「ちょっとしたハッピーがものすごく大きなものに感じる作品」『フォーリング スカイズ』アフレコ現場に突撃!平田広明さん、本田貴子さんにインタビュー!【後編】

≪インタビューの【前編】はこちら

20120413_c02.jpg―― トム(ノア・ワイリー)とアン(ムーン・ブラッドグッド)の声を演じる上で気を配っているところはあるんですか?
本田:私、実はないんです~(笑)

平田:じゃぁ、僕が話しましょうか? って、僕も...何もないです(笑)

―― 二人とも自然体で?

20120413_c09.jpg平田:もともとこのドラマだからどうとか、このキャラクターだからどうとかっていうのは、少ないんです。アニメーションと違って、ドラマや映画は既に血の通った人間が演じて完成されているものですから、そこから表情を読み取って、できるだけ彼らの演技に添う芝居をしていくだけです。あとはこちら(吹替)側の関係性ですよね。日本語版になった時に僕らがきちんと会話ができているか、それは最低限どの現場でも常に気をつけているし、それだけで十分なんじゃないかって思ってます。エイリアンに会ったらこういうビックリの仕方をしようとか(笑)、そういう話じゃないんですよね。

―― すごくスケール感がある作品ですが、声をアテていて思わずテンションが上がったりすることはありますか?

平田:それがね、上がらないんですよ(笑)

本田:(笑)

平田:テンションが上がるシーンってだいたい声を潜めなきゃいけないんですよ。実は一番上がっているシーンに限って、「おい、大丈夫か?」ってひそひそやってるんですよね。ホントは「うわーっ」とかやりたいけど、一番緊迫してるところで一番声を抑えなきゃいけないんです(笑)

―― 逆に気持ちを抑えるのが大変ですね。

20120413_c03.jpg平田:そうなんです。これは個人的な話ですけど、またノア・ワイリーさんはボソボソしたお芝居が大好きでね(笑) 熱血な方の吹替えをするよりは消費カロリーが少なくて済むのは助かるんだけど、もうちょっとしっかり話せ、とか思ってしまいますね(笑) リアリティがあってすごく好きな演技ではあるんだけど、『ER 緊急救命室』の時はもっとしっかり話してたんじゃないの? とかつい突っ込んでしまいます。

―― 平田さんと言えばジョニー・デップの声も有名ですけど、海外ドラマファンの間ではやっぱりノア・ワイリーだと思うんですが、『ER』の頃とは違ったキャラクターを演じる彼を見てどう思いました?

平田:やっぱり最初は違和感がありましたね。機関銃背負ってる彼を見て、「何やってんだ?」って思ったり(笑)、 患者を診ているアンの手伝いをしている時も、なんだかおぼつかない様子なんだけど、「ホントは出来るだろ!」とか、一般の視聴者が思いそうなことを真っ先に思いました(笑)

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―― 本田さんもミラ・ジョヴォヴィッチの声を吹替えてますが、そういう長年声を担当している俳優さんにはやっぱり想い入れも大きくなりますか?

本田:そうですね。それはやっぱりあります。いろんな作品に出演しているのを見て、彼女も新しいことに挑戦してるんだな、私も頑張ろうと思うし。吹替え自体は私がミラ・ジョヴォヴィッチを演じてるわけではなく、彼女が演じている役の声を当てているだけなので、他の仕事と変わりないんですけどね。でも彼女が何か新しいことに挑戦すると、私にも新たに課題が出来るし、彼女に負けないように声をあてて、みんなに届けなきゃって。励まされるの半分、緊張するの半分で頑張ろうという気持ちになります。

―― 平田さんのノア・ワイリーみたいに15年も同じ役の声を担当するというのもまた珍しいですよね。

平田:他の作品がほとんどないですからね。1度だけ『ライブラリアン』で冒険家みたいなキャラクターをやりましたけど、それ以外はほぼ『ER』ですから。ジョニー・デップなら『パイレーツ・オブ・カリビアン』だけじゃなく、いろんな役をやってるので、「今度はこういうものか」ってスっと入って行きやすいんですけど。ノア・ワイリーはずっと医者だったから、そこがやっぱりすごく違和感を覚えるんですよね。『フォーリング スカイズ』も今日の収録でもう7話くらいまで来てるんですけど、『ER』は200本以上ありましたからね、7話くらいじゃとうていこの違和感は拭えないんですよ。あと、これは日本語だけの問題なんだけど、彼が「俺」っていうこと自体がもう違和感(笑)。「僕」じゃないと、なんかトチったような気がして。彼もヒゲをはやしたりして男らしくなってるし、僕は彼の声を演じる時は自然と声が低くなってるんですけど、それでも「俺」とか言われると未だに「何強がって。『俺』とか言ってるよ」って思っちゃう(笑)

――このドラマは『ER』と比べると1シーズンの話数が半分くらいしかないので、それだと慣れるまでに相当シーズンを重ねないと...(笑)

平田:どうだろう。15年くらいかかるんじゃないかな。

本田:これに?(笑)

平田:このドラマ自体はどんどん続いて欲しいけど、2年くらいでエイリアンとの話は終わって、全く違う話になってくれないかな。見てる人が「最初と全然違うじゃん」って思うくらい、もうお花畑で踊りまわってるみたいな作品になってくれたら、7年後くらいには僕も「俺」って普通に言えてると思うな(笑)

――でもこのドラマだとそういう展開は望めなさそうですが...(笑)

本田:確かに明るいストーリーとは言えないんですけど、それだけに逆にちょっとしたハッピーなことがすごく大きく感じるんですよ。

平田:そこがいいんだよね。

フォーリング スカイズ
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『フォーリング スカイズ』はスターチャンネルにて、以下の日程で放送スタート!
4月14日(土)20時~第1話無料放送(二か国語版)
4月16日(月)21時~(字幕版)

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