『パーソン・オブ・インタレスト』ジム・カヴィーゼル、キリスト役で再びスクリーンへ

圧倒的な高評価を誇るクライムサスペンス・ドラマ『パーソン・オブ・インタレスト 犯罪予知ユニット』で主演を務めたジム・カヴィーゼルが、キリストの受難を描いた2004年の映画『パッション』の続編に再登板する。前作でも監督・共同脚本をこなしたメル・ギブソンがメガホンを取り、非常に大規模な製作体制となる。

◆人気俳優が心酔する大型作品
USA Today紙はジム本人のコメントを交え、人気俳優である彼の作品への意気込みを伝えている。ジムは作品の詳細について固く口を閉ざしているものの、「詳細は言えないが、観客が驚きを受けるようなことがいくつかある」と明かしている。監督がどのように製作を進めているかについて詳しくは話せないとした上で、「これだけは教えてあげよう。彼が作ろうとしている映画は、史上最大の映画になる。それだけ良いものだ」と語った。キリストの処刑までの12時間を描いた前作に対し、続編ではキリスト復活がテーマとなる。

待望の続編だが、Hollywood Reporter誌は役柄との年齢の乖離を指摘する。前作公開時には劇中のキリストと同じ30代であったカヴィーゼルだが現在は49歳で、撮影中に50代を迎えるものと見られる。14年間という時間の壁を超え、前作の熱演を取り戻せるかどうかが注目される。

◆宗教映画の金字塔 前作『パッション』の待望の続編
2004年に公開された前作は、宗教映画としては異例の興行的成功を収めた。USA Today紙は、わずか3000万ドル(約32億円)という予算にもかかわらず、世界で6億1000万ドル(約653億円)以上の収益を上げたと報じる。北米に限って見ても、R指定作品としては史上最大の収益を達成している。

こうした異例のヒットにより、続編製作はもはや確実視されていたとHollywood Reporter誌は伝える。前作公開から10年以上が経っても動きがなかったことから、キリスト復活をテーマにした別の映画企画が複数持ち上がる事態にまで発展し、いくつかはすでに製作入りしている。正統派の続編となる本作はまさに満を持しての登場となったわけだ。

◆演技に厚みを与える、ジム・カヴィーゼルの信仰心
聖書をテーマにした前作の世界的ヒットは、ジムの熱心な信仰心に裏打ちされた演技の賜物だ。IMDbによると、ジムは少年時代から宗教に興味を抱き、家族とともに教会に定期的に通っていた。一方でバスケにも卓越した才能を示し、NBAのプロ選手を志望した時期もあったとされている。しかし不運にもコミュニティ・カレッジでのプレイ中に事故に遭い、選手としてのキャリアを諦めざるを得なかったことから、俳優への転向を決意した。役柄に恵まれず引退も考えたが、1998年の戦争映画『シン・レッド・ライン』でついに名声を博す。

同サイトでは、2002年のサスペンス映画『ハイ・クライムズ』の撮影中、一切のラブシーンを拒んだというエピソードを挙げ、ジムの強い宗教的観念を持つ一面を紹介している。『パッション』に起用されたのは、この撮影前後の時期だ。深い信仰心が同作の出演に繋がり、世界的ヒットをもたらしたと言えるだろう。

USA Today紙によると、3月28日に全米で公開される新作映画『Paul, Apostle of Christ(原題)』では、新約聖書の登場人物であるルカを演じるジム。キリスト教をテーマにした作品への出演を重ねることで、宗教観が裏打ちする迫真の演技には、さらに磨きがかかることになりそうだ。(海外ドラマNAVI)

Photo:ジム・カヴィーゼル
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