先日第85回アカデミー賞のノミネートが発表された。すでに第70回ゴールデングローブ賞（以下GG賞）のノミネートも出そろっており、映画ファンにとっては年に一度の心高ぶるシーズンがやってきた。
アカデミー賞は、その大部分をハリウッド業界関係者により構成された「映画芸術科学アカデミー」会員が投票権をもち、一方GG賞はアメリカ合衆国の映画業界をカバーする、ヨーロッパ、アジア、オーストラリア、ラテンアメリカの新聞・雑誌記者により構成される「ハリウッド外国人映画記者協会」の投票によって決まる。となれば、両アワードに選ばれる作品は、映画界内外含めて高い評価を得た作品として、まさに名誉の中の名誉を手にすることになるだろう。
さて今年度、両アワードにノミネートされた作品は、『アルゴ』『ジャンゴ 繋がれざる者』『リンカーン』『ゼロ・ダークサーティ』『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』『レ・ミゼラブル※』『世界にひとつのプレイブック※』となっている。アメリカを代表する大統領を描いた『リンカーン』、アメリカ大使人質事件を扱った『アルゴ』、国際テロ組織"アルカイダ"の指導者オサマ・ビンラディン捕縛・暗殺作戦を扱った『ゼロ・ダークサーティ』といった作品が名を連ねているのを見ると、映画を通じて「強いアメリカ」「正義のアメリカ」を今一度確認・主張したいという風潮を感じずにはいられない。また、直近の2年が『英国王のスピーチ』『アーティスト』といった、自国以外の作品にアワードを持っていかれたこともあり、「今回こそはアメリカ映画にアワードを！」という潜在的な想いが少なからず影響しているのではないだろうか。
現時点では『リンカーン』が、両アワードそれぞれで最多部門でのノミネートとなっている。果たしてこのまま総ナメにするのか否か。注目の授賞式の模様は、『第70回ゴールデン・グローブ賞 授賞式』がAXNにて1月20日（日）20:00から、『第85回アカデミー賞 授賞式』はWOWOWプライムにて2月25日（月）9:00から放送される。（海外ドラマNAVI）
※はゴールデン・グローブ賞ミュージカル・コメディ部門の作品賞としてノミネート。
Photo：『リンカーン』
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