『パーソン・オブ・インタレスト』、企画時には"人工知能"に反対の声も

アメリカで先日シーズン3が幕を閉じた『パーソン・オブ・インタレスト 犯罪予知ユニット』。本作はシーズンを重ねるごとに、巨大監視システム"マシン"の意志が大きな意味をもつようになってきている。しかし、企画の立ち上げ時には、この「人工知能」という題材に疑問の声も出ていたようだ。

番組クリエイターのジョナサン・ノーランは、io9.comのインタビューで次のように話している。

「本作はこれまで常に、AI(人工知能)をめぐる物語でした。そのことにためらいは持たないようにしています。企画立ち上げのごく初期に、重要な時機が訪れたことがありました。僕らはこう言われたんですよ――"(ハロルド・フィンチが入手する)番号がどこから来ているのか説明する必要があるのか? マシンの存在を視聴者が知る必要はあるのか?"とね。でも、(脚本・製作総指揮の)グレッグは、"いやいや、これはAIについての物語だと知ってもらう必要があります"と頑なに答えていました」

未来の凶悪犯罪を予知し、事件発生を阻止するのが本作の肝となる要素だが、製作者たちは、それを可能にするマシンの設定に対する抵抗と戦わなくてはならなかったようだ。

ちなみに、ノーランたちは、現実においてもマシンのような人工知能が実現する日が、意外に早く訪れると考えている。「二つの巨大な企業が、実現に向けて猛然と突っ走っていますからね。ラリー・ペイジ(Googleの共同創業者/CEO)とマーク・ザッカーバーグ(Facebookの創業者/CEO)という二人の金持ちが、AIの開発にしのぎを削っているところです」

「ある種の人工汎用知能とか、人間に似た知能は、今後5年から10年の間に出現すると思います。番組が放映されている間かもしれません。そうなったら僕らは大喜びですよ――人間を奴隷にしようとしないかぎりはね」と語るノーラン。

人工知能を現実のテーマとして扱っている『パーソン・オブ・インタレスト』。これからどんな方向に物語が向かっていくのか楽しみだ。(海外ドラマNAVI)

Photo:『パーソン・オブ・インタレスト 犯罪予知ユニット』
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