
お待たせしました! 『HAWAII FIVE-0』をもっと楽しむための突撃企画。次は『24‐TWENTY FOUR』の脚本、共同製作総指揮をも務めたピーター・M・レンコフへのインタビューです。
ピーター・M・レンコフ(製作総指揮)
――アレックス・カーツマンとロベルト・オーチは、あなたに誘われてこの企画に関わったそうですが、あなた自身はどういう経緯があって参加したのでしょうか?
『CSI:NY』をやっているときに、CBSから『HAWAII FIVE-0』のオリジナルを知っているか、と聞かれたんだ。CBSはその一年ほど前にリメイクの準備をしたんだけど、うまくいっていないことは知っていた。それで、興味はあるかと聞かれたんで、『父のお気に入りの番組だったから、ぜひやらせて欲しい』と答えたんだ。そのあと、ボブとアレックスのファンだったんで、パートナーになってもらったら、素晴らしいドラマが出来るんじゃないかと思ってね。
――あなたはたくさんの刑事ドラマをやっていますが、『HAWAII FIVE-0』をやりたいと思った一番の動機はなんですか?
父のお気に入りの番組だったということがなによりも大きいね。放送されていた12年間、父は一話も見逃したことがなかった。だから、ぼくにとってみれば、かなりパーソナルな動機なんだ。素晴らしいリメイクを作って、父に『よくやった』と褒めてもらいたい、という。
――で、褒めてもらえましたか?
うん。ただ、気に入らないエピソードに関してはかなり手厳しいけどね(笑)
――『チャーリーズ・エンジェル』や『刑事コジャック』など往年のTVドラマが次々リメイクされていますが、いずれも成功していませんよね。どうして『HAWAII FIVE-0』だけが成功したのでしょうか?
TVドラマのリメイクを成功させる方程式なんて知らないよ。ただ、『HAWAII FIVE-0』のオリジナルを見直したとき、唯一欠けていると思ったのは、キャラクターの成長がないことだった。普通、リメイクをするときは、コンセプトをそのままリサイクルするだけだ。でも、ぼくはオリジナルの『HAWAII FIVE-0』を見たときに、マクギャレットやダノという人は果たしてどんな人なのか知りたくなった。オリジナルはプロット重視で、マクギャレットやダノがどうしてハワイに来たのか、なんの説明もない。だから、ぼくは一人のファンとして、そういう疑問に答えようと思ったんだ。彼らはどうしてFIVE-0で働いているのか、その前はなにをしていたのかとか、そういう疑問をね。リメイクでは、プロットだけじゃなくて、彼らの人間像を描くことを意識的にやっている。そのおかげで、視聴者も主人公たちに愛着を持ってくれている。これが成功の要因じゃないかな。オリジナル版のファンにしても、こうした背景的要素はとても楽しいものだと思うしね。
――最近のドラマの多くは、事件解決だけではなく、キャラクターを巡るドラマをきちんと描くようになっています。これはなぜでしょうか?
それは、ケーブル局のドラマと競争しなくてはならなかったからだと思う。ケーブルはキャラクター重視で質の高いドラマを提供しているからね。だから、ネットワーク局も、そういった番組に対抗するためには、プロット重視のドラマのなかにも、キャラクター描写を詰め込んでいかなくなっていったんじゃないかな
――シーズン2では新キャラクターが加わったり、それぞれの立場が変わったりして、さまざまな変化が加えられていますが、それはなぜでしょうか?
大きく変わったような印象を受けるかもしれないけれど、実際にはファミリーが成長しただけなんだ。4人でスタートしたわけだけれど、ずっとそのままの人数でいるのはおかしいと思って。ただ、テリー・オクィンが参加したのは、プロットと密接に関わっているからだ。ある程度のエピソードに登場して、その後、去ることになる。核の部分はとくに変わっていなくて、それぞれのキャラクターがちょっと成長して、あとはメンバーが増えただけで。
――以前『24』を手がけていらっしゃいましたが、『HAWAII FIVE-0』と共通点はありますか?
それは難しい質問だね。実際、二つはまったく異なるドラマだから。『24』はコンセプト重視のドラマで、こちらは刑事ドラマだ。ただ、どちらもストーリー展開のペースが速くて、主人公が常に難しい決断を迫られるという点では同じだね。『24』においてジャック・バウアーは常にタフな選択をしなくてはならなくなる。『HAWAII FIVE-0』でも、マクギャレットは同じような状況に陥る。じっさい、ぼくらが脚本を書いているとき、『こういうとき、ジャック・バウアーならどうするだろう?』って話し合いながら、マクギャレットの行動を決めているくらいだから(笑)
(海外ドラマNAVI)
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