マーティン・スコセッシによるNetflix映画『アイリッシュマン』、他のスコセッシ作品と何が違うのか?

アカデミー賞作品賞候補との呼び声が高く、前哨戦の一つとされるナショナル・ボード・オブ・レビュー賞で作品賞に輝いた巨匠マーティン・スコセッシが監督を務めたNetflixの新作映画『アイリッシュマン』。本作は他のスコセッシ監督作品と何が違うのか、出演キャストが語った。

11月27日(水)に世界同時配信された『アイリッシュマン』は、実在したヒットマン、フランク・"アイリッシュマン"・シーランの人生を綴ったチャールズ・ブラントによる2004年のノンフィクション「I Heard You Paint Houses(原題)」を下敷きにした作品。

その映画版ではフランクの回想という形を取りながら、シーランが容疑者となった全米トラック協会の幹部ジミー・ホッファの暗殺や、マフィアとの結びつきなどが描かれる3時間半にわたる超大作映画だ。

本作で弁護士のビル・ブファリーノを演じるレイ・ロマノ(『Hey!レイモンド』)が、米Entertainment Weeklyのインタビューで、これまでのスコセッシ監督の作品と何が違うのか語った。「監督が製作したいくつかの映画とは違うね。ある意味において、そこまで気が張り詰めてはいないけど、もっと感情的に激しいんだ。もっと物語に深みがあって、さらに冒険している。観客が、自責の念や後悔、間違った決断といったキャラクターの感情がわかるんだよ。これは本当に芸術作品だと思うし、座って最初から最後まで見ているだけでインパクトが感じられると思う」

そしてスコセッシ監督は、なぜミニシリーズではなく3時間半の超長編映画として製作したのかについて明かしている。「"これは物語が長いから、2シーズンにわたって製作できるんじゃないか"って言われるかもしれない。実際に誰かがそう言ってたことを知ってるけど、絶対にダメだ。ミニシリーズにすることなど考えたこともない。なぜなら、この映画のポイントは詳細の蓄積だからだ。映画の最後まで詳細が蓄積されていって効果がある。視聴者がその気なら、一回で最初から最後まで鑑賞できるだろう」と述べ、小分けにして観るのではなく一気に最後まで視聴することを勧めていた。

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本作では、『ゴッドファーザー PARTⅡ』や『グッドフェローズ』などでマフィアを演じたロバート・デニーロがフランク・シーラン役で主演し、ジミー・ホッファ役で『ゴッドファーザー』シリーズや『スカーフェイス』などに主演したアル・パチーノが出演。また、『グッドフェローズ』でロバートと共演したジョー・ペシが、レイ演じるビルの兄弟ラッセル・ブファリーノに扮し、マフィア映画の傑作でおなじみのキャストが集結しているところも見どころのひとつとなっている。

その他に、アンジェロ・ブルーノ役でハーヴェイ・カイテル(『レザボア・ドッグス』)、ペギー・シーラン役でアンナ・パキン(『トゥルー・ブラッド』)、チャッキー・オブライエン役でジェシー・プレモンス(『ブレイキング・バッド』)らも出演。

マフィア映画の大スターが出演し、スコセッシ監督のさらなる代表作になりそうな『アイリッシュマン』はNetflixにて配信中。(海外ドラマNAVI)

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Netflixオリジナル映画『アイリッシュマン』