ダニエル・デイ・キム初主演の『ホット・ゾーン』、10年前なら選ばれていない

本日より放送開始となるナショナル ジオグラフィック製作の実話に基づくシリーズ『ホット・ゾーン』シーズン2にあたる『ホット・ゾーン:アンスラックス』。自身初の主演を務めるダニエル・デイ・キムが、10年前だったら主演に選ばれていないとPeopleに語った。

実際に起きた感染パンデミックを緊迫感満点で描く『ホット・ゾーン』。『グッド・ワイフ』のジュリアナ・マルグリーズ主演でエボラ出血熱を描いたシーズン1に続き、シーズン2『ホット・ゾーン:アンスラックス』ではダニエル主演で、約20年前に実際にアメリカで起きた炭疽菌テロを描く。

本作はダニエルにとって初めての主演作。2004年に『LOST』で韓国人ジン・クォンを演じた当時、アメリカTV業界におけるアジア系俳優の活躍の場はまだ少なかったが、それから15年以上たった今、主演を飾る日が来るまでにいたった。

そんなダニエルは「もしこの作品が10年以上前に作られていたら、僕みたいな顔の人が捜査を指揮するFBI捜査官役になれなかった」とPeopleにコメント。「僕にとってそれは本当に前進のサインなんだ」と述べた。

2001年のアメリカ同時多発テロ事件からわずか1週間後、炭疽菌が入った手紙がワシントンD.C.の政治家やニューヨークのメディアのオフィスに送られ、犠牲者が出た炭疽菌テロを緊迫感満点で描く全6話の本作。ダニエルが演じるのは、珍しい微生物学を得意とする捜査官マシュー・ライカー。「僕のキャラクターは、作品のために用意された人物のひとり。実際に捜査に尽力した様々な人々を融合したもの」と語る。

『LOST』の後、2010年から7年間に渡って『HAWAII FIVE-0』でチン・ホー・ケリーを演じてきたが、2017年に降板。理由は報酬をめぐる問題にあったとも報じられた。その後、プロデューサーとしての仕事も始め、『グッド・ドクター 名医の条件』では製作総指揮として参加している。「もし僕が仕事を作る人になって、僕の目に映る世界を再現するようにキャストを選ぶことができたら、結果としてキャストに多様性が生まれる。なら僕がそれをやらないと」と話すダニエルは続けて「僕にそれを実現させてくれた方々に感謝している。雇われるのを待っているのではなく、仕事の作り手になることはいいことだよ」と製作側としての手ごたえを明かした。

『スキャンダル 託された秘密』のトニー・ゴールドウィンといった豪華俳優が脇を固める中、初主演を飾るまでに成功した秘訣は妻だという。「僕が初めて妻に会った時、俳優になることさえ考えていなかった。韓国の優等生坊やらしく、法律家になろうと思っていたんだ。もしくはエンジニアとかね。でも選んだのは全く別のもの。とてもリスキーな選択をしたときに、妻は応援してくれた」と、彼女の支えへの永遠の感謝を誓った。

今後も俳優と製作、二足の草鞋を履いて、アジア系俳優のみならず多国籍な俳優の活躍の場を切り開いていってほしい。『ホット・ゾーン:アンスラックス』はDisney+(ディズニープラス)で配信中。(海外ドラマNAVI)

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Photo:『ホット・ゾーン:アンスラックス』©National Geographic