『ハウス・オブ・カード』ケヴィン・スペイシー、出馬意思なし

オバマ大統領をはじめ、各国や各界のトップもファンを公言する社会派ドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』。先日リリースされたシーズン3がついに大統領選に突入したのと同じく、現実の世界でも民主党の指名獲得を確実にしたヒラリー・クリントンの副大統領候補が話題となるなど、11月の一般投票に向けてさらに注目を集めている。そんな中、将来の大統領候補として支持される同作の主演俳優ケヴィン・スペイシーが、選挙に出馬する意思はないと明かしたことが分かった。

映画界最高の栄誉であるアカデミー賞を2度受賞したほか、演劇界での功績により英国から名誉ナイトを授与されるなど、国内外で名優としての地位を確立しているケヴィン。そんな彼は、『ハウス・オブ・カード』で数々の陰謀を巡らせて下院議員から最終的に大統領へと上りつめるフランク・アンダーウッドを説得力たっぷりに演じていることで、その手腕を実際に発揮してほしいと期待されたようだ。英Guardian紙主催でファンからの質問に答えていたケヴィンは、「大統領選挙出馬を考えたことは?」という質問に対し、「私は物事をきちんとやり遂げたいタイプなんだ。だから、政治家になったらすごくストレスが溜まって、フランクみたいにいろんな人を殺すようになってしまうだろうね」と、ジョークを交えながら出馬する意思はないことを明かしている。

フランク・アンダーウッドは、今年4月にある航空会社が実施したアンケート、「次期アメリカ大統領にふさわしい資質の持ち主は?」で、クリントンに次いで2位に入ったこともあるキャラクターだ(ちなみに、クリントンと大統領の座を争っているドナルド・トランプは同4位)。ただし、このフランクという男は決して清廉潔白なわけでなく、人を裏切ったり手を汚すことも多い。それでも多くの支持を集めている理由について、ケヴィンは番組の手法が大きいと分析している。「フランクがドラマの中で視聴者に語りかけるのは見事なアイデアだと思う。これによって、見ている人とフランクの間に一種の共犯関係ができるからね。だから視聴者は彼のことを恐れながらも、つい擁護してしまうんだ」

第40代大統領となったロナルド・レーガンをはじめ、カリフォルニア州知事を務めたアーノルド・シュワルツェネッガー、カーメル市市長に当選したクリント・イーストウッドなど、政治の世界へ足を踏み入れた俳優も少なくない。ケヴィン本人も、5月に司会を務めたパーティーの余興でトランプやビル・クリントンの物真似をするなど、政治への関心はあるようだが、今のところそうした野心がないのは残念だ。しかし、『ハウス・オブ・カード』の中でこれからも政治的な手腕を発揮し、ファンを大いに楽しませてくれることだろう。

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(海外ドラマNAVI)

Photo:ケヴィン・スペイシー(『ハウス・オブ・カード 野望の階段』)
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