「当初は歌う予定じゃなかったけど、その場で弾き語りしたんだよ」『ロケットマン』タロン・エガートン直撃インタビュー

大ヒットした2014年のアクション映画『キングスマン』で主演に抜擢され、25歳の若さで一気に世界的な知名度を手にしたタロン・エガートン。その後も次々と話題作に出演してきた若き英国俳優が満を持して臨んだのが、世界を代表する英国出身のアーティスト、エルトン・ジョンの伝記映画『ロケットマン』だ。8月23日(金)公開に先駆けて初来日を果たしたタロンを直撃し、役作りや歌、エルトンと築いた関係について語ってもらった。

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――エルトン・ジョンとはいろいろ縁があったと伺っていますが、そんな彼を演じたご感想は?

俳優が亡くなった有名人を演じるのは珍しくないけれど、存命している有名人を演じるのは珍しいと思う。製作に深く関わったエルトンとは一緒に過ごして、友人になることができた。数週間前に南仏で彼の家族と数日一緒に過ごしたくらい、本当に親しい関係なんだ。本作で体験したことは魔法のようだったね。『キングスマン』シリーズは日本でも人気だと聞いているし、本作の監督であるデクスター(・フレッチャー)とは『イーグル・ジャンプ』でも組んでいるけれど、僕らはこの作品をすごく誇りに思っているんだ。とても特別な作品だよ。僕らは楽しんで作ったから、みんなも楽しんでくれたら嬉しいな。

――あなたは本作だけでなくアニメーション映画『SING/シング』でもエルトンの曲「I"m Still Standing」を歌っていますね。本作で彼に似せるために加工した声を使わなかったのは「僕らバージョンの彼」を作るためだと以前インタビューで話されていましたが、そのバージョンを作るにあたって特にどんなことを意識されたのですか?

まずは、できるだけうまく歌うように意識したよ(笑) それと、本作では彼の歌を通してその半生を振り返っていくので、それらの歌詞を通してストーリーが伝わるように心がけた。だから「I"m Still Standing」に関しても、"自分は今ここにいる"ということがしっかり伝わるように歌ったんだ。

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――「Your Song/ユア・ソング(僕の歌は君の歌)」や「I"m Still Standing」は撮影中に歌ったものがそのまま使われたそうですが、歌声を後で当てるよりも演技と歌を同時にやる方がやりやすいですか?

できることなら実際に撮影現場で歌ったものを使いたいんだ。そっちの方がリアルに感じられるからね。「Your Song/ユア・ソング(僕の歌は君の歌)」は、当初はその場で歌う予定じゃなかったけど、やってもいいだろ?と思ってその場で弾き語りしたんだよ。でも、例えば「Saturday Night"s Alright (For Fighting)/土曜の夜は僕の生きがい」ではダンサーが大勢いるしカメラも動き回るから雑音がどうしても入ってしまうし、そもそも広い場所で撮影しているから音質も良くない。だからそういう時は歌の部分をスタジオで撮り直したよ。

――エルトン本人とも何度か一緒に歌われたそうですが、いかがでした?

本当に素晴らしい体験だったよ。彼とはこれまでに3度一緒に歌ったんだけど、最初は緊張で少し怖かったね。でも時間が経つうちにリラックスしていった。英国のツアー初日に1万5000人くらいの観客の前で一緒に歌ったんだ。その時も緊張はしたけど、すごく楽しかったよ。

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――彼くらい有名な人物を演じることはプレッシャーも大きかったと思います。撮影前にある程度の時間をエルトンと一緒に過ごしたそうですが、彼はどんな人でしょう? そして、一緒に過ごした体験をどう演技に生かしたのですか?

彼は本当にいい人ですごく面白いし、周囲を思いやる温かい人なんだ。一緒にいるのは本当に楽しいよ。時間を過ごすことで、とても近い存在に感じられて思い入れも沸くし、一人の人間としてリアルに見ることもできた。撮影中は特別な人を演じているんだと考えていたよ。

――ところで彼の家はいかがでした?

どの家のことかな? 特に大きい家は、彼が45年間住んでいるところで、すごく居心地が良い素敵な空間だよ。たくさんの芸術作品が飾られているんだ。彼は今そこで夫と、二人の子どもと一緒に暮らしているんだよ。あと、ピアノが置いてあるけど、彼は家では演奏しないから、上にたくさん写真が並べてあるよ。

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――フレッチャー監督とは、先程お話にもありましたが、1988年の冬季五輪でスキージャンプに挑んだ英国人エディ・エドワーズの半生を描いた『イーグル・ジャンプ』でも組んでいますよね。ジャンルとしてはスポーツと音楽と異なるものの、どちらも実在する人物の半生を描いていますが、彼との2度目の仕事はいかがでしたか?

彼とは本当に仕事がしやすいんだ。すごく相性が良くて楽しい。それは僕にとって大事なポイントなんだ。僕が考えるに、現場でいい時間を過ごせれば作品はいいものになるんだよね。僕らは心から楽しみながら作ったから、その雰囲気が作品にも反映されているんじゃないかな。知っているかもしれないけど、彼って本当に面白い人で元気いっぱいなんだ。また一緒に映画を作れたらいいね。

――『イーグル・ジャンプ』も『ロケットマン』も素晴らしい作品なので、ぜひ3本目を実現させてください。

ありがとう。どちらの作品も赤毛でメガネをかけた人の話なんだけどね。

――ぜひその路線を貫いてください(笑)

そうだね(笑) またやれたら楽しいだろうな。

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――エルトンは世界中で知られる大スターですが、あなた自身もここ5年ほどで多くのヒット作を出し、日本にも多くのファンがいます。20代前半でスターとなったエルトン・ジョンを演じたことで、個人的に学んだことはありますか?

僕の場合、いつも支えてくれる素晴らしい家族がいて、何か問題があって電話したら相談に乗ってくれるような存在なんだ。エルトンの場合、母親が世界最高のママってわけじゃなかったりして、なかなか家族に相談できる状況じゃなかったよね。でも僕は家族に恵まれているから、彼のように落とし穴にハマることはないと思うな。

ほかに学んだこととしては、自分が思っていたよりも歌えるということだね。自分はポップ系の曲が向いていると考えていたんだけど、ロックソングをちゃんと力強く歌えると分かったのは発見だった。演じ甲斐があったし、演じていてすごく楽しかったよ。この機会を与えてもらえたことに感謝している。

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――本作ではあなたのこれまでのいろんな縁がつながっていますよね。演劇学校に入るためのオーディションで歌った曲が「Your Song/ユア・ソング(僕の歌は君の歌)」でしたし、『キングスマン:ゴールデン・サークル』にエルトンがカメオ出演していて、フレッチャー監督とは『イーグル・ジャンプ』でも組んでおり、本作のプロデューサーは『キングスマン』シリーズの監督マシュー・ヴォーンです。そういうところに運命的なものを感じたりしているのでは?

運命は信じないんだ。すべては無作為に起こると思っているから。とはいえ、知っている相手とまた組むのは僕としては嬉しいね。お互いのテイストがすでに分かっているから、阿吽(あうん)の呼吸も生まれるし。たしかにエルトンとは縁があるかもしれないけど、それは彼がいかに多くの人を惹きつけ、その人生に影響を与えているかを示しているんだと思うよ。

――オーディションで歌う曲に「Your Song/ユア・ソング(僕の歌は君の歌)」を選んだ理由は?

あの曲が誰かに向けたメッセージだったので、歌いながら演じるのに向いていると思ったからだよ。

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――自分が思っていたよりも歌えることを自覚したという発言がありましたが、本作以外にもエルトンやヒュー・ジャックマンのコンサートにゲスト出演して見事な歌声を披露されていますよね。歌うことはもともとお好きだそうですが、今回の経験を機に音楽活動を始めるおつもりは?

そのつもりはないよ(笑)そういうことを自分がやれるとは思えないんだ。僕は作曲するほどのレベルで楽器を演奏できるわけじゃない。いつかできたらいいけどね。どこから手を付けたらいいかも、モノになるかも分からない。俳優という仕事のいいところは、今回ミュージシャンを演じたように、演技を通して様々な体験ができることだね。でも、とにかく自分がアルバムを出すとは思えないな。「タロン・エガートンのベストアルバム」なんてイメージできないよ(笑)

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タロンの圧巻のパフォーマンスが必見の『ロケットマン』は、8月23日(金)より全国ロードショー。
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Photo:

タロン・エガートン
『ロケットマン』
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