【やらなきゃよかったスピンオフ】その1:『ジョーイ』 ピンでは厳しかった! 友達あっての天然キャラ!?

オリジナルドラマの人気にあやかり製作されるスピンオフドラマ。ゼロからスタートするよりも、認知度という点から有利として最近、ますますスピンオフへの期待が高まっているが、もちろんすべてが成功するわけではない。そこで米TV Guideで今まで報じられた「やらなきゃよかったスピンオフ」から、海外ドラマNAVI的視点から10本ピックアップしてご紹介しよう。本日はその第1弾である。

■『ジョーイ』
1本目は1994~2004年に10シーズンにわたり放送された大ヒットコメディ『フレンズ』からのスピンオフ。タイトルのとおり、『フレンズ』に登場する仲良し6人組の一人であるジョーイ(マット・ルブラン)を主人公にした番組で、『フレンズ』が終了した同年秋にスタートした。

TV Guideは"やらなきゃよかった"理由について、「米NBCが『フレンズ』を何らかの形で続行させたかったのは理解できるが、役者としての成功を求めてニューヨークからロサンゼルスへ引っ越すジョーイを追うのは間違いだ」と一刀両断。愛嬌があって、女たらしで、おバカなジョーイのキャラが『フレンズ』で抜群の効果を発揮したのは、仲間たちとのやり取りがあってこそ、頭の悪さも、チョコチョコとちりばめられていたから功を奏したと指摘している。『ジョーイ』で、仲間がいなかったわけではない。『フレンズ』のようにジョーイをバックアップするキャラクターもいた。 "退屈"な甥っ子のマイケル(パウロ・コスタンツォ)と"強烈"な姉のジーナ(ドレア・ド・マッテオ)を登場させたが、これが空回り。やはり本家に比べて弱かったのは否めない。

『ジョーイ』はシーズン2更新にこぎつけたものの、シリーズ開始当初は絶好調だった視聴率が低迷を見せ、シーズン2半ばであえなく打ち切られた。人気ドラマ『フレンズ』の打ち切りを惜しむファンたちにとっては、『ジョーイ』は"いきなりお気に入りの番組がなくなる"寂しさを埋めたのかもしれない。そんな寂しさを埋めるには、ロスでも、チャンドラーでもなく、ジョーイという底抜けな天然キャラがピッタリだ。とはいえ、いつかは視聴者も『フレンズ』の余韻から覚めるもの。その余韻に浸るのは、シーズン1だけで十分だったのかもしれない。(海外ドラマNAVI)

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