日本でも大ヒットした『ゴシップガール』、現在米CWで放送中の『ジェーン・ザ・ヴァージン』、『リバーデイル』など、ティーン向けに製作されているシリーズ。しかし、そんな番組にハマってしまうのは大人のほうが多いのでは? ティーンだけでなく大人も魅了するその秘密とは一体なんなのだろうか。
アメリカン大学で人種、メディア、コミュニケーションなどを研究しているシェリー・ウィリアムズ助教授は米InStyleに次のように語った。「若者の成長物語は、(製作者が狙う)ターゲット以外のところで共鳴される古典的な物語なのです。それは(大人であれば)誰もが経験していることですが、若者たちが自分のアイデンティティを育てていくことは実に興味深いのです。私たちの人生の中のマイルストーンがドラマにも反映されていて、私たち(大人)がこれまでの経験で得てきた知恵を(ティーン向けの)ドラマの中で見ることができます」
つまり、ドラマのキャラクターたちが起こしうる若さゆえの間違いは、"大人"も16歳の頃に経験してきたことであり、受け入れやすいのだという。そこに殺人ミステリー、おしゃれな洋服、驚くべき復活劇、クリフハンガーのような要素が加われば、絶対に見たくなる完璧なレシピのドラマが完成するのだ。
また、心理学者のエイミー・バッチャーによれば大人がティーンドラマを見ることには、「現実逃避」という目的も含まれているのだという。「テレビ番組の世界に入り込めば、私たちは自分の心配事や悲惨なニュースを考えずに済むのです」
さらに『リバーデイル』に関して言えば、主人公アーチーの父親フレッドを演じるのは、90年代に大ヒットした青春ドラマ『ビバリーヒルズ高校/青春白書』のディラン役のルーク・ペリー。母メアリー役のモリー・リングウォルドは80年代の映画『すてきな片想い』『ブレックファスト・クラブ』『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』で一躍有名になった青春スター。また、ベティの母親を演じるのは『ツイン・ピークス』のシェリー役で知られるメッチェン・エイミックと、"大人"世代にもお馴染みの顔ぶれが揃っている。原作となる人気長寿コミック「Archie」は、"大人"も読んで育ってきた漫画であり、10代の頃憧れたルークやモリーが自分と同じように親の役として登場するのならば、逆に見ない理由を見つけることのほうが難しいのかもしれない。(海外ドラマNAVI)
Photo:『リバーデイル』シーズン2より