二人のセブライドが対面!『シカゴ・ファイア』テイラー・キニー来日イベント&パーティ

シカゴ消防局51分署に所属する消防隊員と救命士が命がけで職務に立ち向かう姿を描く人気のレスキューアクションドラマ『シカゴ・ファイア』。2012年に本国アメリカで放送が始まって以来、大ヒットを記録し、先日シーズン6の製作も決定した同シリーズより、ケリー・セブライド役のテイラー・キニーが初来日を果たした。彼が登壇したイベント、パーティの模様をお伝えしよう。

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都内にて行われたイベントでは、MCから日本へようこそと言われ、「アリガトウ」と日本語で挨拶したテイラー。「この度は呼んでくれてありがとう。『シカゴ・ファイア』のキャストを代表してお礼を言うよ。日本で家族や友達と一緒に夢のような時間を過ごしているんだ」と話した。着物姿で登場したゲストの関根麻里を見て、「母親がすごく嫉妬するだろうね。着物が欲しいってずっと言っているから、土曜に一緒に京都へ行くつもりなんだ。母親の着物を買う時の参考にさせてもらうよ。すごく綺麗だね」と述べた。

そして、背中に消防士の「消」の字、前に自分の名前「テイラー・キニー」と入ったハッピを関根からプレゼントされると、その場でスーツの上から羽織って「どう?」とニッコリ。「まるで第二の皮膚みたいにぴったりだよ。日本での残りの滞在中はずっとこれを着ていようかな」とジョークを飛ばす一幕もあった。

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自身が演じるセブライドについては「非常にまっすぐな男であるケイシーとは対照的で、欠点だらけだけど、視聴者には共感を持ってもらえると思う。仕事には一途に取り組んでいるしね。恋愛では悩みもあるけれど、仕事場は彼にとって安らげる場所なんだ」と語った。また、シーズン6更新が決定したばかりのことにも触れ、「このシリーズのおかげで世界中を旅することもできたよ。今回、日本にも来られたしね。ファンのみんなのおかげだよ。本当にありがとう」と感謝を示している。

アクションシーンが多い『シカゴ・ファイア』の撮影はやはり肉体的な負担も大きいようだ。「大変なことの一つは、すごく重い機材(ギア)を背負って動き回らなければならないことだね。今日の午前中は東京の消防庁を訪問して、ギアや車を見てきたんだ。すごく面白かったよ。シカゴで行う撮影は、60~70ポンド(約27~32キロ)のギアが重いから夏はたくさんの汗をかいてしまって大変だけど、寒さが厳しい冬はギアのおかげで逆に防寒になるんだ」

また、作品には真摯に取り組んでいるという。「もちろんTVシリーズだから多少ドラマチックに描いているところはあるけど、安全第一で細心の注意を払って撮影を行っているよ。あと、僕が本作で特に意識していることは、シカゴの消防隊員から感謝されるような作品を作ることなんだ。彼らの活動をなるべく忠実に描くよう意識していて、現場で活動している人たちをアドバイザーとして、機材の使い方や言葉遣いについて分からないことがあったら彼らに聞いているんだ」と、綿密な作品作りを説明してくれた。

ここで、驚きの事実も発覚。消防士を演じるキャストたちはテイラーをはじめ全員が見事な肉体を劇中で披露しているが、上には上がいるそう。関根が消防士だった祖父はテイラーほど大柄ではなかったと言った際、テイラーは「本物の消防隊員には僕よりも大柄な人が多い」と発言。「アメリカにはボランティアで消防士を務めている人が多いけど、ここシカゴやニューヨークのような大都市では消防士の競争率が激しいんだ。そういった場所で活躍しているのは屈強な体をしたプロばかりだから、彼らに比べると僕は小さい方だよ」と、意外な情報を明かしている。

かつて大工仕事をしたり、ハワイで1年過ごしたり、スカイダイビングのライセンスも持っていたりと行動派のテイラー。危険な現場に飛び込んでいくこの作品は水に合っているようで、「僕にとってこの作品の醍醐味は、いろんなスタントに挑戦してアドレナリン全開になれることなんだ。冒険が大好きだから、そこに魅力を感じて出演を決めたんだよ」と語っており、これからもセブライドとして活躍してくれることだろう。

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「これまでいくつかの映画やドラマに出演してきたけれど、『シカゴ・ファイア』はキャリアで数回あるかないかのビッグチャンスだった。29歳か30歳でこの役を手にした時、長く続く作品になるだろうという予感はあったよ。製作総指揮を務めるのがディック・ウルフ(『LAW & ORDER』シリーズも手掛ける人気プロデューサー)だからね。彼のもとに素晴らしい顔ぶれが集まったので、成功すると最初から確信があったんだ。僕が今、好きなことを仕事にするという夢に生きることができているのは、ファンのみんなのおかげだ。見てくれてありがとう」と述べたテイラー。イベントの最後までハッピは着たまま。日本火消し保存会に自身の名前が入った特別な唄を披露してもらった後、扇子も貰い、終始ご機嫌な様子だった。

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続いて開催されたパーティでは、テイラーが登場すると、駆けつけた多くの女性たちから大きな歓声が上がった。「お招きありがとう。ここに来ることができてワクワクしているよ」とテイラー。

初来日の感想を聞かれると、「月曜に到着したんだ。午後に取材を受けているけど、午前中はいろいろと観光しているよ。料理も美味しいね。家族や友達と来ていて、土曜には京都に行って、竹林や田舎の風景を見るつもりだよ」と語った。

日本で楽しみにしていたことの一つは日本食だという。「僕はすごくスシが好きなんだ。2年ほど前に友達に教えてもらってドキュメンタリー映画『二郎は鮨の夢を見る』を見たこともあって、日本では鮨を楽しみたいと思っていてね。早速行ってきたよ。店名は忘れてしまったけど、お任せでいろいろ握ってもらった。すごく美味しかったよ」

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ここからはファンの質問コーナー。「撮影のために実際に訓練を受けたりしたのでしょうか? 炎って怖くありません?」という問いには、「僕は子どもの頃からアウトドア派なんだ。だからこの仕事は夢のようだね。仮に弁護士役をやっていたら、室内でずっとスーツを着ていなくちゃならないけど、じっとしていられないタイプだからイライラしてしまうと思う。一つのエピソードを撮影するのに大体、8日か9日かけるんだけど、その撮影期間の半分はギアを背負って走り回ったり、はしごを上ったり、どこかから飛び降りたり、炎の中を駆け抜けたりしているんだ。もう5シーズン目になるけど、今でもこういうアクションシーンには興奮するよ。とても幸運だね」と回答。

「惚れ惚れする肉体ですが、常に鍛えているのですか?」との質問には、「日本のビールのおかげだよ」と冗談を言った後、「さっきも話したように、アウトドアが好きだからいつもアクティブに活動しているんだ。この間も友達とハワイでサーフィンをしたよ。あとは、撮影中に時間があれば腕立てふせや腹筋、ジョギングをしているね」と返した。「胸板が厚いですが、よくスーツが入りますね」というMCのツッコミに、テイラーが「母親がボディビルダーだったんだ」とジョークで返すと、会場にいた母親(笑顔がテイラーとそっくり!)が力こぶを作ってノってみせ、会場を沸かせた。

「セブライドとご自身の共通点は? 共感できないところはありますか?」と聞かれると、「俳優のみんなが言うことだと思うけど、TVシリーズの役柄というものは最初からガチガチに決まっているわけじゃない。もちろんパイロット版の製作時点である程度は固まっているけど、あとは俳優が脚本家たちと話し合いながら、試行錯誤の中で肉付けしていくんだ。僕が意識しているのは、なるべく自分の要素を役に盛り込むことだね。そうしないと人間性が出てこないから。ただ、セブライドと僕の人生観は違うかもしれない。あと、アクションシーンはなるべくスタントを使わずに自分で演じているよ。消防士の作品としては特に重要な部分だから、忠実に自分でやりたいんだ」

「男女関係なく、セブライド以外の役を演じるなら誰がいいですか?」という気になる質問に対する答えは「シェイ」。「やったら楽しいだろうね。レズビアンをうまく演じられると思うんだ(笑) そうなったら(シェイ役の)ローレン(・ジャーマン)にセブライドを演じてもらう手もあるね」と続けた。

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「特に仲の良い共演者はいますか?」という、これまたファンとしては知りたいことについては、「共演陣にはすごく恵まれていて、幸運なことに全員が仲良しなんだ。ロサンゼルスやニューヨークなどいろんな場所からシカゴに集まってきた僕らは、長い時間を一緒に過ごしていく中で親しくなっていった。劇中からも僕らの仲の良さが伝わると思う。オフの時もよく一緒に過ごしているよ。だから、誰か特定の一人を挙げることはできないね。例えば、(ハーマン役の)デヴィッド・アイゼンバーグは夕食を御馳走してくれるし、ボーデン役のイーモン・ウォーカーや(キャップ役の)ランディ・フラグラーとはオートバイで一緒につるんでいるよ。(トニー役の)トニー(アンソニー)・フェラリスと過ごすことも多いんだ」と、カメラが回っていないところでの共演者たちとの交流について聞かせてくれた。

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ここで、吹替版でセブライドの声を担当している阪口周平が登場。「声をあてている人と会う機会はなかなかないので、こうしてお会いできて光栄」と阪口が言うと、「こちらこそ会えて光栄だよ。素晴らしい仕事ぶりだと思う」とテイラー。

スピンオフの『シカゴ P.D.』などでもセブライドの声をあてている阪口。およそ20年のキャリアを誇るが、「これだけ広がりのある作品に出るのは初めて」とのこと。セブライドを演じる際に気をつけている点は、彼の多面性をうまく表現すること。そんな阪口は、アウトドア派のテイラーと違ってインドア派のため、室内で収録する声優という仕事は「僕にはピッタリ」と、二人とも天職とめぐり会えたようだ。

阪口の声について「いい声だね。一話分まるごと見てみたいよ」と語ったテイラー自身も実はアフレコを経験しているという。消防活動中のセリフは、マスクを被っているために後で音声だけ録り直す必要があるそう。「自分がすでに言ったセリフだけど、感情を込めて、声の調子を合わせて、タイミング良く言い直すのはすごく難しいんだ。だから、見事な仕事ぶりをしている君には脱帽だよ」と、"もう一人のセブライド"を誉め称えた。一方の阪口も、マスクの声を収録する場面ではコップを口元に近づけてこもっている音声を作り出しているという舞台裏を明かした。また、セブライドが痛さのあまり声を上げるシーンをめぐって「自分を本当につねったりしないの?」とテイラーが阪口にジョークを飛ばす場面も。

「先程も言ったけど、僕が自分で言ったことを再録のために言い直すだけでも苦労するんだから、声優という仕事はもっと大変だと思う。それを見事にやり遂げているのは才能があるからだね。セブライドに命を吹き込んでくれて本当にありがとう」と阪口を称賛したテイラー。「これからも機会があればあなたの声を僕がやっていいですか?」と聞かれると、「もちろん!」と即答した。

続いては、日本各地の消防士の活躍を描いたミニ番組「FIRE FIGHTERS 地域を守る消防士」に出演した5人の消防士が登壇。レスキュー隊員の一人は、「自分が実際に経験したものと似た状況が『シカゴ・ファイア』に描かれているので参考になる」と、番組のリアルぶりに太鼓判。それを聞いたテイラーは「現場を知る人にそう言ってもらえてすごく嬉しいよ。実際、シーズン5ではグラウンド・ゼロ(9.11で倒壊したワールドトレードセンター跡地)が出てくるんだけど、ニューヨークの消防局からも、僕らの作品が参考になったと言ってもらえたんだ。世界中の現場で働く人たちの助けになれているなんて、本望だよ」と感激した様子だった。

女性の消防隊員から、女性の消防隊員についてどう思うかを聞かれると、「女性が活躍していることは素晴らしい。もっと機会が増えたらいいね。実は『シカゴ・ファイア』でも今後のシーズンで女性の消防士が登場するんだ」という耳寄り情報を教えてくれた。

その後、ファン参加の抽選会がスタート。直筆サイン入りのポスター、テイラーとのツーショット写真という垂涎の権利が合計3人に与えられることになり、見事に幸運を手にした人たちはテイラーからハグされるというおまけ付きで、夢のようなひと時を過ごした。

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「このシリーズのおかげで世界中に行けているんだけど、ずっと来たいと思っていた日本をようやく訪れることができて嬉しいよ。期待していた以上に素晴らしい国だと思う。人々も優しくて、僕だけじゃなく、同行している家族や友達も感激しているよ。本当にありがとう。ぜひまた戻ってきたい」とメッセージをくれた。

そんなテイラーが引き続き出演する『シカゴ・ファイア』は、シーズン3がAXNにて5月18日(木)22:00より日本初放送。シーズン2が6月7日(水)よりリリースとなる。また、テイラーへの直撃インタビューを後日掲載予定なので、こちらもお楽しみに!

 

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Photo:
テイラー・キニー来日イベント&パーティ
『シカゴ・ファイア』
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