AXNにてまもなく放送開始! 『アウトランダー』クレア役カトリーナ・バルフ インタビュー

全世界で販売部数2,500万部を突破した、ダイアナ・ガバルドンの小説『時の旅人クレア(原題:アウトランダー)』を原作とした大人のファンタジー・ロマンス巨編『アウトランダー』が、7月11日(土)よりAXNにて、いよいよ放送スタートとなる。今回は、数奇な運命に翻弄される主人公クレア役を演じるカトリーナ・バルフのインタビュー。彼女が演じるクレアについての話を中心に、撮影現場の様子や原作者ダイアナについても語ってくれた。

――大役ですね、役が決まった時の気持ちは?

とても興奮したわ! でもその時は熱狂的なファンが沢山いるなんて事実も知らなくて、無知なことに責任の重さを実感してなかったの。火曜日に役が決まって、金曜日にはスコットランドにいたわ。だからいろいろ考える時間的な余裕もなかった。でも、それが逆に助けになったと思うわ。

――原作のファンが多いようですが、脚本を読んだときの感想は?

完成した脚本を読む前に原作を読んだの。サムとのカメラ・テストの前に、週末4日をかけてね。興奮する冒険物語で、クレアという役は演じがいがあると思ったわ! 良いこと悪いこと、様々なエピソードが織り込まれていて楽しい仕事になると感じたの。

――アイルランド出身だそうですが、こういった隣国スコットランドが背景の伝説的・歴史的ドラマに関わるのは感激しましたか?

どんな仕事が回ってくるかはわからないけれど、運命的な仕事というのもある気がするわ。私はアメリカに移ったのでイギリスやその隣国で過ごす機会は最近あまりなかったのだけれど、この仕事は故郷への帰還という気持ちが沸いたわ。スコットランドは隣国だけれど、アイルランドと良い意味で違いがあって、特別な作品だと感じているわ。

 

――スコットランドでのロケは大変でしたか?

大変よ! 天候は厳しいし、主演なので出演シーンは多くて、撮影も長く、日数も多くて、それをこなすための体力を維持するのに苦労したわ。逆にスコットランドの厳しい自然とその美しさは映像に大きく貢献するから、それは計り知れない価値があったと思うの。

――『アウトランダー』にあって他のドラマにないものは? 特別な魅力とは何でしょうか?

独創性にあると思う。似たようなテレビ・ドラマはないもの。素晴らしい女性像を描くドラマも多く、これはその1本だと思うの。また多くのジャンルにまたがっているのも魅力だと思うの。政治、歴史、ファンタジー、ロマンスの要素があるので、多くの人が楽しめるわ。

――エピソード7は美しくエモーショナルで、クレアの内面を描くという点で重要なエピソードですね。彼女をどのように演じようと思いましたか?

彼女はとても複雑な女性だわ。トラウマとなるような体験を潜り抜けたサバイバーでもあるの。自分を憐れんでめそめそすることもない、そんな強い女性として演じたかった。と、同時に彼女の中にあるもろい面も大切にしたわ。脚本の中にも、前の恋愛への悲しみを乗り越え、時間をかけて新しい愛を見つける過程が慎重に描かれているの。彼女が抱くジェイミーに対する愛、フランクに対する愛の形も異なっている。ジェイミーに会うことで、新しい扉が開く。その点について私も演じながら発見したので、そのまま自然に演技に反映させることができたの。

 

――オーディションは何度もあったのですか?

まずテープでオーディションにエントリーしたの。数週間後、サムとの相性カメラ・テストをやる知らせを受けた。ロスでそれをやって1週間後に役が決まって、数日後にはスコットランドにいたの。あっとうい間だったわ!

――サムは最初に決まっていたのですね。

そうなの。3か月前に。その逆にしたら大変だから、という配慮で。私は最後に決まったキャストなの。

――決まってすぐに撮影というのも大変だったのでは?準備する暇もなかった?

そうなの。準備は40年代の部分が重要だと思ったので、そこに焦点を絞ったわ。すぐに第二次大戦で活躍した看護婦の本を見つけてそれを読んだ。それがクレアの心境を理解するのに役立ったわ。また40年代の映画を観たり、詩の本を読んだり、イギリスのジャズを聞いたり。加えてスコットランドのロケ地では、携帯も通じずインターネットもなかったから、まるまる1か月40年代に戻った感じだったのよ。(笑)18世紀にタイムスリップする部分は、全く彼女にとって新しい体験なわけで、リサーチをする必要はなかったわ。

 

――エピソード1では18世紀に行って、彼女の看護婦の技術や勇気に男たちが驚くというあたりが面白かったですが。

彼女はとても勇敢なの。彼女の魅力は生命感溢れるところよ。人を助けるにしてもセックスにしても情熱的でかつ思いやりもある点ね。

――看護婦としての訓練を受けたのですか?

やったわ。第二次大戦で中に使った包帯の巻き方を記した書類がみつかって、それを使って訓練したの。だから私は40年代のスタイルで包帯を巻くのが得意よ。撮影現場には医師がいて、医学的な見地からアドバイスしてくれたわ。脱臼についての知識までもらったの。

――これまで歴史への興味はありましたか?

アイルランドの歴史は学校で学んだけれど、それは歴史上の大まかな出来事が主で、あまり詳しくなかったわ。もちろんスコットランドの歴史には詳しくない。だからそれを学ぶのは面白かったわ。歴史にはいつも興味があったから。

 

――SFやタイムトラベルに関心はありましたか?

自分のことをサイファイの大ファンとは呼べないけれど、ジャンル抜きで『ブレイドランナー』や『スタートレック』なんかも好きだったし。話が面白ければジャンルは関係ないの。

――原作者のダイアナさんにはお会いになりましたか?

何度も会っているわ! とても素晴らしい人よ。すごく頭脳明晰な人で学位をたくさん持っているの。とても面白くて一緒にいるのが楽しい人よ。イベントなどいろんな機会に彼女と会うわ。

――文系でなく理系な人なんですよね。

そうなの、海洋学だったからしらはっきり覚えていないけど、彼女は科学者なの。

――『アウトランダー』は、『ドクター・フー』を見ていて思いついたというのは本当でしょうか?

そうらしいわ。『ドクター・フー』をみていて、フレイザー・ハインズという俳優が演じた18世紀のスコットランドの若い笛吹を観て、そこから『アウトランダー』の案を得たそうよ。

――大自然の中でのロケは圧倒的に男性が多いと思いますが、大変ですか?

そんなことはないわ。私は子どものころからおてんばで、男の子の友達も多かったし、兄弟もいるから問題はないわ。私のことを妹のように世話し面倒をみてくれるのよ。冗談も多いし、楽しい現場よ。冗談はちょっと女性の耳には汚いかもしれないけれど、楽しいわ!

 

――あなたが接触したことのある人から察して『アウトランダー』のファンはどんな人たちですか?

すごく幅が広いの。当初はある年代の女性ではないかと予想していたのだけれど、そうではなくて、男女いろいろ、20代から80代まで。82歳の母の為に代筆したという素敵なファンレターをもらったわ! "母は番組のすべてが大好きです。セクシーな個所も含めて"って。あんな年齢になっても楽しんでもらえるのはとても嬉しいわ!

――人気テレビシリーズであなたの好きなものは?

今『ハウス・オブ・カード』を観ているところなの。あと『Tranceparent(原題)』を観たわ。素晴らしいと思ったわ。たくさん面白い番組があるから、撮影中に見逃したものを表にして、順番に観ていきたいわ。

――反響は素晴らしいですね。『アウトランダー』の人気の秘密は何だと思いますか?

素晴らしいチームワークの成果だと思うわ。また原作も比類ないもので脚本家も才能ある人たちばかり。クルーもキャストも素晴らしく、撮影の初日から何か特別なものがあるって感じたの。それが成功につながったのだと思う。

――最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

こんにちは。もうじき『アウトランダー』が始まります。楽しんで観てくださいね。

 

■『アウトランダー』放送関連情報
海外ドラマ専門チャンネルAXNで、7月11日(土)8:00PMスタート
2015年冬ブルーレイ&DVDリリース予定
Huluにて配信中、毎週金曜日に一話ずつ追加予定

Photo:『アウトランダー』カトリーナ・バルフ
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