現在公開中の映画『ダブリンの時計職人』(原題:Parked)に、『魔術師マーリン』の主演で人気を博した俳優コリン・モーガンが出演していることは、以前ニュースでもお伝えしたとおり。コリンは母国アイルランドでの人気にとどまらず、イギリスのTV大賞「National Television Awards」において、『SHERLOCK シャーロック』ベネディクト・カンバーバッチや、『ドクター・フー』マット・スミスを押しのけ、 2013年のドラマ部門最優秀男優賞を受賞。また、「もっともセクシーな男ランキング」(英CULTBOX2011年版)で10000票近く獲得し(全体の36.9%)、『ホビット』リチャード・アーミティッジ(2位)や、ベネディクト(3位)を抑え、首位を獲得するなど、注目を集めている若手俳優の一人です。
本作で、ドラッグに溺れながらも、心に深い傷を負った複雑な青年ホームレス役を演じたコリンが、インタビューに答えてくれました。どうぞお楽しみください。
『ダブリンの時計職人』~あらすじ~
時計職人フレッドがロンドンで失業し故郷ダブリンに戻ってくるところから始まる。職と家を失いホームレスとなったフレッドは、悲しい現実を受け止めきれず、落ち込んだ日々を送っていた。しかし "隣人"としてあらわれた青年カハルとの出会いで次第に新しい自分を発見していくが――。
『僕にとってカハル役は『魔術師マーリン』からの脱却だった。
暗い過去を持ったジャンキー役のために、嫌いなタバコを自然に吸う練習をしたよ』
僕が演じたカハルは、暗い過去を持ったジャンキーのろくでなし。駐車場で出会ったホームレスのフレッド(コルム・ミーニイ)と友情を結び、暗闇のなかで生きるフレッドに明るさを取り戻させようとする。そして彼と一緒に、家に住むことの大切さを見つけるんだ。
カハルはとても楽天的な性格で、自分の境遇にもかかわらずフレッドを勇気づけようとする。そしてその結果、彼自身が苦しむことになるんだ。
この映画は、現在のアイルランドのホームレスとドラッグ中毒と経済問題という大きな問題に取り組んでいて、そのどれもが重要なポイントなんだ。しかし、暗い状況でも希望と幸せを見つけるという高揚感もある。
このカハル役は『魔術師マーリン』からの大きな脱却だった。撮影前に、自分への課題としてダブリン各地で数週間にわたってリサーチをしたんだ。そして役に説得力を持たせるために、1か月間だけ喫煙を始めたんだよ!僕はタバコが嫌いだら最初の2、3日はほんとうに辛かった。だけど映画を観ていて、役者がタバコを吸うしぐさがぎこちないと違和感を覚えることもあったのでがんばった。カハルはタバコだけでなくヘロインもやる、 ドラッグに関するプロだからね。
そしてこの問題について知るためにドラッグのリハビリ・センターにも行って、麻薬常習者がどのようにドラッグを打っているのかビデオを観た。リサーチをしていて驚いたのは、僕らはたいていドラッグ中毒について彼のような「落ちぶれたろくでなし」をイメージするけれど、現実は、多くのドラッグ中毒者は自分が中毒者であることを巧みに隠して普通の仕事につき社会で暮らしていた。ドラッグ中毒は、それが秘密にされること自体が大きな問題だと思うんだ。
【プロフィール】
1986年北アイルランドのアーマー生まれ。大学時代から演技を勉強し、王立スコットランド音楽ドラマアカデミーに進学。イギリスのテレビドラマシリーズ『魔術師マーリン』の主演で人気を博し、2008年度バラエティ・クラブ・ショービズ・3ワードのキャロン・キーティング新人賞を受賞。そのほかの映画主演作は『Island』(2011年)。近年では、ロンドンのハロルド・ピンター・シアターで公演された『Mojo』で、ルパート・グリントとベン・ウィショーと舞台に立ち、演劇にも力を入れている。
『ダブリンの時計職人』
監督:ダラ・バーン
プロデューサー:
ドミニク・ライト、ジャクリーン・ケリン
脚本:キーラン・クレイ
撮影:ジョン・コンロイ
美術:オーウェン・パワー
出演:コルム・ミーニイ、コリン・モーガン、ミルカ・アフロス
製作:Ripple World Pictures Limited, Ireland (2010年/アイルランド、フィンランド/94分)
後援:駐日アイルランド大使館
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