エミー賞受賞作『アトランタ』やハリウッド版『デスノート』で注目の若手も怪演!ホラー映画『ゲット・アウト』

全米初登場ナンバー1の大ヒットを収め、米映画レビューサイトのRotten Tomatoesで99%と高評価されているホラー映画『ゲット・アウト』。同作に出演する若手俳優レイキース・スタンフィールドについて紹介しよう。

本作の主人公は、ニューヨークに暮らすアフリカ系アメリカ人の写真家クリス。彼は、白人の恋人ローズに誘われ、彼女の実家で週末を過ごすことに。若干の不安とは裏腹に過剰なまでの歓迎を受けるものの、黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚える。その夜、庭を猛スピードで走り去る管理人と窓ガラスに映る自分の姿をじっと見つめる家政婦を目撃し、動揺するクリス。翌日、亡くなったローズの祖父を讃えるパーティに出席するが、集まったのが白人ばかりで気が滅入ってしまう。そんな中、どこか古風な黒人の若者ローガンを発見し、思わずその姿を撮影すると、フラッシュが焚かれた瞬間、相手は鼻から血を流しながら急に豹変し、「出ていけ!」と襲いかかってくる。"何かがおかしい"と感じたクリスは、ローズと一緒に実家から出ようとするが...。

製作を手掛けたのは、『インシディアス』『ザ・ギフト』『ヴィジット』のジェイソン・ブラム。監督・脚本を務めたのは、アメリカのお笑いコンビ"キー&ピール"のジョーダン・ピール。ヒットメーカーと人気コメディアンが異色のタッグを組み、じわじわ来る恐怖とあっと驚く結末で、誰も観たことないオリジナリティあふれる作品を作り上げた。

本作で主人公クリスに襲いかかるローガンを演じたのが、注目の新星であるレイキース。ラッパーとしても活躍している彼は、デビュー作となった『ショート・ターム』(2013年)の問題を抱えたティーンエイジャー、マーカス役でインディペンデント・スピリット賞助演男優賞にノミネートされて一躍脚光を浴び、劇中ラップとして書いた「So You Know What"s It"s Like」も高い評価を集めた。日本でも大ヒットした『ストレイト・ アウタ・コンプトン』(2015年)ではスヌープ・ドッグを演じ、Netflix版『Death Note/デスノート』(2017年)ではL役に抜擢されている。

そんな彼が演じるローガンは、裕福な白人ばかりが集うパーティで見た目の若さに似合わない古風な服装を身にまとい、丁寧すぎる言葉遣い、さらには年がかけ離れた白人の妻と一緒でどこか上の空。クリスからグータッチを求められても、手のひらを重ねて握手をする始末。妻の友人たちのもとに自ら赴き、自分の古風な服を嬉しそうに見せびらかす仕草などを不審に思ったクリスが写真を撮ると、フラッシュが焚かれた瞬間、鼻から血を流して態度を一変させ、「出ていけ!」と叫んでクリスに掴みかかる...。 そんなローガンの役柄について、「映画の中で恐ろしく豹変する瞬間があり、その間は周りが想定する彼とは全く異なる文化的表現をするんだ」とレイキース自身が語る一方、「レイキースは独特な役で、驚くほどの演技の幅を見せてくれたし、この役に身を捧げてくれた」とピール監督は称賛。本年度のエミー賞で主演男優賞、監督賞を受賞したコメディドラマ『アトランタ』でダリウスを演じるレイキースの今後の活躍にも期待大だが、まずは『ゲット・アウト』での鬼気迫る演技をお見逃しなく!

共演は、『ボーダーライン』のダニエル・カルーヤ、『GIRLS/ガールズ』のアリソン・ウィリアムズ、『ザ・ホワイトハウス』のブラッドリー・ウィットフォード、『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』のケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、『マルコヴィッチの穴』のキャサリン・キーナーなど。

『ゲット・アウト』は10月27日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー。(海外ドラマNAVI)

Photo:レイキース・スタンフィールド(『ゲット・アウト』)
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