稀代のスター、デヴィッド・ボウイが死去

英ロック歌手デヴィッド・ボウイが1月10日(日)、ガンにより死去した。世界各国のメディアが報じている。

1960年代から音楽活動を開始し、その端正な外見と独特な音楽で確固たる地位を築いたデヴィッド。アーティストとしてだけでなく俳優としても活躍し、『地球に落ちて来た男』『戦場のメリークリスマス』『ラビリンス/魔王の迷宮』といった作品で印象的な役を演じた。最近も、『デクスター ~警察官は殺人鬼』のマイケル・C・ホールが主演する舞台『Lazurus』の脚本&音楽を手掛けるなど精力的に活動していたが、実は18ヵ月前からガンと闘い続けていたという。亡くなる2日前の今月8日、69回目の誕生日に25枚目のアルバム「Blackstar」をリリースしたばかりだった。

そんな稀代のスターの訃報を受けて、数々の有名人がSNS上で追悼のコメントを寄せている。ポール・マッカートニーは、若かりし自分とデヴィッドのツーショット写真を投稿し、「雨の朝、とても悲しいニュースで目が覚めた。デヴィッドは素晴らしいスターで、ともに過ごした時間は僕にとって宝物だ。彼は英国の音楽史に偉大な足跡を残した。彼が世界中に多大な影響を与えたことを誇りに思うよ」と発言。マドンナは「他に類を見ない天才であり、世の中の流れを変えた彼は、まさに"地球に落ちて来た男"だった。あなたの精神はずっと生き続けるわ!」とツイート。またオノ・ヨーコは、自分とジョン・レノンとデヴィッドが一緒に写っている写真とともに長いメッセージを掲載。「ジョンとデヴィッドは互いを尊敬していたわ。私たちは友達は多くなかったけど、デヴィッドは家族同然の存在だった。ジョンの死後、デヴィッドはいつも息子ショーンと私のことを助けてくれた。ショーンを博物館や収録スタジオに連れて行ってくれたりと父親代わりを務めてくれた。ショーンにとっては、もう一人の父親を亡くした気分でしょうね。ただ、彼との素晴らしい思い出は私たちの中で永遠に残るわ」とコメントしている。

なお、闘病生活と同じタイミングで製作を開始した最新アルバム「Blackstar」に収録されたシングル「Lazurus」の中で、デヴィッドはこんなことを歌っている。「空を見てごらん。僕は天国にいるんだ。僕には、誰にも見えない傷がある。僕には、誰にも奪えないドラマがある。僕のことがこれで分かるだろう。僕は自由になるんだ。あの青い鳥のように」

音楽界のみならず幅広いジャンルに影響を与えた稀代のロックスターの冥福を祈りたい。(海外ドラマNAVI)

Photo:デヴィッド・ボウイ(C)Thomas Lau/www.HollywoodNewsWire.net