春夏秋冬･･･季節ごとの海外ドラマを紹介するWOWOWの情報番組「YOU×光浦 海外ドラマTALK」。同番組のMC、光浦靖子がなんと海外ドラマNAVIに出張！ 季刊連載でその時々のオススメのドラマを語ります！ ときに辛口！ 女子相手にはさらに倍!? 光浦独自の目線で語られる海外ドラマの運命やいかに!? 10月新スタートドラマについて、早速スタートです！
今回私がハマりそうなのは『ベイツ・モーテル』。1960年に作られた、あのヒッチコックの『サイコ』の前章を、現在に移すって?! なぜノーマン・ベイツは殺人鬼になったのか？ なぜノーマンの心に母親の人格が生まれたのか？
第1話から思いますよ。この母親おかしいわ、と。
近い！ とにかく息子との距離が近い！ 天真爛漫な行動にも見えなくもないですが、息子というより、恋人です。腕を組む、後ろから抱きつく、アメリカ人ならアリなのか？ とも思いますが、なんか、ぬめっとしてるんですよ。母親より女であることを優先しています。しているはず。だって胸元の開いたシャツ、短いスカート。しかも引っ越したクソ忙しい日に黒のセクシーな下着を選ぶって。ユニクロのパットのついたタンクトップでしょうよ！ 楽を選ぶでしょうよ！
そして、なにかいつもイライラしています。怒りの粒子が常にびゅんびゅん飛んでいます。息子を愛している、息子のためを思って教育している、彼女なりに真摯なんでしょうが、全てが過剰でズレています。「アナタをこんなに愛してるんだから、アナタもそれに答えてよ」が彼女の言い分です。二人で人生を再スタートしよう、といいながら、息子が外の世界に出ることを許しません。アナタのために作った料理なのに、なぜ夕食に遅れたの？ とブチ切れ、冷蔵庫にさっさと料理をしまって「もう食べないっ！」です。しかし、これと規模は小さくても、こういう言い分とキレ方、どこの家庭にもありませんでした？ うちなんか、しょっちゅうでしたよ。「アナタのためを思って」の大義名分。だからノーマンの仕方ないと母親に従う気持ち、わからなくもないんですよ。「嘘つけ～。こんな母親いるか！」じゃないんですよ。
一方のノーマン。17歳というのに、無垢な顔してます。今、産道から出ました、みたいな、白くて、ぬるっとしてて、いい子そうで、それが逆に恐い。背筋ぴーんも、七三分けも恐い。この役者さん、あの『チャーリーとチョコレート工場』の子だったんですね。あのときも、白くて、無垢で、いい子そうで、それが好感持てたのに、そのままで大きくなり、将来の殺人鬼をやると大ハマりって!! すごい!!!
ツインピークスみたいな閉鎖された小さな街、キャラの濃い脇役、おもしろくなりそうです。
＜光浦靖子 プロフィール＞
愛知県出身。1992年に幼なじみの大久保佳代子とお笑いコンビ「オアシズ」を結成。
『めちゃ×2イケてるッ！』（フジテレビ系）など、バラエティ番組にレギュラー出演する他、
手芸本第二弾「子供がもらって、そうでもないブローチ集」（スイッチパブリッシング）発売中。
『ベイツ・モーテル』
＜放送情報＞
WOWOWプライムにて放送中！
毎週木曜よる 11:00～[二]
毎週金曜深夜 0:00～[字]
＜出演＞
ヴェラ・ファーミガ (ノーマ・ルイーズ・ベイツ役/声:日野由利加)
フレディ・ハイモア (ノーマン・ベイツ役/声:岡本信彦)
マックス・シエリオット (ディラン・マセット役/声:阪口周平)
オリヴィア・クック (エマ・ディコーディ役/声:豊崎愛生)
ネスター・カーボネル (アレックス・ロメロ保安官役/声:斉藤次郎)
ニコラ・ペルツ (ブラッドリー・マーティン役/声:戸松遥)
マイク・ヴォーゲル (ザック・シェルビー副保安官役/声:玉木雅士)
Photo：『ベイツ・モーテル』
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