スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を手掛け、ハリー・ベリー、真田広之ら豪華キャストが出演する超大作ドラマ『エクスタント』。全米CBSで昨年7~9月に放送され、早くも第2シーズンの製作が決まった本作の放送が、4/4(土)からWOWOWプライムでスタートします。
そこで今回は、ハリー・ベリー演じる主人公モリーの夫ジョンの吹替を担当する宮内敦士さんと、ジョンが開発したアンドロイドでジョンとモリーの子どもとして育てられているイーサン役を務める矢島晶子さんを直撃! ドラマの見どころやアフレコ現場の様子、声優としてのお仕事などについてたっぷりとお話をうかがってきました。
――壮大かつ予測不可能なSFミステリーを展開させつつ、スピルバーグのライフワークである"宇宙""未来""少年"を掘り下げていると話題の本作ですが、第1話を見たときの感想はいかがでしたか?
矢島:ショッキングな内容だなと思いました。私が演じるイーサンというキャラクターにも驚きましたし。なにせ、リアルな人間に見えるのに実はアンドロイドですから。イーサン役のピアース・ガニォン君が、人間とアンドロイドの境を絶妙に演じ切っているのにも、とにかくビックリで。こんな面白い役をやらせていただけると思うとドキドキしましたし、イーサンを中心としたジョンとモリーの家族関係が今後どうなっていくのか想像するだけでワクワクしました。
――ピアース・ガニォン君の演技、本当に素晴らしいですよね!
矢島:そうなんです! イーサンはパッと見た感じでは人間そのものなんですが、やはり機械なんだと思わされるシーンも出てきて。そんな時のイーサンの目の動きは、人間のそれとは確実に違うんです。アンドロイドだから無表情とか、そんな単純なことじゃなくて。真田広之さんがガニォン君の演技は天才的だとおっしゃっていたのも納得です。ガニォン君のお芝居が素晴らしいだけに、日本語版のイーサンも違和感なく見ていただけるか、プレッシャーを感じています。
――そもそも、子役を演じるコツはありますか?
矢島:コツはないですね(笑)。頭で考えると失敗するタイプなので。とにかく台本や映像資料を何度も見て、感じたものをありのままに表現するようにしています。特にイーサンを演じるときは、マイクの前に立ったら心を無にするよう心がけています。とはいえ、なかなか実践できていないんですが(笑)。
やはり、イーサンを演じるのは難しいんですよ! 普通の子どもの役なら、自分の小さい頃を思い出したり、近くにいる子どもさんの動きや考えを想像したりしながら演じることもできるんですが、今回はそういうわけにもいかないので。
――イーサンには赤ちゃん時代がなく、いきなり子どもとして作られている上に、徐々に成長していくという設定は複雑ですよね。
矢島:そうなんです。パパのジョンがいきなり子どもとしてイーサンを作っちゃいましたから(笑)。アンドロイドでありながら人間らしさも持ち合わせていて、なおかつ今後も成長していくという設定は特殊だと思います。ガニォン君はそんなイーサンのキャラクターをしっかりとつかんでいるんですが、私はそんなガニォン君に付いて行くだけで精一杯(笑)。もともとリハーサルには時間をかけるタイプですが、今回はいつも以上に時間をかけています。
――宮内さんは、第1話をご覧になっていかがでしたか?
宮内:SFは大好きなジャンルなので、どんな内容なのかドキドキしながら見ました。CGのシーンは思ったよりも少なく、家族愛が大きなテーマになっているので、感情移入しやすいドラマだなと感じました。
――SF好きでいらっしゃるんですね! 特に好きな作品はありますか?
宮内:スタンリー・キューブリックの作品は好きですね。未知なるものの探求とか、ワケの分からないものへの畏怖といったテーマの映画が大好きで、昔からよく見ていました。ドラマでもSFモノはたくさんありますが、『エクスタント』には一味違う新しさがあると思います。スティーヴン・スピルバーグが監督という点への期待も大きいですし。毎回収録が楽しみです。
――『エクスタント』は真田広之さんが出演されているドラマとしても注目されていますが、真田さんの魅力はどんなところにあると思いますか?
宮内:まずは、英語力が抜群ですよね。日本にいらした頃から勉強されていたんでしょうが、実際に向こうへ行ってあれだけの演技をして見せるというのは、並大抵のことではないと思います。
矢島:本当に!
宮内:真田さんは『里見八犬伝』の頃から尊敬していた役者さんなので、こういうかたちで間近にその演技に触れることができて、とても勉強になっています。一方で、恐縮もしてるんです。僕の演技、真田さんについていけているのかな?と(笑)。
矢島:真田さんはとにかくカッコイイですよね! ドラマの舞台挨拶のイベントでお会いすることができたんですが、胸板は厚いし、もちろんお顔もハンサムで、本当にカッコ良かったです!! 男性の場合、年齢を重ねるにつれて渋さが加わるので、以前よりさらにカッコ良さが増していると思いました!
――真田さんのヤスモトの演技についてはいかがですか?
矢島:海外のドラマや映画では、日本人じゃない方が日本人を演じるケースが多々ありますよね。いくらがんばって演じていても、やはりどこか違和感があって。その点、今回のヤスモトは日本人である真田さんが演じているので、もちろんまったく違和感なし! だからこそ、見ている者はドラマのストーリーに集中できるんです。しかも、真田さんは英語力も演技力もルックスも完璧! 真田さんがヤスモトを演じてくださって本当に嬉しいです。
――主演がハリー・ベリーという点も「エクスタント」の話題の一つですが、ハリー・ベリーの印象はいかがですか?
宮内:実は、ハリー・ベリーさんの出演作をあまり見たことがないんです。だからかもしれませんが、吹替を担当されている板谷由夏さんと印象が重なるんです。お二人はとても声が似ていますし。ハリー・ベリーさん相手に演技をしているというよりは、板谷さん相手に演技しているという感覚ですね(笑)。
矢島:確か、ハリー・ベリーさんって48歳ですよね? とてもそんなお歳には見えないくらい美しくて。体の線もとってもきれいで、宇宙服の衣装なんかを見るとドキドキしちゃいます(笑)。
宮内:ハリー・ベリーさんもそうですが、最近は映画で活躍されている名俳優がTVドラマに出演するケースが増えているので、とても面白いなと感じています。
――自分の役以外にお気に入りのキャラクターはいますか?
宮内:ずばりイーサンですね。僕が演じているジョンが自ら作って自分の子どもにまでしたキャラクターですから(笑)。ジョンのイーサンに対する科学者としての思い、父親としての思いのバランスが興味深いです。
矢島:イーサンを演じている私としては、やはり両親であるモリーとジョンですね。さまざまな苦労を乗り越えてきて、お互いを思いやっている二人ですから。
真田さんが演じているヤスモトも好きです! シリーズ後半で明かされる彼の謎を知るにつれ、きっとみなさんも彼を愛おしく感じるようになると思います!
■スピルバーグ製作総指揮『エクスタント』WOWOWプライムにて放送!
<レギュラー放送>
4月4日(土)二か国語版・毎週土曜よる11:00~/字幕版・毎週水曜よる10:00~
※第一話無料放送