全世界で2500万部を売り上げたベストセラー小説『時の旅人クレア』シリーズを映像化した米Starzの人気TVドラマ『アウトランダー』。同作の原作者ダイアナ・ガバルドンが、小説のインスピレーションを得たイギリスの長寿番組『ドクター・フー』のエピソード製作に興味を示していると英Radio Timesが報じている。
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『アウトランダー』は、第二次世界大戦後に夫フランクとスコットランドを旅行中、一人1743年にタイムトリップしてしまった従軍看護婦クレア(カトリーナ・バルフ)が激動の時代を生き抜く姿を描いた、壮大な歴史ファンタジー。そこで出会ったスコットランドの勇士ジェイミー・フレイザー(サム・ヒューアン)と現世に残してきた夫、二人の男性への思いに引き裂かれながらも、クレアはスコットランドを救うために立ち上がる...という物語だ。
このジェイミー・フレイザーというキャラクターだが、実は『ドクター・フー』の長年のファンであるガバルドンが、1966年から1969年にかけて登場したキルトスカート姿のスコットランド人、ジェイミー・マクリモンに着想を得て創り上げたもの。その名も、ジェイミー・マクリモンという役名と、同役を演じた英俳優フレイザー・ハインズにちなんで命名するほどの熱狂的なファンなのだ。その後、ガバルドンは1991年に上梓した第一巻をフレイザー本人に贈って交流をスタートさせると、ドラマ化された『アウトランダー』への出演を依頼し、第15話でついにハインズをウェントワース刑務所所長役としてゲストに迎えるという"クロスオーバー"を実現させたのだった。
それほどの思い入れがある『ドクター・フー』のエピソードを書いてみたいと思わないかとたずねられたガバルドンは、「面白いでしょうね。ええ、やれるかもしれないわ」と即答。「でも、やるとしたら(『アウトランダー』とは)違うアプローチを使うでしょうね。『ドクター・フー』は史実に基づくものではないから、異なる努力が必要となるでしょう。どのエピソードも純粋に脚本家の想像力から生み出すということは、実在の人物などを応用しなくてもいいし、あれこれ盛り込まずに済むから、ある意味ラクに見えるわ。でも言い換えれば(常に何かを創造しなければ)続けることができないということよ」と両作品を比較し、同じタイムトラベルものでありながらも慎重な姿勢を見せた。
一方、ジェイミー・フレイザー役のサム・ヒューアンはすっかり『ドクター・フー』への出演意欲に燃えているようだ。3月にインタビューに応じたサムは、友人で同作の脚本家であるマーク・ゲイティスに出演を掛けあっていることを明かしている。
逆クロスオーバーの可能性は未知数だが、もしもサムがターディス(『ドクター・フー』のタイムマシン)から登場したら、両作品のファンも大喜びするに違いない。ぜひ実現に期待したい。(海外ドラマNAVI)
Photo:『アウトランダー』
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