
全国のドラマニアの皆さん、こんにちは。オー・ソレミヨです。しばらくご無沙汰しておりました。1月からミッドシーズンのドラマがちらほらお目見えしていますが、秋から始まったドラマに新作チェキが加わると、全部を見るのが大忙しなこの頃です。さて。パイロット版ではあまりパッとしなかったり、ピンとこなかったりして、早々と見切りをつけてその後みていなかったドラマやシットコムを、ある時ふと気が向いて見てみたら、けっこう面白かったということが時々あります。そんな番組のひとつがNBCの『Whitney』です。
架空の自分を演じるシットコム
これは、ホイットニー・カミングスというスタンダップ・コメディエンヌ(女性)が、架空の自分を演じるシットコム。彼女が製作総指揮も兼ねています。コメディアンが自分の名前を冠したシットコムというと、少し前の『となりのサインフェルド(Seinfeld)』や現在人気の『Louis』などがあります。でも、それらが本来の職業=スタンダップ・コメディアンの自分を演じているのに対して、『Whitney』でカミングスの演じるタイトルロールの職業は、なぜかフォトグラファー。どこかのクラブでスタンダップを演じるシーンはありません。
ホイットニーと一緒に暮らす、ネットのベンンチャー起業家のボーイフレンド、アレックス(クリス・デリーア『名探偵モンク』『ボストン・リーガル』)との関係性を核に、彼らをとりまく友人たちとの絡みをエピソードにしています。二人が結婚するつもりはないのは合意の上だけど、ホイットニーはこの関係がいつか終わってしまうんじゃないかと、心配もしている。そこであの手この手を使って、アレックスの気を引こうとする...というのが、大まかなプロット。
ホイットニー・カミングス自身は、過去にモデルの仕事もしたことあるほどの長身(180センチ!)でスレンダーな美人さん。アイビー・リーグの大学を出ておられる才女でもあります。役柄もそうですが、早口でしゃべるサバサバとした男性っぽい人のようです。実際、自分は小さいペ◯スを持っていると公言しているし(笑)。天は二物どころか、三、四物も与えています。でも、美しすぎるコメディアンってどうなんでしょう?
彼女は同じく昨年9月に始まった大人気シットコム『NYボンビー・ガール』の共同クリエイターでもあります。弱冠29歳にして自分の製作する番組が同時期に二つも放送されるなんて、ただごとではありませんよね。ただ、『NYボンビー・ガール』が批評家受けもよく、高視聴率をキープしているのに対して、冠番組の『Whitney』は批評家から冷たくされ、視聴率も今ひとつパッとしないのが皮肉なところですが...。次のシーズンへリニューアルされるかどうか、今の時点では五分五分のようです。
久々にみた同番組(1/25放映分)では、ホイットニーはなぜかフォトグラファーのキャリアが風前のともしびとなり、女性誌編集者の親友がアシスタントを探しているときいて、自ら立候補します。即採用されたはいいけど、主な仕事は電話受けと、会社の中で親友の敵対関係にあるというウェブ制作チームのスパイをすること。ホイットニーはまず敵のふところへ入り込もうと、自分と同じような立場のアシスタントの女性に声をかけます。すると相手は気安く話しかけないでと、高飛車な態度をとりますが、ガールフレンドからかかってきた電話には甘い声で応じている。彼女がレズビアンだと知ったホイットニーは、自分もレズビアンだと嘘をついてなんとか気を引こうしますが...。スタンダップ・コメディエンヌの実力者キャシー・グリフィン(『となりのサインフェルド』)が敵のアシスタントに扮しており、この二人のかけあいが巧くて笑いを誘います。
また、ボーイフレンド、アレックス役のクリス・デリーア(なかなかのイケメン)も実はスタンダップ・コメディアンで、どこかとぼけた味が、男友達との絡みによって生きています。むしろホイットニーと女友達とのガールズトークよりも面白いし、さらに面白くなれる可能性を秘めています。
昨年末には、ホイットニーのお父さん役でピーター・ギャラガー(『The O.C.』)もゲスト出演しました。この先もまたギャラガーやキャシー・グリフィンのような個性派を登場させて人間関係に広がりを持たせつつ、クリス・デリーアの才能をもっと引き出して、番組を盛り上げてくれることを才媛ホイットニー・カミングスに期待しています。
Photo:Instagramアカウント@angelsway200