英ITV局が放映する大人気ドラマ『Broadchurch』を、米FOXがリメイクすることは以前お伝えしたとおり。しかし、同作のファンからは、英語で製作されている質の高いドラマを、なぜリメイクする必要があるのかという声が上がっている。
『Broadchurch』は、『ドクター・フー』で10代目ドクターを演じた英国人俳優デヴィッド・テナント扮する刑事が、小さな町で謎の死を遂げた少年の事件を捜査するというストーリー。FOXが手掛けるリメイク版は、番組名を『Gracepoint』に変更し、オリジナル版より2話多い1シーズン10話の構成になるという。ただし、デヴィッドは、アメリカのリメイク版でも主役を演じ、『ブレイキング・バッド』でウォルターの妻役で知られるアンナ・ガンと共演することが決定している。
FOXの会長ケビン・ラリー氏は、「アメリカの視聴者は、アメリカ向けに何かしらの手を加えた番組のほうが、より落ち着いて視聴できます。両国民には文化的な特性があるため、リメイクは、そのギャップを埋める作業なのです」と説明。『ダウントン・アビー』という例外はあるものの、アメリカの視聴者は英国訛りのドラマを見ることにあまりなじみがなく、オリジナル版をそのまま放映するのでは本国ほどの人気は出ないだろうと、FOXは判断したようだ。
もちろんリメイクする利点もある。ラリー氏は、「リメイク版は10話で構成されているため、視聴者により興味を持ってもらえるよう、オリジナルにはないひねりを加えた結末をいくつも準備しています」と、ストーリーにも変化を加え、独自の魅力を創造できると強調。ただし、『Broadchurch』と唯一同じキャストのデヴィッドだけは、アメリカ訛りの英語に苦労させられそうだ。
今月よりいよいよ撮影が開始される『Gracepoint』。オリジナル版と合わせて、日本でも視聴できることを期待したい!(海外ドラマNAVI)