『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』『IT/イット "それ"が見えたら、終わり。』など、自身の小説が次々と名作映画として実写化される作家スティーヴン・キング。そんな彼の作家人生の集大成ともいえる「ダークタワー」シリーズ待望の映画化『ダークタワー』が本日1月27日(土)より公開となる。今回注目を集めているのは、主人公を演じるアカデミー賞ノミネート俳優イドリス・エルバ(『刑事ジョン・ルーサー』『ビースト・オブ・ノー・ネーション』)だが、ファンの反響も大きかったそのキャスティングについて、キングが真相を明かした。
イドリスが演じる主人公ガンスリンガーは、世界の均衡を保つ塔"ダークタワー"を守り平和を維持してきた拳銃使いで、キングの他作品にもクロスオーバーして登場するほど重要視されているキャラクターだ。原作小説においても何度もイラストとして描かれており、本作の映画化が噂され始めたと同時に"誰がこの役を演じるのか?"とファンの間で予想が飛び交っていた。
そんな中、周囲の予想とは裏腹にイドリスの名前を最初に挙げたのは、本作のメガホンを取った気鋭監督ニコライ・アーセル(『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』)だった。幼い頃からキングの作品に影響を受けていた彼は、『ダークタワー』のファンの一人として「ガンスリンガー役にイドリスを起用するのは、ごく自然なことだ」と語っている。そんな監督から候補者イドリスの名前を聞いたキングは、「"イエス"と言うだけですんだよ」とその大抜擢を即決した秘話を披露。
実は、イラストとファンたちのイメージもあり、当初ガンスリンガーを演じる俳優には、『グラディエーター』でオスカーを受賞したラッセル・クロウや、『ノーカントリー』で同じくアカデミー賞に輝いているハビエル・バルデムらが噂されていた。しかし、キャスティングの最終決定権を持っていたキングは「小説では、ガンスリンガーの人種について一度も言っていないが、多くのイラストのせいで、当たり前のように白人になっていたんだ」とコメント。続けて「そんな中、イドリスをキャスティングするというアイデアは実にエキサイティングだと思ったよ。この作品にまったく新しいひねりが加わり、ものすごい魅力が生まれると思って悩むまでもなかったよ」と明かした。
さらに、本作のプロデューサーを務めるロン・ハワード(『インフェルノ』)は、「キングがガンスリンガーというキャラクターを作った時、当時考え得るワイルドさを元にしていたんだ」とキャラクター誕生の裏側を語り、「"現代における最もワイルドな俳優、ガンスリンガーを体現できるのは誰だろう"と考えた時、真っ先に浮かんだのがイドリスだった」と述べた。「彼はガンスリンガーそのもので、複雑なキャラクターにも命を吹き込めるすごい役者なんだ」と、彼の意見もキングとアーセル監督の二人とピッタリ合致したという。(海外ドラマNAVI)
Photo:『ダークタワー』