映画『ジュラシック・ワールド』クレア・ディアリング役 ブライス・ダラス・ハワード来日インタビュー!

スティーヴン・スピルバーグが監督したシリーズ第1作『ジュラシック・パーク』の公開から22年映画『ジュラシック・ワールド』。現在、興行収入世界歴代3位のメガヒットとなっている本作が、いよいよ日本でも8月5日(水)に全国ロードショーを迎える。今回は、テーマパークの最高責任者クレア・ディアリングを演じるブライス・ダラス・ハワードが7月に来日した際、海外ドラマNAVIが行ったインタビューをお届け! 自身が演じるクレアというキャラクターについてや撮影秘話、さらには家族やプライベートな話に至るまで、大いに語ってくれた。

 

――今回あなたが演じたクレアはいわゆる仕事人間タイプの女性ですが、どのように彼女の気持ちを捉えて演じられたのですか?

クレアはビジネス上での立場を重要視するがゆえに、人間性というものをちょっと失ってしまった女性として登場するわ。でも、ストーリーが進む中で自分自身を取り戻して、自分の心を再確認することが出来るようになるの。物語の序盤のクレアは、本当に持っている自分の価値と、実際の行動が上手く噛み合っていない感じね。彼女は決して悪い人ではないんだけど、やっぱりビジネス上での立場から、本来の価値と違うところに自分の決断が行ってしまうというところがあるわ。

――ご自身は、彼女の気持ちを理解できますか?

自分ではそうなりたくはないけど、彼女が自分の立場からどういう風に考えていたかということを想像をすることはできるわ。毎日2万人も訪れるパークを任されているわけだから、責任もすごく大きいし、自分の仕事に対して物凄いプレッシャーを感じているはずよね。だから、そういうことにばかり気が行っちゃったら、本来自分の持っている心が見失われてしまうんじゃないかっていうことも理解はできるし、仕事に集中し過ぎるせいで他のことが頭の中に入って来ないというのも想像できるわ。

 

――今回、クレアは映画に登場するほぼ全ての重要人物と関わる中心的な役だと思うのですが、オーウェン役のクリス・プラット、サイモン役のイルファーン・カーン、そして少年たち二人との共演において、彼らとの関係性はどうだったのでしょうか?

今、言われてみて初めてそのことに気づいたわ(笑)。クレアは全員のことを知っているのよね。サイモンとの関係はすごく温かいものだと思うわ。恐らく彼女は、彼が色々な立場に置かれている時に救ってあげたと考えていると思うし、同時に彼からものすごく刺激を受けている部分もあるわ。また、オーウェンとの関係っていうのは、私にとってすごく興味深いものよ。普通に考えたら絶対に上手く行きそうもないような感じに見えるんだけど(笑)、それでも、最終的には本当にチームのメンバーというか、二人でひとつのチームよね。クレアはこの島に住んで仕事をしてるわけだし、家族との関わりっていうのがほとんど無いような状態でストーリーは始まるけど、最後には自分の家族みたいに、皆を救おうと必死になるの。そういう意味で、クレアはとても成長したと思うわ。

 

――クレアがハイヒールで全力疾走するシーンでは女性陣が驚くと思うのですが。

クレアにずっとヒールを履かせるかどうかっていうのは、最初から決まっていたわけではなかったの。

(一同驚き)

実は撮影の2日目に、ちょっと底の高いスニーカーを履いたら足首を捻っちゃったの。でも逆に、ヒール履いてた時は大丈夫だったから、それからはずっとヒールで撮影をしたわ。あと、監督から「このキャラクターとしてはヒールを履いているべきなのか? どう思う?」と聞かれた時、私はクレアが、これから起こる冒険のために準備をしていた風には見られたくなかった。都合よく別の靴がどこからともなく出て来るっていうのはちょっと変でしょう? そうすると、そのままヒールで歩くか裸足になるかってことになるけど、ジャングルには岩があったり蔓も生えているし、やっぱり裸足にはなりたくないわよね。それにクレアはキャリアウーマンとして、ずーっとキチッとした格好をしてきた女性だから、彼女だったらヒールでもマラソンぐらいいけるだろうと思って(笑)。それで「これで行こう」ということになったの。

 

――クレアの考えを理解した上で、クレアの好きなところと嫌いなところはどこでしょうか? また、ご自身との共通点はありますでしょうか?

不思議なもので、本来だったら強味なんだけど、ちょっと行き過ぎちゃうと、それが弱味になることがあるわよね。クレアはいいものをたくさん持っていると思うの。重い責任でも「任せて!」っていう感じでやっているし、仕事の仕方も物凄くテキパキしていて、物凄く集中して何かをやり遂げようとする。でも、それが他の部分と上手くバランスが取れていないのよ。いいところはあるんだけど、そこが彼女の弱味にもなってしまっているのね。あまりにも厳格過ぎるというか、自分でなんでもコントロールしちゃうし、こうなってなきゃいけないというのを決め過ぎているところが弱味にもなってしまう。でも最終的には、本来の彼女の強味が、本当の意味での強味として見えてくるわ。すごく決断力のある勇敢な女性だから、やはりそこがいいところね。だから、ストーリーの中で、彼女の持っているものをどういうバランスで表現するか、というのはとても興味深いことだったの。彼女と自分に共通点があるとしたら、できれば物語の最後のほうのクレアに共通点があれば嬉しいなと思うわ(笑)。私はきちんと計画性を持つことが好きだから、自分の決断をしっかりしていくところは似ていると思うわ。

――クレアはパークの責任者としてプレッシャーを感じているとのことでしたが、今作を含めた全ての仕事で、一番プレッシャーを感じたのはどの作品でしたでしょうか?

いい質問ね。それはロン・ハワードの娘であること、今までの父のレガシーを裏切ることはしたくないということ、それがプレッシャーだったわ。だから最初の頃、私はハワードという姓は使ってなかったの。父に恥ずかしく思われたくなかった。もちろん父はそんな風には絶対に思わないだろうし、私のことを誇りに思ってくれているけど、やっぱり父はとても有名だから...。だから、私は若いころから自分に常にとても厳しかったわ。パーティにも行かなかったし、18歳まではボーイフレンドも本当に作らなかった。学校も絶対に休まなかったしね。今でもアルコールは一滴も飲んだことがないの。そういった意味で自分をものすごく抑制してる部分はあったわね。今のほうがずっとリラックスしているわ。でも、こう言いながら心の中ではやっぱり両親のことをいつも想っていて、自分が、きちんと自分の親の娘だっていうことを上手く反映したい。そういった意味でのプレッシャーね。でもそれは他人からのプレッシャーじゃなく、自分が自分にかけているプレッシャーなの。

 

――厳しい仕事をやっていく上で、普段美容や健康などどういったことを心がけていらっしゃるのでしょうか?また、リラックスする時はどういったことをされていますか?

子供を持つ前は美容と健康とか、そういうことを実はちゃんとやってなかったの。今は息子がいるんだけど、すごく小っちゃい頃から、メイクアップをしてる時としていない時の違いによく気が付いていたの。普段はとても大人しい子なのに、メイクアップしたり髪の毛をきちんとしたりすると、すごく褒めてくれるの。そうしたら、もっとやりたくなっちゃう(笑)。自分の子供が相手だったら、「ちゃんと顔洗って、歯磨いて...自分のことはきちんとやりなさいよ」って母親は言うわよね。だから、もし自分が自分の母親だったら何て言うかな...っていう風に考えるようになったの。そうやって考えることで、自分のことをきちんとやるようになったわ。

――子供を通じて、そういうことに気付かされたということですか?

自分が健康だということを子供にも示さなければいけないのよ。ニュージーランドで映画を撮っていた時、夜帰ってくるのが遅くなっちゃって、疲れてソファーで寝てしまったりっていうことが二日間くらいあったの。それに気付いた息子が、夜中にパジャマを持って来てくれたのよ。しかも、私がちゃんとベッドに行って寝るまでは自分も寝なかったの。娘も同じようにすごい気を遣ってくれるから、子供に心配させちゃいけないし、しっかりしなきゃって思ったわ。

 

――この映画では、シリアスでアクションが多い場面でも所々に笑いがあったのですが、ご自身で案を出されたりしたのでしょうか?

最初の『ジュラシック・パーク』って面白いわよね。サミュエル・L・ジャクソンもいたし、楽しい瞬間っていうのがあの作品の中にはいっぱいあったと思うの。だから今回、コリン・トレボロウが監督に選ばれた理由もそういうところにあると思うわ。彼の初作品『セーフティー・ノット・ギャランティード』も、コメディとか、サイファイとかいろんな要素を全部ひっくるめた作品だったから。それに、どんなに真面目な映画だったとしても、クリスが居る限り、最終的にはどこかしらおかしい映画になるのよ(笑)。彼は本当に楽しくて、まるで歩くパーティー男みたいな感じよ(笑)。

――記者会見で、11歳の時にお父さんと一緒に映画のプロモーションで日本に来たことがあるとおっしゃっていましたが、そのように子供の頃から海外でのプロモーションや映画の現場に行ったことによって、今の女優や製作者としての成長に影響はありましたか?

ものすごく影響は強かったと思うわ。ほとんどの人は「映画が好きだから映画製作に関わりたい」という理由でこの業界に入って来ると思うんだけど、業界に入った途端、今まで頭の中で描いていたことが壊滅するということがあるでしょ。でも私はそうじゃなくて、最初から現実としてセットの中に自分が居るっていうところから入ったの。たとえば、問題があったらそれをみんなで話し合って、なんとかそれを解決しようとか。あるいは議論し合ってでも作って行くっていうそういうプロセスを、実際にそこにいながら体験したわ。だからそういった意味で、映画製作というのは情熱溢れた環境だし、そういう現場の雰囲気を私は愛してるの。もちろん最終的に仕上がった作品が素晴らしいものであることは大事だし、それは私も好きなことなんだけど、製作の過程で得る経験というのを一番大事に思っているわ。

 

映画『ジュラシック・ワールド』は、8月5日(水)より全国ロードショー!

(海外ドラマNAVI)

Photo:
ブライス・ダラス・ハワード
映画『ジュラシック・ワールド』
Chuck Zlotnick / Universal Pictures and Amblin Entertainment
ILM / Universal Pictures and Amblin Entertainment
Universal Pictures and Amblin Entertainment
Chuck Zlotnick / Universal Pictures and Amblin Entertainment