マーベル映画が『ハリポタ』から受けた影響とは?生みの親ケヴィン・ファイギが語る

『アベンジャーズ』シリーズをはじめ20作以上に上る壮大なマーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU)を、2008年に公開された1作目の『アイアンマン』から統括管理してきたケヴィン・ファイギ。マーベル・エンターテインメントのチーフ・クリエイティブ・オフィサー(CCO)でありマーベル・スタジオの社長を務める彼が、MCUを製作する上で映画『ハリー・ポッター』シリーズからいかに影響を受けたかについて語っている。米Entertainment Weeklyが報じた。

ファイギはニューヨーク映画アカデミーで行われたQ&Aセッションで、物語を脱線させることなしにイースターエッグ(映画やドラマの中に散りばめられ、よく注意して観ていないと分からないような関連ネタ)や豆知識を組み込む方法として、アメリカン・コミックスを元にしたMCUと同じく原作がある映画『ハリー・ポッター』シリーズをモデルにしたと明かしている。『ハリー・ポッター』シリーズは2001年から2011年にかけて計8本の映画が公開された。

「『ハリー・ポッター』の映画シリーズを観た経験が、常に私のデフォルトになっている。私自身は同作の原作小説シリーズを読んだことがない。私の子どもたちが原作を読むほど十分な年齢に達していなかったからだが、映画はシリーズ全作、公開直後に観に行ったよ。そして楽しく観賞した後は作品のことを忘れてしまい、続編が公開されるまで同シリーズのことを考えもしなかった。だけどすごくよくできた映画だから、久々に続編を観てもストーリーの続きをすぐに追うことができたし、時々"これは誰だっけ?"と思うこともあったけど、ほとんどの場合で物語を辿ることができたんだ」とコメント。

続けてファイギは、「もし私がシリーズ全作を10回ずつ観て原作シリーズも全巻読んでいれば、きちんと意味が分かったし楽しめる点がもっとあっただろう。だが、そこまで知らなくても純粋に映画を楽しむ上での妨げにはならなかった。それが私たちもMCUで試みたことで、アメコミ作品の知識があまりない人でも"これは何だ?"とか"何が起きてるんだ?"と思わなくて済むようにしたんだ」と述べ、マニアックでないファンが観ても理解しやすい作品作りを目指すために『ハリー・ポッター』を参考にしたと説明している。そんなファイギのコメントは、同アカデミーがアップした動画でも確認することができる(今回取り上げた箇所は30:20頃~34:30頃)。

MCUの目玉作品であった『アベンジャーズ』シリーズは2019年4月に公開された『アベンジャーズ/エンドゲーム』で終幕を迎えたが、7月にはサンディエゴのコミコンでフェーズ4の作品が発表されていた。そのラインナップには、『ドクター・ストレンジ』の続編や『マイティ・ソー』の第4作が名を連ねるほか、マーベルを傘下に持つディズニーの動画配信サービス「Disney+」でもロキやホークアイを主人公した単独ドラマシリーズの製作も決定しており、今後もマーベル作品に関する話題は尽きないようだ。(海外ドラマNAVI)

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『アベンジャーズ』
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