マーベル・コミックのヒーローたちが集合した大人気映画『アベンジャーズ』のスピンオフとして、米ABCで放送されているTVドラマ『Marvel"s Agents of S.H.I.E.L.D.(以下、S.H.I.E.L.D.)』。そのスローな序盤の展開に苛立つ視聴者・批評家の声に、出演者たちは困惑しているようだ。
『S.H.I.E.L.D.』は、マーベルコミックの世界観をベースに、諜報機関S.H.I.E.L.D.のエージェントたちによる活躍を描く新作ドラマ。マーベルヒーローの映画にたびたび登場したフィル・コールソン捜査官(クラーク・グレッグ)が、エージェントたちを率いる。製作総指揮とパイロットの脚本を担うのは、映画を監督したジョス・ウェドン(『バフィー ~恋する十字架~』『ドールハウス』)だ。
ところが、人間のエージェントたちが不可思議な事件に取り組む本作に、「『アベンジャーズ』などのマーベル映画に比べて地味」「キャラクターの掘り下げが足りない」などの批判が向けられている。プレミア放送では視聴者数1190万人、18-49歳層で4.7レーティングという好成績を記録したものの、回を追うごとに視聴率は下降を続けているところ。「そろそろ見るのをやめるかも」という声さえ、ネットではちらほら見受けられる。
そんななか、クラークは、The Salt Lake Tribuneのインタビューで「(途中で見るのをやめてしまった人たちは)ギークじゃない。"敗者(loser)"だ」と発言した。
「今後は、(マーベルのキャラクターである)デスロックのようなキャラクターが登場しはじめる。別々のエピソードが実はつながってることがわかってくる。僕が敬愛している大勢のギークは、番組の内容にとても興奮してくれている。だから僕も、そういう人のために仕事をしていくつもりだ」
ただその後、先の発言はさすがに語調が強すぎたと思ってか、「番組の形成時期に欲求不満を抱く人のことを必ずしも敗者だとは思わない。ただ、もう少しだけ辛抱してつきあってほしいと思うんだよ」と言い直している。
ちなみに、本作でメリンダ・メイ捜査官を演じているミン・ナも、「ファンの皆さんのことはとても大好きだけど、結果をもう求めている。エピソードが22話もあって、うまくいけば、これから何年もお話が続いて登場人物が肉付けされていく番組なんです。だから気長にかまえて、結論を急がないで。私たちと一緒に、ゆっくりとライドを楽しんでほしい」と話している。
なお本作では今後、『マイティ・ソー』の女戦士レディ・シフを演じたジェイミー・アレクサンダーが同役で出演、また、『エイリアン2』のビル・パクストンがゲスト出演する予定。さらにクラークが言っていたように、マーベルコミックのキャラクターであるデスロックやローレライが登場することも決まっている。
本作のプロデューサー、脚本家、そして出演俳優たちによれば、最初の十数話は、この先勢いをつけて切迫した状況を作り上げるために必要なステップだったとのこと。不満の声が出ていたことを忘れさせるような展開が待っていることを期待したい。(海外ドラマNAVI)
Photo:『Marvel"s Agents of S.H.I.E.L.D.』
(c)ABC Studios