『GOTHAM/ゴッサム<サード・シーズン>』ジョン・スティーブンス(製作総指揮者)インタビュー

権力抗争の大きなうねりが押し寄せ、危険度がかつてないほど高まる『GOTHAM/ゴッサム』サード・シーズン。野望に燃える、腐敗した超悪党(スーパー・ヴィラン)たちが登場し、同盟関係も再編成され、ゴッサム・シティでの権力をめぐる闘いは新たな局面を迎える。このシーズン、悪名高き犯罪組織"フクロウの法廷"の正体が暴かれ、インディアン・ヒルからの逃亡者が街に放たれると、ジェームズ・ゴードン(ベン・マッケンジー)は"賞金稼ぎ"となり、自ら事態を収拾しようとする。ゴードンは、インディアン・ヒルで行われている恐るべき人体実験の首謀者、ヒューゴ・ストレンジ教授(B・D・ウォン)と、その実験対象の一人、フィッシュ・ムーニー(ジェイダ・ピンケット=スミス)を捜し出すという使命を自身に課すのだった。

ゴッサム・シティがカオスの深みへと沈んでいく中、ストーリーはDCコミックスの最も邪悪な悪党たちを追いながら展開する。それは、ペンギン(ロビン・ロード・テイラー)、エドワード・ニグマ/のちのリドラー(コリー・マイケル・スミス)、セリーナ・カイル/のちのキャットウーマン(キャムレン・ビコンドヴァ)、バーバラ・キーン(エリン・リチャーズ)、タビサ・ギャラバン(ジェシカ・ルーカス)、そしてブッチ・ギルジーン(ドリュー・パウエル)の面々だ。

ファン待望のサード・シーズン放送に先駆け、キャスト&スタッフ総勢14人のインタビューを集中連載。13回目に登場するのは、製作総指揮者のジョン・スティーブンス。悪役を登場させる際の判断基準やバットマンの世界との出会いについて語ってもらった。

――サード・シーズンにおけるブルース・ウェインとセリーナ・カイルの関係について、一番面白いと思うことは?

二人はセカンド・シーズンでの関係から、大きな一歩を踏み出すことになるんだ。若いバットマンと若いキャットウーマンがそれまで以上にしっかりとした絆で結ばれていることが描かれるよ。サード・シーズンでの彼らの関係をどうしていこうか、考えていた。"よし、二人は象徴的なキャラクターだ。だがその一方でお互いに引かれ合う16歳くらいの男女でもある。どうやって関係を進展させようか? 将来的には、バットマンとキャットウーマンが完全なる恋人同士にならない、またはなれないようにするには? 二人が互いにどんなミスを犯せばそうなるのか?"とね。これから彼らの距離をぐっと縮めて、お互いの存在をかけがえのないものにしていくよ。それに10代の恋愛でありそうな問題も出てくる予定だ。

――ジェームズ・ゴードンはどうですか? サード・シーズンでのゴードンの展開についてお聞かせください。

(モリーナ・バッカリン演じる)リー(レズリー・トンプキンズ)とゴードンのことで言うなら、セカンド・シーズンとサード・シーズンの間で問題が起きて、これまで以上にぎくしゃくした関係になってしまう。ゴードンがリーとの関係を取り戻そうとする様子がサード・シーズンの中でたくさん描かれる予定だよ。

――なぜアイビーの年齢を引き上げることにしたのですか?

彼女の年齢を引き上げた方が面白いと思ったから、そうしたんだ。幼い少女の設定のままでは描きたくても描けない話を考えていたからね。彼女(クレア・フォーリー)は2年間素晴らしい演技を見せてくれたけど、彼女では今後僕らが描きたいと思っていた話の展開は描けなかった。

――フィッシュ・ムーニーも戻ってきましたね。なぜ彼女を復活させることにしたのですか?

『GOTHAM/ゴッサム』の製作を始めた時、ある世界を作り上げようとした。自由自在に登場したり姿を消したりできるような人がいっぱいいる世界をね。原作コミックを読んでも分かるけど、ある人物は数年間姿を消していても、いつか再び誌面に登場するんだ。ファースト・シーズンでムーニーの存在を確立させた後、彼女の姿を一旦この世界から消し、また登場させようと思っていた。これまでの登場人物のほとんど全員を、どこかで再登場させたいと思っているよ。それからムーニーを復活させたもう一つの理由は、ジェイダ(・ピンケット=スミス)が素晴らしい演技をするからだ。

――つまり他のキャラクターたちも戻ってくる可能性があるということですか?

『GOTHAM/ゴッサム』の継続したテーマとして"変身"がある。例えばある人物が全く異なる人物に変身していく。それを極端な方法で試してみたのがムーニーだった。セカンド・シーズンをクリフハンガーで終えたから、それを壮大な形で回収させたかったんだ。ムーニーはゴッサム・シティへ戻ってきて、街に大混乱をもたらす予定だよ。

――"フクロウの法廷"の話がサード・シーズンの中心となりますか?

"フクロウの法廷"はサード・シーズンの初めから登場し、シーズンを通して登場する予定だ。特にシーズン後半に大きく関わってくるよ。彼らはサード・シーズンの第1話から登場し、さらにいろんなことが明かされていく。

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――どの悪党を『GOTHAM/ゴッサム』に登場させるかは、どうやって決めているのでしょう? 例えばマッドハッターの場合、どんな経緯だったのですか?

ファンとして見てみたい悪党、というのが大きな決め手ではあるね。例えば"悪党○○や悪党△△の実写を見てみたい"とかさ。でも場合によって、登場させてもいい悪党かどうかを判断することもある。『スーサイド・スクワッド』に登場しない悪党とか、実写化予定の映画に出てこない悪党とかね。あとは僕らの判断で、ファンタジー寄りになってしまう悪党は避けている。SFっぽい番組にはしたくないんだ。もっと僕らの世界に近い悪党を登場させたい。マッドハッターの場合は、僕が彼の話し方が好きだという理由が大きいかな。彼は何事においても怒りと自信のなさ、そしてどこかに属したいという気持ちを持っていて、だからおかしくなってしまった。悪党としては珍しいことだから、面白いと思ったんだ。現時点で、今後『GOTHAM/ゴッサム』に登場させたい新たな悪党の候補は6人ぐらいいる。そのうち一人か二人はサード・シーズンに登場させる予定だ。残りは来シーズン以降に出そうと思っているよ。

――ゴッサムの街と登場人物たちの雰囲気を出すため、何を参考にしましたか?

いろんなものを使ったよ。バットマンの世界からヒントを得たものもあれば、そこから派生したものを参考にしたこともある。漫画の「バットマン イヤーワン」の雰囲気を真似た部分は多いね。また、映画の『セブン』からも多くのアイデアをもらった。あとゴッサムの世界の構造という意味では、『ブレードランナー』からも。宇宙にある上空の世界と、その下の、ハリソン・フォードがいる地球の世界があるっていうところとかね。だから『GOTHAM/ゴッサム』では、できる限り路地や下水道で出来事が起きるようにしたかったんだ。

――『GOTHAM/ゴッサム』に関わるきっかけとなったのは?

僕は子どもの頃からバットマンのファンだった。そしてコミックを読むのが大好きだったんだ。僕も、同世代の人たちの大多数も、コミックを読みながら成長してきたようなものなんだ。僕らはひたすらコミックを読んで、読んで、読んできた。そしてある日、フランク・ミラーの「デアデビル」シリーズを読んで"わあ。こんな内容もあるんだ"と驚いた。実はミラーが「バットマン:ダークナイト リターンズ」に携わって初めて、僕はバットマンの世界に惹かれた。そして「バットマン」の愛読者になり、こういう職業に就いて様々なTV番組を手掛けるようになった。(製作総指揮者の)ブルーノ・ヘラーに『GOTHAM/ゴッサム』を製作する話を聞いてとても嬉しかったね。頭のどこかで、いつかこういう内容の製作に関わりたいと思っていたみたいだ。今はとても楽しんで仕事をしているよ。

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■放送情報
『GOTHAM / ゴッサム』シーズン3
海外ドラマ専門チャンネルAXNで、2017年3月11日(土)より日本独占初放送予定

 

■商品情報
・『GOTHAM/ゴッサム <セカンド・シーズン>』
ブルーレイコンプリート・ボックス...16,200円+税
DVDコンプリート・ボックス...14,300円+税
発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

 

■商品情報
・『GOTHAM/ゴッサム <ファースト・シーズン>』
ブルーレイコンプリート・ボックス16,200円+税
DVDセット1、2...各4,980円+税
発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

Photo:
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