『ロック&キー』エミリア・ジョーンズ、『コーダ あいのうた』は挑戦だった

映画祭史上最高額、約26億円で落札された話題作、映画『コーダ あいのうた』。本作でルビーを演じるエミリア・ジョーンズ(『ロック&キー』)が<アメリカ式手話>で初めて演じた経験を語った。

映画『コーダ あいのうた』は、2015年に日本でも公開されたフランス映画『エール!』のリメイク版。『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』の脚本家シアン・ヘダーが監督・脚本を務め、サンダンス映画祭で史上最多4冠(観客賞・最高賞・監督賞・アンサンブルキャスト賞)に輝き、第79回ゴールデン・グローブ賞では作品賞・助演男優賞にノミネート。

海の町で、耳の聞こえない両親と兄と暮らすルビーは、幼い頃から家族の"通訳"となり、家業の漁業を毎日欠かさず手伝っていた。高校で合唱クラブを選択したルビー。彼女の歌の才能に気づいた顧問が、都会の名門音楽大学の受験を強く勧める。だが、夢よりも家族の助けを続けることを選ばざるを得ない彼女は...。

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本作で家族の中でただ一人の聴者であるルビーに扮するのは、Netflixの『ロック&キー』で主人公の一人キンジー・ロックを演じる他、『Utopia -ユートピア-』『ドクター・フー』などに出演するエミリア・ジョーンズ。彼女はアメリカ式手話で話すことはもちろん、演技することについても最初はよくわからなかったという。

「最初はちょっと緊張していた。自分が普段使っている言語やコミュニケーション、それを使わない映画に出演するのは初めてだったから。でも実際にやってみるとすごく好きになってしまって、話すより楽しいと思えたの。手話は素敵なコミュニケーション手段。それに、とても美しい言語だと思った。この映画を見た人が手話を学びたいと思ってもらえたら嬉しい」

そして、手話で初めて演技をした経験について、「他の映画の撮影では顔の表情は最小限に抑えて、目だけで演技するということもある。だけど今回は例えば、ものの大きさを人に伝えなければならない時に、伝えたいものがどれだけ大きいか、どれだけ小さいかを身体的に表現しなければならなかった。これは私にとって一つの挑戦だった」と思い起こす。

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ろう者の間で使われる特定の人物を簡単な手話で表現する呼び方、いわゆる<サインネーム>を共演者のマーリー・マトリンやトロイ・コッツァー、ダニエル・デュラントら"ロッシ家"のメンバーからもらったことも明かしたエミリア。自分のことを深く知ってもらってからでないと、付けてもらうことはできないというサインネームについて、「とても光栄なことなの。サインネームはろう者のみが人に与えられるものだから。だから撮影の初めの頃はずっとエミリアで通ってた。でもやがてマーリーが"もっといい名前を見つけましょう"と言ってくれて、私の瞳は優しくてイキイキしているということで、Eから始まる「まつげ」というサインネームをもらったの。とても気に入っている」と、まるで本当の家族のように過ごした撮影期間を幸せそうに語っている。

映画『コーダ あいのうた』は、2022年1月21日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー!(海外ドラマNAVI)

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『コーダ あいのうた』© 2020 VENDOME PICTURES LLC, PATHE FILMS