トンデモ映画のナレーターにさせられたケイト・マルグルー、天動説をきっぱり否定

『スタートレック:ヴォイジャー』でジェインウェイ艦長役を演じたケイト・マルグルーが、「地球は宇宙の中心にある」と主張する人物の作ったドキュメンタリー映画でナレーションを担当し、物議をかもしたことは、すでにお伝えしたとおり。騒動の渦中におかれたケイト本人が声明を出した。

問題のドキュメンタリー映画『The Principle』は、ロバート・サンジェニスという人物が一部出資して製作されたもの。彼は、天動説を支持する超保守的思想をもっているほか、反ユダヤ発言などでも悪名高い人物だ。

この映画について、ケイトはFacebookで次のように声明を出している。

「『The Principle』というドキュメンタリーに私が参加したことで、論争が起きていることは理解しています。この件について、著名な物理学者のローレンス・クラウスさんとまったく同じ意見であることを、みなさんにお伝えしておきます。クラウスさんもこの映画で自分の発言を誤った形で用いられており、ニュース雑誌サイトSLATEで明確に反証をしておられます。私は天動説を信じていませんし、天動説をいかなる形でも支持しません。もっと大事なことは、ロバート・サンジェニスが科学や歴史について書き記した事柄に同意しませんし、もしサンジェニスが関与していると知っていたら、ドキュメンタリーへの参加を間違いなく避けていたでしょう。私は雇われたナレーターで、今回の件では誤った説明を受けました。予告編に使われた私の声が混乱を引き起こしたことをお詫びします。ケイト・マルグルー」

ケイトが声明のなかで触れているように、ローレンス・クラウスはSLATEに寄稿した記事で、映画のためにインタビューを受けた記憶がなく、趣旨を知っていたら断っていたはずだと述べている。おそらく、映画の製作者はパブリックドメインのインタビュー映像を使用したか、他の製作会社から映像を買い取ったか、または、虚偽の名目で本人にインタビューしたか、そのどれかだと言うのだ。おそらく他の科学者たちの場合も、同じような手口でインタビュー映像が使用されたのだろう。

「あのジェインウェイ艦長が天動説を信じてる?」と一時は騒がれた今回の出来事だが、ケイト本人がきっぱり否定したことで、多くのファンはほっと胸をなでおろしているようだ。(海外ドラマNAVI)

Photo:ケイト・マルグルー
(c)Getty Images