AXNにてまもなく放送開始! 『アウトランダー』ジェイミー役サム・ヒューアン インタビュー

全世界で販売部数2,500万部を突破したダイアナ・ガバルドンの小説「時の旅人クレア(原題:アウトランダー)」を原作とした大人のファンタジー・ロマンス巨編『アウトランダー』が、7月11日(土)よりAXNにて放送スタートとなる。本作でスコットランドの戦士ジェイミー・フレイザーを演じ現在ブレイク中の英国俳優サム・ヒューアンが、故郷スコットランドでの撮影や自身のこれまでのキャリアについて語ってくれた。

 

――この役が決まった時の反応は? 大喜びでしたか?

ジェイミー・フレイザー役に決まったと知らせを受けたとき、スーパーで食料品の買い物をしていた。エージェントから電話がかかってきて、「受かった」って言われたんだ。最初何のことかわからなかったんだ。それが理解できた瞬間大声で叫んだんだ。店のお客さんは僕がひったくりか何かにあったのかと思ったかもね。困惑した様子だった。その後すぐ、友達と一緒にパブにいってお祝いしたよ。。凄い役だから大感激した。その後、撮影があるかと思うと怖くも感じた。ヘマをしてはいけないと思ったんだ。

――あなたはスコットランド人ですよね。

そう、生まれも育ちもスコットランドだよ。西南部。

――スコットランドを背景にしたドラマの仕事は滅多にないと思いますが、その点で格別この役が欲しいと思いましたか?

故郷のスコットランドに帰って撮影ができるなんて、ご褒美みたいで嬉しいよ。ここ14年ほどロンドンとロサンゼルスに住んでいたから、スコットランドに行くのはまるでキャラクターのジェイミーになったような感慨があった。自分の過去を再発見するというのかな。故郷と自分とのつながり...。その辺、自分と役柄が重なりあったんだ。

 

――舞台やイギリスのテレビを多くこなされてきたそうですが、このシリーズはアメリカのテレビシリーズで長期的な仕事ですね。はやりこれまでとは違った心境で取り組まれていますか?

そうだね。これまで舞台やイギリスのドラマをやってきたから、こんな長編の仕事ができるのは貴重だよ。時間をかけて役として生き、成長していけるから。勿論原作があるから結末は見えていても、各エピソードの内容は全く新しい体験だ。このような旅を体験できる楽しい仕事だよ。

――すでに放送された国では大成功を収めていますね。その秘密とは何だと思いますか?

アメリカでは大成功している。イギリスではこれからプレミアで。とてもエキサイティングだよ。物語がとにかく面白い。ダイアナ・ガブルドンの原作、8作あって、現在9作目を執筆中だけど、世界で2千5百万冊のベスト・セラーだ。物語、キャラに人々は惹かれるのだと思う。テレビの方も同様そのあたりに魅了されてもらえたらと思う。

――物語の魅力についてもっと語ってもらえますか?

中心にとても現代的なキャラクターがいて、彼女が時代を遡ってしまう、というあたりがとても興味をそそられるのではないかな。もし自分がそんな目に合ったら、どう対処するだろうかと誰もが感じる。彼女が生き延びる様子を息をのみながら追う。また様々なキャラクターが登場し、好きになったり嫌いになったり、いろんな気持ちになる。そのあたりの複雑な状況も予想を超えていて面白いと思うんだ。

 

――女性ファンはラブ・ストーリーの側面に興味が尽きないと思いますが、クレアが魅力的なのはどんな点だと思いますか?

クレアは意志強健な女性だよ。彼女の賢明さに人は惹かれるのだと思う。それでいて楽しい。タフな男性に囲まれながらも、自分の立場を理解し彼等に上手く対処している。そんな彼女の闘争を観るのは楽しいのだと思う。

――近年、英国俳優が世界的に注目され人気を集めていますが、この役を演じることでかなりあなたにもスポットライトがあったっていますね。どんな気持ちですか?

英国俳優が大活躍しているのを観るのは驚きだよ。オスカーを始め多くの賞を受賞している。そんな俳優と並んで言及されるのは嬉しい。いま注目されるようになって光栄だし、このドラマが成功して俳優として更に躍進できればと思う。

 

――14年前にスコットランドを離れたそうですが、お住まいはロンドン? それともロサンゼルスですか?

ほとんどはロンドンだね。ロサンゼルスにもかなりいる時間が多い。本作の試作を制作中にロスにずっと住んでいた。スコットランドにはもうずっと住んでいないんだ。舞台をやっていたころはスコットランドに住んでいたんだ。久しぶりに変えるのは嬉しいね。演劇学校もスコットランドだったし、グラスゴウにある。だからスコットランドは故郷だよ。

――スコットランド人の俳優仲間はいますか?

勿論まだ皆スコットランドに住んでいる。家族もそうだよ。グラスゴー郊外に。だから僕がスコットランドに帰った時も、まるでジェイミー・フレイザーになった気持ちだった。ジェイミーはスペインの戦地から帰還したばかり、家族の元に帰ってきた、ということになっているから。

――あまりスコットランド訛りがありませんが、私立校に行ったんですか?

ある種の私立校かな。エディンバラのスタイナー・スクールに行ったんだ。奨学制度があったので。スコットランド訛りは軽くあるんだ。スコットランドに戻ってくると強くなるけど。ロサンゼルスに長く住んでいたので、薄れたんだと思う。

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――演技に興味が出たのはいつ頃ですか? 若いときでしたか?

14歳の時にエディンバラに引越した。その頃から地元の劇場、ライシアム・シアターに足を運ぶようになった。毎月1回は家族で見にいった。それからユース・シアターに加わった。劇場はいつも僕にとってマジカルな場所で、演劇の世界に関わりたいと思うようになった。けれど演技をしたいか、他の仕事につきたいか、それについては漠然としていた。演劇学校に入学してから、演技をやりたいとはっきり思うようになったんだ。

 

――特に尊敬する俳優はいますか?

若いころ舞台をみた俳優だね。俳優になって彼らと共演する機会もできて、感慨深かった。ほとんどはスコットランドの舞台俳優だよ。ほとんどの劇団は同じ劇団が毎月異なる題目を演じるという形式をとっている。僕は若いころそれがやりたい、って思ったんだ。

――スコットランドにいたことが、負い目になっていたわけではないのですね。

全然。逆に僕の経歴の基盤になっていると思う。ロイヤル・スコティッシュ・アカデミーという演劇学校に行った。素晴らしい演劇学校だよ。スコットランドの素晴らしい劇場やテレビで仕事をする機会にも恵まれたしね。ロンドンに移ったのは、仕事がもっとあるからだったんだ。スコットランドには定期的に帰り、演劇の仕事をした。『アウトランダー』がスコットランドで制作されることによって、スコットランドが活性化するといいね。

――まずあなたが配役に最初きまったそうですが、オーディションの経過について教えてもらえますか? 長くて大変だったと思いますが。

短かったけど、とってもインテンスだった。キャストディレクターとオーディションの後で何度もミーティングしたよ。プロデューサーや脚本家とスカイプ・コールをして、そのあとロンがロンドンにきてスクリーン・テストをした。3シーン撮ったかな。どれも長く重要なシーンで、原作に近かった。そのあと受かったという知らせを受けたんだ。とても幸運だったと思う。けれど、クレアがカトリーナに決まるまでには長い時間がかかった。多くの女優さんとロサンゼルスとロンドンで、スクリーン・テストをしたんだ。

 

――何人くらい?

多分10から20人の間。全員と愛し合っている演技をしなければならなかったから大変だった。楽しかったけれど。皆演技は素晴らしかったし、それぞれクレアの解釈にも個性があったよ。でもカトリーナが来て、皆が彼女こそぴったりだと感じたようだね。

――ロマンス、歴史、タイムトラヴェルと、面白い要因がまじりあった物語ですが、読んでどう思いましたか? 脚本と原作、どちらを先に読みましたか?

原作を読み、脚本の一部を読んだ。脚本は原作に非常に近かった。原作もその後で読んだ。原作は演技する上で大きな助けになった。

――子供の頃、歴史やSFなどに興味はありましたか?

歴史には関心が高くアーサー王の伝説には特に強い関心があった。ロバート・ブルースも好きで子供の頃は彼の真似をするのが好きだった。年齢があがるにつれてサイエンス・フィクションにも関心が出た。スタートレックのファンだったんだ。

――あなたが育ったところはどんなところ? 町ですか、田舎ですか?

僕が育った町は凄く田舎だった。育った家は古城の敷地内にあって、家は元馬屋を改築したもので。小学校中学校のクラスは生徒がたったの4人だった。どのくらい小さい町かわかるだろうけど。でも子供時代を過ごすにはパーフェクトな所だったよ。幸運だったと思っている。草原、木々、森に囲まれて育った。余暇には川で釣りをしたり。10代のときにスコットランドの首都のエディンバラに引っ越したが、そこでの経験も僕の人格形成に重要な役割を果たしたと思う。

 

――スコットランドでのロケはいかがでした? 大変でしたか?

スコットランドのいろいろな場所でロケした。スコットランドで撮影した他の作品より多くの場所を移動したと思う。セットを使って撮影したのは室内シーンだけで、他は全てロケ撮影だから。毎月2週間ロケをした。場所を変えながらいろいろなところへ行ったが、ハイランドが多かったね。美しいけれど、寒くて風も強く、雨も多く振った。それでも素晴らしい映像が撮れたと思う。雨が降っていても、カメラに映った映像ではわからない日も沢山あった。美しい穏やかな日のように映っていた。

――2シーズン分の撮影は済んでいるんですか?

いや撮影が済んだのは1シーズンだけだ。それが2シーズンに分割されて放送されるんだ。シーズン1は2シーズンに分かれていて、8エピソードかける2シーズンで、全部で16エピソード撮影が済んでいる、ということだよ。それは1年をかけて撮影したんだ。その前に2,3か月の準備期間があった。その前に6週間スクリーン・テストをした。だから僕にとっては1年半、かかりっきりの撮影だったと言えるだろうな。とっても長かった。4月からセカンド・シーズンの撮影に入る。また1年かかるだろうな。

――『アウトランダー』の為に新たにトレーニングを受けたことはなんですか?

乗馬だよ。これまでほとんど馬に乗る役はなかったんだ。やってもちょっぴりで、怖いと感じていた。今回は素晴らしい先生が二人ついて、ほとんど毎日馬に乗った。今ではとても楽しく乗れるようになった。あとゲーリックという言語も学んだ。このドラマにはとても重要だったよ。スコットランドの文化を理解する上で役に立ったんだ。

――最後にファンにメッセージをお願いします。

サム・ヒューアンです。『アウトランダー』、楽しんで観てください。

 

 

■『アウトランダー』放送関連情報
海外ドラマ専門チャンネルAXNで、7月11日(土)8:00PMスタート
2015年冬 ブルーレイ&DVDリリース予定
Huluにて配信中、毎週金曜日に一話ずつ追加予定

Photo:『アウトランダー』
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