2017年5月に配信予定の『スター・トレック』新TVシリーズとして、ファンの期待を集めている『Star Trek: Discovery(原題)』。本作を手掛けているブライアン・フラーが、ショーランナーの座を下りることを、米Varietyなどが報じた。
降板の理由は明らかではないが、Varietyが関係筋の情報として伝えたところによると、制作会社のCBS Television Studiosとフラーの間で、制作の進捗をめぐり緊張が走っていたという。
また、CBS重役はフラーの仕事の成果に満足しているが、フラーは現在、ニール・ゲイマン作の小説「アメリカン・ゴッズ」のドラマ版(米Starz)と、『世にも不思議なアメージング・ストーリー』復活版(米NBC)の準備で多忙をきわめ、あまりに多くの仕事を抱えているのを懸念していたとのこと。
しかも、本作の配信はすでに2017年の1月から5月に延期となっており、これ以上延期を繰り返すわけにもいかないことから、決定が下りた模様だ。アメリカでは配信サービスのCBS All Accessで看板ドラマとなる本作に、CBSが寄せる期待は大きく、予算は一話あたり600-700万ドルにも及ぶと伝えられている。
なお、フラーの後任を務めるのは、『プッシング・デイジー ~恋するパイメーカー~』でフラーの右腕を務め、『リベンジ』『ロズウェル/星の恋人たち』にも携わったグレッチェン・J・バーグとアーロン・ハーバーツ。この二人が、ショーランナーとしての業務をこなすことになる。また、『FRINGE/フリンジ』の脚本・監督を手掛けたアキヴァ・ゴールズマンも、二人をサポートする予定とのこと。
フラー本人は今回の決定に際し、「ライカー副長は『新スター・トレック』の7年間を艦長になるために費やしました。グレッチェンとアーロンも準備は整っています。二人がブリッジの指揮をとるのを楽しみにしています」とTwitterで述べている。
『スター・トレック:ディープ・スペース・ナイン』や『スター・トレック:ヴォイジャー』に関わり、長年のファンとしても知られるフラーが、ショーランナーを務めることは、ファンから好意的に迎えられていた。それだけに今回の決定には落胆の声が出ている。
しかし一方で、フラーは今後も製作総指揮者のポジションにあり続けるほか、第1・2話の脚本を執筆し、シリーズ全体にまたがる大きなストーリーも練り上げていることから、あまり否定的にとらえなくてもよいのではないか、という指摘もメディアからは出ている。
本作の配役は、主人公以外はすでにほぼ決定しているとのこと。撮影は、カナダのトロント市で11月にスタート予定で、日本では2017年にNetflixで配信される。(海外ドラマNAVI)
Photo:ブライアン・フラー
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