『HOMELAND』はシーズン3が大きな分岐点になる!? 運命の分かれ道とは?

9月29日(日)からアメリカでシーズン3が始まる『HOMELAND』。シーズン1&2は、思考錯誤を繰り返しながら、挑戦が許される、いわゆる攻めのシーズンだった。米The Huffington Postのインタビューで、同シリーズの企画・製作総指揮を務めるアレックス・ガンサも「シーズン1では、安全な道と安全でない道があったら、迷わず安全でない道を選んできた」と答えている。このシリーズの成功の影響は大きく『HOMELAND』に続けとばかりに、テレビ界では政治陰謀モノの新作が目立つようになった。

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同サイトのテレビ批評家は、シーズン2も、キャラクターの心理を丁寧にストーリーに絡ませながら描くことで、シリーズの重厚感が深まっていたと分析。だが、次のシーズン3で製作陣は二つの道のどちらかを選ばないといけないだろうと語っている。

その二つの道とは――『デクスター~警察官は殺人鬼』か『ブレイキング・バッド』のどちらか。

両シリーズともに、主人公が裏の顔を持っており、"世間にバレたらおしまい"という設定が、ストーリー展開に大きく絡んでくる。バレそうでバレないぎりぎりのラインと、どこに向かっていくのか予測不可能な展開が売りだ。

『HOMELAND』と同じく米Showtimeで放送された『デクスター』はシーズン8まで続いた同局の看板シリーズであり、同局にとってドラマ革命を起こしたシリーズでもある。そのため『HOMELAND』には、"ポスト・デクスター"の期待が一心に掛かっている。

そして『デクスター』はシーズン3より、さらにシーズンを更新するために、犯罪捜査モノの定番プロットを採用。デクスターがどのように事件に絡んでいくかという点に重きを置き、できるだけ長くシーズンが更新できる道を選んだ。それが可能だったのは、もちろん、デクスターという最高に魅力的なキャラクターの存在があったからだ。マイケル・C・ホールというカリスマ主演の力も大きい。その一方で、主人公の葛藤の着地点――いわば、主人公が行き着く先を先延ばしにすることで、バレるか、バレないかのスリル感を犠牲にする。視聴者はどこかで「まだバレない」という暗黙の了解を感じとってしまうからだ。そのため、シリーズの勢いに陰りが見え、最終シーズンで決着をつけようという段になっても、イマイチ盛り上がりを見せていないのは当然のこと。もはや"今さら"なのだ。

一方、同じくいよいよ終着駅に向かっている『ブレイキング・バッド』の盛り上がり方はすごい。もはや現象と言っても過言ではない人気だ。映画でも、「今日は『ブレイキング・バッド』でも見るよ」というセリフがあるくらい。

こちらの製作陣は、『デクスター』とは反対に主人公の葛藤をとことん追求していくことを決めた。シーズンを重ねるごとに視聴率が上がっていくマジック・シリーズだっただけに、シーズン8までの更新は軽いと見られていた。しかし、安易な延命は本意ではないと、シーズン3の段階で、シーズン5で終了すると宣言。ファンのためにしっかり納得する結末を用意すると宣言した。そしてシーズン1から、隙のない脚本、隙のない演技、隙のない画作りが貫かれてきた同シリーズは、間違いなくドラマ界に名を残すと評されている。

シーズン3は、まさしくドラマの分岐点。はたして『HOMELAND』がどちらの道を選ぶのか、9月から始まるシーズン3に注目が集まる。(海外ドラマNAVI)

Photo:『HOMELAND』
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