色々な作品からの小ネタをふんだんに盛り込み、小さなレゴ®人形が宇宙を駆け抜ける映画『レゴ®ムービー2』。大ヒットした第1弾に続き、5年ぶりの続編が登場し、3月29日(金)より劇場公開される。
大作映画へのオマージュ、いくつ気付ける?
かつて美しさと繁栄を誇ったブロックシティの街も、前作でデュプロ星人の襲撃を受けてからというもの、荒廃が進む一方。そんななかでも相変わらずお気楽で陽気なエメット(声:クリス・プラット『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』/吹替:森川智之)だったが、宇宙の彼方から来た異星人・メイヘム将軍に突如攻撃される。
エメットとルーシー(エリザベス・バンクス『ウェット・ホット・アメリカン・サマー』/沢城みゆき)はバギーに乗り込み砲撃をかわそうとするが、なぜか敵はぴったりと照準を合わせてくる。動きを完全に読まれているのは、エメットがきっちりウインカーを出して方向指示をしているから...。『スター・ウォーズ』のレジスタンスばりの抵抗もむなしく、ルーシーは拘束。元カレのナルシストで実は孤独なバットマン(ウィル・アーネット『ミュータント・タートルズ』/山寺宏一)たちとともに、あえなくメイヘム将軍に連れ去られてしまう。
エメットは救出のためシスター星雲を目指し、銀河を旅するレックス(クリス・プラット/森川智之による一人二役)と旅の相棒同士に。「銀河を守る考古学者、カウボーイで恐竜の調教師」を自称するレックスには、あちこちの映画からの借り物の気配も。パロディ満載の銀河アドベンチャーが、パワーアップしてスクリーンに帰ってくる。
新しいアニメーションの標準へ
ジョークにダジャレにメタ発言など、お楽しみ要素がぎっしり詰まった『レゴ®ムービー2』。マニア心をくすぐるパロディも豊富で、スーパーマン、ヴァンパイア、NBAスターほか、80年代のアクション作品などとのリンクを米USA Todayは挙げている。テンポの良いギャグシーンの奥底には、センチメンタルな一面も。かつてほど「すべてがサイコー!」とは言えない時でも、きっとそれで大丈夫なんだよ、というメッセージが感じられる。
英Guardianも数々のパロディを指摘している。『2001年宇宙の旅』のスターゲートをステアゲート(階段ゲート)ともじるほか、『トイストーリー』や『マトリックス』などの有名作を彷彿させるネタは観てのお楽しみだ。
押し寄せる笑いのなかに、米Wall Street Journalは新しいアニメの形を見出している。かつてはピクサーがスタイルを一新したことで勢いを盛り返したアニメ映画界だが、そろそろ次なる進化の方向性が見えても良い頃合い。アニメ新時代の到来が近いと述べる同メディアは、作品単体やアニメというジャンルのなかで完結するのではなく、それを超えたところに新しい可能性があるのではと提言する。実写アクション作品へのオマージュやストップモーションのような斬新な映像表現などを取り入れた本作は、新たなスタンダードを切り拓く可能性を秘めている。
アメリカで初登場1位獲得
全米で2月8日(金)に公開スタートした本作は、週末興行収入ランキングで初登場1位を獲得。約3400万ドル(約38億円)という数字をたたき出し、話題のアニメーション作品『スパイダーマン:スパイダーバース』の公開初週週末の興行成績に迫る大健闘を見せた。米国の批評サイトロッテン・トマト/Rotten Tomatoesの批評家によるスコアも、86%と好調。
全てレゴ®ブロックで作られる本作で登場するキャラクターは全523体。1ショットで使われたレゴ®ブロックの最大数が、1億6千万越えといった桁違いのスケールで楽しませてくれる『レゴ®ムービー』の最新作、『レゴ®ムービー2』はワーナー・ブラザース映画配給にて3月29日(金)より全国ロードショー。(海外ドラマNAVI)
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クリス・プラット©Kathy Hutchins / Shutterstock.com