『SATC』原作者が語る「現実ならキャリーとミスター・ビッグはこうなっていた」

マンハッタンで生きる独身女性たちの様々な恋愛模様が描かれた大人気ドラマ『Sex and the City』(以下『SATC』)。世の女性たちの注目を集めた本作はTV版の放送が終了してから10年以上が経つが、キャリー(サラ・ジェシカ・パーカー)とミスター・ビッグ(クリス・ノース)の関係については今でも多くの議論が起こっているようだ。

TVシリーズでは長年くっついたり離れたりを繰り返していたキャリーとビッグだが、その後製作された映画版でついにゴールインしている。しかし、米Guardianのインタビューに応えた原作者のキャンディス・ブシュネルは、彼女たちが自分の想像とは違う結末に至ったのだと明かした。

「現実世界ならキャリーとミスター・ビッグは一緒にならなかったと思うわ。でも、TVシリーズでキャリーとビッグの関係があまりにも大きくなってしまっていた。この二人のストーリーは、視聴者によって(「高慢と偏見」の)ミスター・ダーシーとエリザベス・ベネットのようになったの」とコメント。

さらに、今でも話題に上ることについて「彼女たちは象徴的なカップルになったわ。町では"私のミスター・ビッグを見つけたわ"とか"ミスター・ビッグと別れたの"っていうふうに、彼氏を指す定番の言葉になった。TV番組はショービジネスであって芸術ではないから、その時点でドラマは視聴者のためのもので、10年後の影響については考えられていなかったのね」と語った。

また、これまで様々な恋愛模様を描いてきたブシュネルだが、現代の人との交流の仕方について危惧していることがあるようで、「私がバーに行くと9割の人は携帯電話をいじっている。都市に住んでいろんな人と会っているのに、そういう人と交流することに労力を使わないで、自分の内にこもるっていう楽な方法を取ってしまうの。それを代表するTinder(出会い系アプリ)の野暮ったさには、本当にショックを受けたわ」と、ネットの世界で恋愛をしようとする最近のやり方に不満を投げかけた。

ブシュネルは、20年前であれば出会いを求めるには外に出かけなければいけなかったが、Tinderの登場によりデートという商品の中で人々は自分のプロフィールをより魅力的なものしようとし、自分自身をマーケティングするようになったと、分析している。(海外ドラマNAVI)

Photo:『Sex and the City』
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