祝『ママはレスリング・クイーン』公開!ジャン=マルク・ルドニツキ監督に突撃インタビュー!

映画『ママはレスリング・クイーン』が本日より公開になりました!先月プロモーションのため来日したジャン=マルク・ルドニツキ監督は12歳の頃から映画に夢中になり、初めて映画館で見た『レイダース/失われたアーク』に大きな衝撃を受けて以来、スティーヴン・スピルバーグをヒーローと仰いでいるとのこと。お小遣いを貯めてSuper 8(8mmカメラ)を買い、数多くの短編映画を撮影、そしてあらゆるジャンル、スタイルのテレビ番組の脚本を執筆、その活動を経て監督という彼の最も敬愛する職業に就いたということです。ルドニツキ監督は、なんとフランスの人気テレビシリーズで日本でも人気のある『女警部ジュリー・レスコー』や『CSI:科学捜査班』のフランス版と称される『R.I.S.警察科学捜査』等の刑事ドラマの演出や脚本も手がけています。『ママはレスリング・クイーン』は第1作目になる長編監督作品!

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――TVシリーズと映画とで「これはいつもと違うな」と感じるポイントはどんなところでしょうか?

TVシリーズのほうが効率よく撮らないといけないですね。時間がとても限られており、その限られた時間の中でたくさんのカットを撮らないとならないので、必ずラッシュフィルムがたくさん撮れるように、カメラ2台で撮影しているんですよ。それに比べて長編映画の場合は時間もありますし、準備にも撮影にも時間をかけられます。また、TVシリーズというのは映画と違って資金を自ら調達する必要がないですし(すでに決まっているから)、キャスティングもこれまで出演している人ですし、新しいキャストが入るときだけオーディションをすればいい。全てが準備されていて、そこに私が乗りこむという感じなんです。一方、長編映画だとシナリオを書いて、プロデューサーを探して、プロデューサーがOKを出した時点で、キャスティングをし、キャスティングをしながら資金調達を並行して進めるという...そういう点では大きく違いますね。

――逆に、TVシリーズでも映画でも一貫している点や、ポリシーなどはありますか?

TVシリーズと長編映画の違いはありますが、どちらも同じだけのエネルギーを投じていますね。いやむしろTVシリーズのほうがより多くのエネルギーを投じているかもしれません。映画ですと待ち時間などが多くゆったりしていますが、TVシリーズは効率的に撮るせいか、集中力がより求められるからです。

――これまで刑事シリーズやコメディなど様々なジャンルの脚本を書かれていますが、監督自身はどのようなジャンルの作品が好きですか?

刑事モノとコメディをミックスしたジャンルが好きです(笑)。今、民放のTF1(テー・エフ・アン:仏TV局)でちょうど刑事モノとコメディをミックスしたドラマをやっているんですよ。ただ、パイロット版は私がFrance 2(フランス・ドゥ:仏TV局)で編集をやっている最中なので、同時にはできないのですが、シナリオだけは書いて、監督業としては最終エピソードで監督をさせてもらっています。『Cellule identité』という作品を昔M6(エム・シス:仏TV局)でやっていたんですが、その時はあまり時間を延ばせなかったので、今回TF1に移動してシリーズものとしてやっていこうということになったんです。この頃から既に刑事モノとコメディがミックスされていたんです。

――ルドニツキ監督は、脚本も手がけ、また監督もされます。どちらも非常にエキサイティングだと思いますが、あえて選ぶならどちらの仕事のほうが好きですか?

これまでに脚本はTVで30本くらい書いてきたので、今は監督をやりたいですね!共同作業というのが好きなんです。執筆作業は孤独な仕事なので。時々は打ち合わせもしますけど、基本は一人で考えなければならなくて、それは僕としてはあまり好きではないんです。ときにTF1に脚本だけ収める仕事もしますが、やはり監督業のほうがずっと好きですね。

――さて、今回の映画について、特にこだわった点や、ここを見てほしいという点はありますか?

今回の作品はごく普通の、庶民階級の女性4人がレスリングを通して新しい人生のチャンスをつかみ取っていく、とても気持ちのいい作品です。ガールズパワー満載の作品だと思っています。いうなれば、本当に目立たないエキストラのレジ係のような女性がスターになっていく話なんです。だから「いつでも第2のチャンスがあるんだよ」というメッセージを込めた作品なんです。もちろんレスリングの場面は信憑性があるように出演者はトレーニングもしています。レスリングのおもしろさを見せるのもこの映画の役割の一つ。でもそれ以上に4人の女性が一丸となって敵に向かっていく...そういう姿を描くのが大事でした。

――このポスタービジュアルやトレーラーですが、とてもインパクトありますね!

はい。日本版のほうは、ちょっと派手になっています。また、トレーラーは僕自身だけで決める訳ではなく、配給やプロデューサーと一緒に決めていくんですけど、何より社会派コメディという点を打ち出していこうとしました。それぞれの女性が自分自身の人生の問題を解決していくために、レスリングのトレーニングをしていく点、そしてコメディの部分も含んでいる...だからあえてトレーラーに、(ママの息子である)少年の部分はあまり出さなかったんです。4人の女性をフューチャーすることにしたんです。ポスターについては僕自身あまり介入できなくて。(日本版ポスターを見て)日本版のヴィジュアルは、これ、いいですね!とってもカラフルで!(監督から日本サイドへ質問で)日本語で、「ママ」って言葉を付けたのは、子どもの視点から見た物語としたかったんですか?

――それもありますが「レスリング・クイーン」というタイトルだけだと強烈な部分だけのイメージになるので、「ママ」とつけることでドラマ性を出したかったんだそうです。(ここで思うのは、やっぱり邦題タイトルって面白いな~。ということ)

フランスでもこの作品のテーマをいかに観客に伝えるか、コミュニケーションの問題が非常に難しくて(笑)。大人にも社会派コメディとして観てもらいたい一方、子どもにも楽しんで観てもらいたいと思っています!

とても素敵なジャン=マルク・ルドニツキ監督でした!映画『ママはレスリング・クイーン』は本日7月19日よりロードショー!

Photo:ジャン=マルク・ルドニツキ監督