LAS2016:お気に入り作品&俳優BEST5【Akemi Tosto編】

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お気に入り作品に選ばれた『Bull』で主演を務める『NCIS』のマイケル・ウェザリー

■お気に入り作品BEST5

1.Bull(CBS)
ひと昔前に全米トークショーの女王と言われたオプラ・ウィンフリーが「牛肉の評判を落としめた」として、全米牛肉業界から訴訟されたことがありました。選り抜きの弁護士たちで固めた巨大な企業からの訴訟に「女王危うし」と言われ大変な話題になったものです。そこへオプラを救うべく登場したのが、当時法廷心理学のエキスパートとして名を馳せていたDr. フィル・マッグロウ。今作のクリエイターを務める彼は、オプラを無罪放免に導いてから一躍セレブ心理学者となりました。『Bull』はDr. フィル自ら脚本も担当し、実際に体験した訴訟にヒントを得て描かれており、思いもよらない陪審員裁判制度の裏側を見られるドラマとして、同制度が定着してきた日本の視聴者にとっても興味深いことうけあい。『NCIS』ファンにとっては主役がマイケル・ウェザリーっていうのもたまりませんよね。

2.Pure Genius(NBC)
このシリーズを「お気に入り」に入れた大きな理由が、ストーリーの斬新さと中年になってもカッコいい、ダーモット・マローニー。彼のことはジュリア・ロバーツ主演の映画『ベストフレンズ・ウェディング』以来ファンで、ずっとキャリアを追ってました。色々な作品に出演しているのですが、「コレだっ!」という役に恵まれなかったんですよね。でも、この作品でダーモットがまた注目される時が来た! と勝手によろこんでます。彼が演じるのは、最先端過ぎて普通の病院から追い出されてしまう天才外科医。第一話は、そんな主人公が見知らぬハイテク億万長者の青年からとある医療施設に招聘される場面から始まります。利益を得ることしか考えておらず、お金がなければ最新医療を受けられない腐った米国医療システムへ一撃を食らわせるような作品です。

3.Secrets and Lies 2(ABC)
大企業のパーティ真っ最中にロビーで転落死した女性の死体が発見されたことから始まる殺人ミステリー。ジュリエット・ルイス以外は皆新しいキャストなのですが、彼女が演じる鬼刑事アンドレア・コーネルは健在! ...って言ってもこのシリーズはまだ日本上陸してないんですよね。なんで〜!? 配給さんは、コーネル刑事が鬼すぎてきっと日本の視聴者がビビってしまうからなんて心配してるとか!? でも彼女はホント出来るんです。だから許せちゃう。食らいついたら放さないスッポンのような性格で、「そこまでする!?」みたいなフィルター無しの性格なんですが、刑事としての優秀さに感服せざるえない...。って結局は犯人が思いもよらぬ人間だったりするわけですが、その過程で周囲の人間も嘘と秘密の中で生きているということがわかってきておもしろい。ものごと白黒で済まない部分があるのよね...的な、ヨーロッパ映画のような翳りがこのドラマの魅力でしょうか。好きだな、こういうの...。

4.Trial & Error(WB)
大都会の新米弁護士が、ド田舎で起きた大学教授の妻殺人事件を担当することになって容疑者の弁護で現地入りすることになるのですが、そこで待っている恐るべき(!?)田舎のカルチャーと時代遅れな地元の人たちに翻弄されつつも、わけワカメな殺人事件の真相を探り出していくドキュメンタリー調コメディ。新米弁護士クンのために田舎町の人たちが設えてくれた「弁護士事務所」を、なんと剥製屋さんとシェアしているというのに大ウケ。前面で真面目に捜査の話しをしている後方では死んだクマだのシカだのが運び込まれ来る様子が見えて、見てる側はつい吹き出しちゃう。場面ごとに登場人物がカメラに向かって解説するんですが、それもスッとぼけていて爆笑。余談ですが1980年代にヒットしたほのぼのコメディ映画『ハリーとヘンダーソン一家』を覚えていますか? ジョン・リスゴーがヘンダーソン役だったんですが、今回も役名が「ヘンダーソン教授」なんです。プロデューサーも映画のファンだったのかな〜なんて思って、この番組にますます愛着が湧いちゃった次第です。

5.Emerald City(NBC)
当初、第5位は『Shooter』を選ぶ予定だったんですが、先日ダラスで起きた痛ましい銃乱射事件のあと思い切り気分が萎えて、おとぎ話系のドラマと差し替えました。今作は『オズの魔法使い』の主人公ドロシーが大人になってからの後日談的な作品。実は筆者、『オズの魔法使い』には全く興味がないんですが、このドラマには魅き込まれました。と言うのも、ひと昔前にジェニファー・ロペス主演の『ザ・セル』という映画があったのですが、今作を監督したターセム・シンが新シリーズ全10話を演出してるんです。彼の奇抜で美しい映像スタイルには定評があって、エメラルド・シティの構想にピッタリ。ビジュアルのみならず、おとぎ話の裏側に隠された登場人物たちの自分探しの軌跡も興味深く、ちょっとセラピー的なドラマ作りにも魅かれました。大作映画のような豪華なロケーションと映像は、お茶の間のファンを楽しませること間違いなし。

■お気に入り俳優BEST5

1.『Secrets and Lies シーズン2』:ジュリエット・ルイス
ジュリエット・ルイスってティーンの頃から一癖あって危ない娘を演じるのがうまかったですよね。それが今ではすっかり大人の女性になってガッツリ演技派に。近年ではインテリでタフな女を演じるのが板に付いてるのですが、このシリーズのコーネル刑事は本当にハマり役だと思っています。ネチっこくて、超イヤな刑事なんですが、スゴくはっきりした筋が一本スッと通っていて、「ううっ、こ...コイツの言う事はもっともだ...」と唸らせる。ここまでイヤな女なのに次にどんな行動に出るか見ずにはいられない...。こういったキャラをうまく演じられるジュリエットって、やっぱりカッコよくて超お気に入りです。 

2.『Time After Time』:フレディ・ストロマ
『ハリー・ポッター』シリーズ好きな人には見覚えある俳優さんですね。フレディ・ストロマは同作ではコーマックっていう役だったらしいです。(ハリポタ無知度がバレてしまう...汗)最近ではマイケル・ベイ監督の戦争アクション映画『13時間 ベンガジの秘密の兵士』(日本ではDVDリリースのみですが、かなりおススメ)にも出演しているのを発見!ノリノリのフレディです。『Time After Time』では、自分の発明したタイムマシンで未来へ逃亡した猟奇殺人魔の切り裂きジャックを追って、1888年のイギリスから現代のニューヨークに乗り込んでいく主人公を演じています。正義感は強いけど、ちょっと頼りなくて母性本能をくすぐるタイプで応援したくなります。 

3.『Pure Genius』:ダーモット・マローニー
ダーモット・マローニーのことは、映画『ベストフレンズ・ウェディング』でジュリア・ロバーツの元カレを演じてたときからずっと好きなんですが、いままで本当にコレと言った役に恵まれてなかったと思うんです。彼の魅力って一言では語れないんですが、ホント信頼できるカッコいい兄貴...的なところかなあ。『Pure Genius』で、彼が演じる天才外科医は、患者を救う最終手段として施した最先端手術が失敗に終わり、第一線から退かなければいけなくなった医師なんです。そんな彼がハイテク企業の億万長者が運営する最先端医療施設から招聘を受けるわけですが、その時の胸の内って下手な役者では表現できないと思うんです。こういう複雑で繊細なキャラクターの心情をうまく表せるのはダーモットの技ですね。彼が本領発揮できそうな新番組ができてファンとしてはうれしい限り。

4.『Midnight, Texas』:フランソワ・アルノー
フランソワ・アルノーのことは『ボルジア家 愛と欲望の教皇一族』でチェーザレ・ボルジアを演じていた時から目を付けていたんですが、最近では『ブラインドスポット タトゥーの女』にも重要キャラで出演しているのを見て、よろこんでいたところ。本作では彼女が主役なんて嬉しすぎる〜っ。しかも、筆者の大好きなホラーコメディとくればうれし涙もの! フランソワ演ずるのはマニーという青年で、オバアチャンにもらった霊能力のせいで見たくもないのに成仏できないでいる人たちが見えちゃってどうしようもないというキャラ。落ち着いた暮らしをしたいのに、行く先々で幽霊絡みのトラブルに巻き込まれ住処を追い出されては流浪の民になる。フランソワ演じるマニーはイケメンに似合わずどこかトボけてて、運転中に助手席によく現れるオバアチャンの幽霊と会話するところはマジ笑えてカワイイです。

5.『Frequency』:ライリー・スミス 
今年のLASで『Frequency』の試写を見るまでライリー・スミスのことは全く知らなかったんですが、一気に惚れました(笑)番組的には、そこそこの出来だったんですが、ヒロインのお父さんフランクを演じているライリーのイケメン&セクシーさに屈服。この番組を続けて見ようと決めました。(かなり不埒な理由ですが...笑)ちなみに、ライリーはひと昔前にモデルとしてスカウトされ、トミー・ヒルフィガーのモデルになり、そこで稼いだお金を使って演技の勉強して俳優になったんだそうです。夢をまっしぐらに追いかけるこういう人好きだなあ。ますますカッコ良く見えてきた...。(ミーハーっ!)

※タイトル、クレジットはLAS2016開催時のものです。実際の放送時には異なる場合があります。

Photo:マイケル・ウェザリー
(C)Izumi Hasegawa/HollywoodNewsWire.net