『スター・トレック』新作監督の働きかけで、パラマウントが自主映画への訴訟を取り下げ?

7月に全米公開されるスタートレック(以下、ST)映画の最新作『スター・トレック BEYOND』。そのプロモーションのため開催されたファンイベントにおいて、製作総指揮者のJ・J・エイブラムスは、昨年末からファンが注視しているパラマウントの訴訟が取り下げられることを明らかにした。

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米Deadlineが伝えたところによると、この訴訟は、自主映画『Star Trek: Axanar』を制作中の人々に対して、昨年12月、STの権利を所有するパラマウントと米CBSが著作権侵害として起こしたもの。

『Star Trek: Axanar』は、オリジナルシリーズの21年前という設定で、宇宙艦隊の伝説となっているガース船長を主人公に据え、クリンゴン帝国との戦争を描く長編映画。自主映画とはいえ本格的な作りで、出演者は、『バトルスター・ギャラクティカ』のリチャード・ハッチやケイト・ヴァーノン、STの複数シリーズに出演しているトニー・トッドやJ・G・ハーツラー、ゲイリー・グレアムと、SFドラマファンにおなじみの顔ぶれが並ぶ。

クラウドファンディングサイトKickstarterで8500人以上の出資により、約64万ドルの制作費を獲得。昨年末に撮影が本格的にスタートする予定だったが、訴訟により中断している。これまで自主映画は収益を得ない限り黙認されていたのだが、規模が大きいために問題視されたようだ。他の自主映画にも影響を与えかねない事態は、ファンの間で大きな関心を集めていた。

そんな中、『スター・トレック BEYOND』の監督で、STファンを自認するジャスティン・リンは、訴訟を取り下げるよう、パラマウントに直談判した模様だ。

先週末のファンイベントでエイブラムスは、「数ヵ月前、ファンの自主映画に対してパラマウントが訴訟を起こした。長年のSTファンであるジャスティンは憤慨していたよ。話しているうちに、ファンに対する適切な対応ではないと僕らは悟った。STファンはST世界の一部なんだからね。パラマウントにかけ合って、訴訟をやめるように僕らは促した。数週間のうちに取り下げの発表があるだろう」と話している。

本当に訴訟が取り下げられるまで、『~Axanar』を作る人々は慎重に進展を見定める姿勢でいるようだ。それでも、スタートレックが50周年を迎える今年、気運が削がれることのないように行動したリン監督やエイブラムスに、ファンは喝采を送っている。

『スター・トレック BEYOND』は7月22日(金)に全米公開、日本では10月公開予定。前述のファンイベントでは待望の新予告編も公開された。(海外ドラマNAVI)

Photo:『スター・トレック ビヨンド』
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