有料チャンネル対決!?HBOvs.Showtime

海外ドラマファンなら、すでにご存知でしょう。アメリカには現在、HBOShowtimeという2大有料チャンネルがあります。

どちらも映画のオンエアを中心に、ボクシングの世界戦タイトルマッチの独占放送で成長、現在は高いクオリティのオリジナルドラマが、両チャンネルの売り物となっています。視聴料は双方とも月12~15ドル。当然CMは番組宣伝以外ありません。

そして、どちらとも1970年代に誕生。先にスタートしたHBOの方が、オリジナル・ドラマの『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』『セックス・アンド・ザ・シティ』という歴史上に残るドラマを製作したことで成功は早かった。契約視聴者の数は現在、3000万人超え、一方チャンネルとしてのクオリティで差をつけられたShowtimeはその半分といわれています。

私もHBOを見はじめて、やみつきになったクチ
日曜の夜はHBOがオリジナル・ドラマを立て続けに放送する時間なんですよ。『ソプラノズ』『SATC』から『シックス・フィート・アンダー』『THE WIRE』『ROME[ローマ]』『ラリーのミッドライフ★クライシス』今なら『BIG LOVE』『アントラージュ★オレたちのハリウッド』、あー、よく見てるなあ。

Showtimeの方は、ほんの3年くらい前まではどんないい番組を作っても「だけど誰も見てないから」とジョークのネタにされていました。ドラマのDVDリリースもあっという間に出してましたよね、TVで見てる人ごく少数だったから。オリジナル・ドラマを次々作り出した2000年代初期の人気のないころは、アフリカ系の視聴者を狙った『Soul Food』、ホモセクシュアルの若者たちのドラマ『Queer as Folk』、都会派レズビアンたちの生活を描いた『L Word』など、他局では企画が通らないようなドラマも多かったのです(内容は悪くない)。

けれど、昨年から『Brotherhood』『デクスター~警察官は殺人鬼』『The Tudors』など、批評家受けがよく、かつ視聴者数が取れる番組が一気に増えました。もうバカにされた時代は終わり、「HBOはもう古い、今はShowtime」とさかんにいわれるようになっています。

実は私もエンターテイメント色が濃く、気楽に見ることのできるShowtimeのドラマは大好き。眉間にしわ寄せながら見てしまうような、激しかったり難解なドラマが多いHBOと、スタイルはずいぶん違うと思います。視聴者が看板ドラマを次々なくしたHBOより、明快で楽しいShowtimeを好みはじめるのも納得。

最後にHBOの援護も。HBOはその自由な創造スタイルが、クリエーター、アクターらに愛されてきました。『BIG LOVE』なんて、トム・ハンクス製作、出演はビル・パクストン、ジーン・トリプルホーン、クロエ・セビニーら豪華キャスト。出演者だけで見てしまいますよね。また、ドキュメンタリー作品への入れ込みも並ではなく、興行的には期待できないのを承知で、ドキュメンタリー映画祭を主催するなど、現在のアメリカにおいて地味なドキュメンタリーの強い味方となっています。

"Take it easy~"TVなんだから気楽にいこうぜってムードのShowtimeと、本格派志向のHBO。2つのチャンネルが作り出すドラマにこれからも注目!

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