモは恐れずに、痛みや人の弱みを描く」と語る。これまでも独自のタッチで人間描写に迫ってきたデル・トロ監督が、たった一つの過ちをきっかけになだれるかのように運命に狂わされていくスタンの姿をスリリングに容赦なく描き出す。人間の深い闇へと飲み込まれるスタンの運命の先に待っているものは一体何なのか―。

映画『ナイトメア・アリー』は全国公開中。

(海外ドラマNAVI)

Photo:『ナイトメア・アリー』©2021 20th Century Studios. All rights reserved.