サンディエゴ・コミコン・インターナショナル 2014 マイケル・ベイ製作総指揮『The Last Ship(原題)』イベント潜入

現在アメリカでは、とにかくTVドラマが旬! 現地時間7月23日(水)から5日間に渡りサンディエゴで開催されたコミコン・インターナショナル 2014(以下、コミコン)では、これまで劇場用映画が幅を利かせていたんですが、ここ2年ほどはテレビドラマの台頭が目覚ましいんです。今年のコミコンでも、人気テレビドラマが軒を連ねて(!?)あちらこちらにバナー(宣伝用の垂れ幕)を貼ったり、イベントしたりで大フィーバーでした。

コミコン大人気の理由のひとつとして、セレブが自ら登場するパネルディスカッション(以下、パネル)というのがあります。日頃、テレビドラマでは見ることの出来ない、いち個人としてのスターにちょっと触れることの出来る貴重なイベント。運が良ければパネル後半のQ&Aコーナーで、大好きなドラマの出演者に直接質問することだって可能なんです。

期間中は、とにかく数えきれないほどのパネルが行われたのですが、この筆者が海ドラファンの皆さんのために選りすぐったものを現地取材してきましたよ~!(^^)/

まず一発目は、先日「お先見!」でもご紹介した、マイケル・ベイ総指揮の新作アクション・サスペンスドラマ『The Last Ship(原題)』のパネルディスカッション。このドラマは現在、全米の無料ケーブル局製作番組の中でトップを争っている人気番組で、夜になったらサンディエゴ湾に停泊している本物の米海軍戦艦を借り切ってパーティーまで開いてしまうという豪華さ。

 

パネルの会場には定員オーバーになるほどのファンが詰めかけ、出演者たちが語るウラ話や客席とのQ&Aを約1時間ほど楽しみました。それにしてもセレブが1時間もファンと時を過ごしてくれるなんて嬉しいですよね~!

残念ながらマイケル・ベイ監督は欠席だったのですが、映画『アンダーワールド:ビギンズ』のソーニャ役でお馴染み、本作では主人公の細菌学者レイチェル・スコットを演じる英国人女優ローナ・ミトラや、人気医療ドラマ『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』エリック・デイン(この番組ではチャンドラー艦長役)、そして昔からソルジャー役がよく似合うベテラン男優アダム・ボールドウィンが顔を揃えました。

 

ちなみにアダムの俳優歴の長さはハンパじゃないんです。皆さんは、その昔むかし、80年代に大人気だった俳優マット・ディロンが出ていた映画『マイ・ボディーガード』って覚えてますか? ホイットニー・ヒューストンのじゃありませんよ!(笑)いじめられてばかりいる高校生が、同じ学校に通う問題児をボディーガードとして雇うんですが、その子がアダムだったんですねえ。それがもう30年以上前なんですが、彼は頭が少々薄くなった以外はあまり変わってなくて驚きました!

 

さて、『The Last Ship』の舞台となるのは南極海で極秘洋上訓練と任務のため、4ヶ月間に渡り無線封止命令を受けていた米海軍の戦艦です。洋上訓練を終了し、帰還準備のため無線封止を解除すると、4ヶ月の間に人類の半数以上が謎の伝染病で死亡。政府も何もかもが崩壊し人類が壊滅の危機に瀕しており、人類に残された頼みの綱は、ウイルスから離れていた戦艦の船員たちと、リサーチのために乗船していた細菌学者のみ...。というのがザックリしたあらすじ。「なんで戦艦に細菌学者が乗っているの?」という質問が聞こえてきそうですが、それは見てのお楽しみ。

コミコンの話題に戻りますが、ローナ・ミトラがこのドラマに出演することになった過程について、「地球温暖化のために、南極でこれまで"冬眠"していた様々な菌が目を覚ましてきている、というのは本当のことなので、台本を初めて読んだとき興味が湧いたの。だって、もしも菌の一種が伝染病を起こすようなもので、それを渡り鳥が本国まで運んで来てしまったとしたらこのドラマみたいになるでしょう?」と穏やかならぬことを...!

 

まあ、人類が滅亡するような細菌が南極からやってくる可能性はかなり低いとは思いますが、考えるとちょっとゾクッとしました。それにしても、アダムがおしゃべりだったせいか、主演のエリック・デインの無口だったこと!(苦笑)はっきりいって、ステージ上ではアダムが主役でした。(笑)

 

でもアダムはオシャベリなだけじゃなくて、とてもいい人なんです。観客とのQ&Aで言語障害の男性がアダムに質問したとき。男性のしゃべり方がすごく聞き取りにくかったんですが、アダムは温かい笑顔で、「今、ちょっと早口だったので、もう一度ゆっくりお願いできますか?」と丁寧にその男性に頼んだのです。相手に恥ずかしい思いをさせないように配慮して聞き直したアダムの思いやりある心遣いに、私は惚れてしまいました!

こういうセレブの人間的な面を感じられる場所って、ファンにとっては本当に貴重ですよね。コミコンで何時間も並んでスターのパネルディスカッションを見ようとする意義がこのとき理解出来たのでした。

Photo:サンディエゴ・コミコン・インターナショナル 2014『The Last Ship(原題)』イベント
(c)2014 Akemi Tosto