セクハラ問題で渦中のハーヴェイ・ワインスタイン、TVシリーズからも外れることに

日本でも大きく取り上げられているアメリカ映画界の重鎮、ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ問題。ワインスタインは自身の会社であるワインスタイン・カンパニー(以下TWC)からも解雇されたが、現在製作している全てのTVシリーズからも降板することになるようだ。米Variety、Deadlineなど複数のメディアが報じている。

事の発端は10月5日(木)、米ニューヨーク・タイムズに掲載された記事。ワインスタインが30年近くも前から、女性に性的嫌がらせや違法行為を行ってきた疑惑があると大々的に報じたのだ。『英国王のスピーチ』や『世界にひとつのプレイブック』、『LION/ライオン〜25年目のただいま』など、数々のオスカー作品を手がけてきたハリウッドの実力者のスキャンダルは瞬く間に世界中に広がり、この一連の報道を受けて、現地時間の10月8日(日)夜、ワインスタインは2005年に弟のボブと立ち上げたTWCの取締役会により会長職を解雇された。

そして、2005年から放送中の米Lifetimeのリアリティ番組『プロジェクト・ランウェイ/NYデザイナーズ・バトル』をはじめ、米ヒストリーチャンネルのミリタリードラマ>『Six(原題)』、ロバート・デ・ニーロとジュリアン・ムーアが出演する米Amazonのタイトル不明の新作、さらに、米Paramount Network(現Spike TV)で来年スタートする新ドラマ『Waco(原題)』と『Yellowstone(原題)』、『MAD MEN』クリエイターが手掛ける『The Romanoffs(原題)』といった、彼が現在製作に関わる全てのドラマシリーズからも外れることが決定。しかし、一部関係者の証言によれば、TWCとの契約の問題上いくつかの作品ではしばらく仕事を続ける可能性もあるという。

また、Reutersによれば、ワインスタインの数々のセクハラ問題について、アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーが14日(土)に緊急会合を開くことも判明。同アカデミーは声明で「ワインスタイン氏が行ったとされる行為は不快で忌まわしく、アカデミーおよび同団体が代表するクリエイティブコミュニティーの高い基準とは対極にある」と厳しく批判している。

今回の報道はワインスタインのセクハラの被害に遭った女性たちの告発により発覚したものだが、グウィネス・パルトロー(『Emma エマ』)やアンジェリーナ・ジョリー(『マイ・ハート、マイ・ラブ』)ら人気女優も過去に同様のセクハラを受けていたことを証言。これまで暗黙の了解のように行われてきた女性差別の撤廃に向けて動き出しているハリウッドでは、被害者の勇気ある告発を讃え、サポートの意思を表明する人が後を絶たない。(海外ドラマNAVI)

Photo:ハーヴェイ・ワインスタイン
(C)VMJM/FAMOUS