スカーレット・ヨハンソンが黒いスーツに身を包むヒロイン、ブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフという役に出会ってから10年。ついに、彼女が主人公となる映画『ブラック・ウィドウ』が誕生した。ロシアのスパイが宇宙の救世主になるまで、ナターシャが登場した全作品について、スカーレットが米Entertainment Weeklyにて振り返っている。(※本記事は、マーベル・シネマティック・ユニバース作品のネタばれを含むのでご注意ください)
目次
■『アイアンマン2』(2010)
超一流スパイがマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に初登場したのはこの作品。ここから約10年間、ブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフのスーパーヒロインとしての戦いが続いていく。ナターシャは一流のスパイとして高度な戦闘技術を持つ役どころのため、「多くの動きが本当にクモのようで、バレエのようで、ナターシャの過去に敬意を表するわ」とスカーレット。「今でもアクションは多くこなしているけど、身体は少ししんどいわ。訓練を受けた暗殺者でも、歳を取るのよね」
■『アベンジャーズ』(2012)
ナターシャにとって重要な瞬間の一つは、同作での早い段階に登場。彼女とロキ(トム・ヒドルストン)が互いから情報を引き出そうとする場面で、ファンにとってはナターシャの過去を初めて垣間見ることができるシーンだった。「劇的な激しさと、遊び心のあるシーンになった」とスカーレット。
■『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)
スカーレットがキャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャース役のクリス・エヴァンスと初共演したのは、2004年の映画『スカーレット・ヨハンソンの百点満点大作戦』。以後、二人の友情はずっと続いてきた。スカーレットは、画面外でのクリスとの関係性がスティーブとナターシャのシーンに生かされたと明かしている。「誰かと知り合い、親密な関係を築くことができた10年間の結果ね。多くの時間をともに過ごし、相手の弱点も知ることから得られたものよ」
■『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)
一般的に、スパイとは他者に対して壁を作って接するものだが、ハルクことブルース・バナー(マーク・ラファロ)に対してはナターシャの心の壁が取り払われる瞬間も。ナターシャが強制的な不妊手術により子どもを持つことができないことを明かす場面があったが、その撮影ではちょっとした"魔法"が必要だったそう。「当時の私は、実際には妊娠していたから、皮肉よね」
■『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)
この作品では、クライマックスの空港でのシーンのために、アベンジャーズのヒーローたちが総集結。スカーレットがアトランタでの撮影に参加した日は、ターマック(舗装路)の温度が100度を超えていたというが、それだけの価値があるシーンになったと本人は語る。
■『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)
最後のワカンダ決戦では、ナターシャがスカーレット・ウィッチことワンダ・マキシモフ(エリザベス・オルセン)、オコエ(ダナイ・グリラ)とタッグを組んで、プロキシマ・ミッドナイト(キャリー・クーン)を倒した。「私たちは、数週間堀の中で戦った即席ユニットだったわ。リジー(エリザベスの愛称)が来た時、"どこにいたのよ! あなたはかっこいいヒーローになることができたし、3週間泥を食べてきたのよ!」と笑いながら振り返った。
■『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)
ファンに衝撃を与えたナターシャの最期。彼女は、仲間がソウルストーンを得るために自らを犠牲にした。しかし、スカーレットによれば、ナターシャのヒーローとしての最後の瞬間は別にあり、元々はディメンタータイプのクリーチャーの軍隊を追跡するシーンを撮影していたという。
「私は"このクリーチャーがどのように見えるかによっては、子どもを持つ親たちは私たちを許してくれないだろう"と思ったの」と変更された経緯について説明。また、すでにアクションシーンは数多くあったことも踏まえて、ホークアイことクリント・バートン役のジェレミー・レナーとともにより感情的になるシーンを再撮影することになったという。「私たちは映画を見てくれる人たちに、失うことの重さと衝撃を残したかった」
■『ブラック・ウィドウ』(2020)
2019年7月に開催されたサンディエゴ・コミコンにて、ブラック・ウィドウを主人公にした新作映画の製作が正式に発表され、映像が初解禁された。その中では、ナターシャと彼女の"妹"エレーナ(フローレンス・ピュー)が再会するなり互いに銃を向け合うも、時には共闘し、時には"家族"として"父"アレクセイ(デヴィッド・ハーバー)と"母"メリーナ(レイチェル・ワイズ)とともに食卓を囲む瞬間が描かれている。
ナターシャとエレーナが対峙する場面は製作の初期段階で撮影されたそうだが、複雑な過去を持つ二人の再会場面を表現するためには、スカーレットとフローレンスの心の距離も縮めることも求められたという。「再会してやり合っているプロボクサーたちを見ているようなもので、その二人の間にはいい形で積み重ねられてきた緊張感があるのよね」とスカーレット。
■ボーナスシーン:『アベンジャーズ』(2012)
スカーレットの個人的なハイライトの一つは、『アベンジャーズ』で描かれたニューヨーク決戦の象徴的なアベンジャーズたちの360度ショットだったという。その時の心境について、スカーレットは「みんなが円になって周りを見渡しているシーンを覚えているの」と話し、「みんなが"これはうまくいく!"と感じた瞬間だったわ」と作品の成功を確信した瞬間だったことを明かしている。
『ブラック・ウィドウ』は当初5月1日公開の予定だったが、新型コロナウイルスの影響により公開が延期され、11月6日(金)日米同時公開となった。なお、彼女が初登場した『アイアンマン2』から『アベンジャーズ/エンドゲーム』まではディズニーデラックスにて配信中だ。(海外ドラマNAVI)
Photo:
『ブラック・ウィドウ』(c)Marvel Studios 2020/『アベンジャーズ』TM & (C) 2012 Marvel & Subs. 『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(c) 2014 Marvel