『ロスト・イン・スペース』直撃インタビュー:テイラー・ラッセル×ミナ・サンドウォール×マックスウェル・ジェンキンス編

4月13日(金)よりNetflixで全世界同時オンラインストリーミングとなるNetflixオリジナルドラマシリーズ『ロスト・イン・スペース』。1960年代に日本でも放送され、人気を博した海外ドラマ『宇宙家族ロビンソン』をオリジナルとし、新たに映像化したSFアドベンチャー・ドラマシリーズだ。

宇宙への入植が現実のものとなった30年後の未来。よりよい世界での新しい生活を求めて旅立つロビンソン一家。多くの移住者と共に新天地へ向かう途中、宇宙船が突然軌道を外れる事態が発生する。本来の目的地からはるか遠く離れた見知らぬ危険な場所で、一家は力を合わせて生きていくことを余儀なくされる......。

今回は、ロビンソン一家の3姉弟を演じるテイラー・ラッセル(ジュディ・ロビンソン役)、ミナ・サンドウォール(ペニー・ロビンソン役)、マックスウェル・ジェンキンス(ウィル・ロビンソン役)の3人を直撃! 演じたキャラクターや、見どころなどについて語ってもらった。

――みなさんは来日が初めてだそうですが、日本の印象はいかがですか?

 

マックスウェル(以降、マックス):最高だよ! 東京は本当に素晴らしい街だよね。何を見てもディテールにこだわりがあってスゴイよ。街を歩いていて見る物全てにディテールが考えられているよね。それと、日本の方がすごく温かく歓迎してくれるんだ。日本のみなさんは親切で、とても好きだよ。

 

ミナ:私も全く同じ気持ちよ。私はニューヨークから来たんだけど、ニューヨークの人たちはこんなに優しくないわ(笑)

テイラー、マックス:(笑)

ミナ:ごめんなさい、冗談よ(笑) 日本は自分の住んでいる所からすごく離れているんだけど、日本と東京について私のイメージって今まで見た映画のイメージなの。ジブリの『魔女の宅急便』、『千と千尋の神隠し』、『崖の上のポニョ』とかね。それで、日本に来るとその世界に一歩踏み入ったような感じがするわ(笑)

テイラー:そう、魔法みたい。

ミナ:文化がすごく豊かよね。知らないことだらけだけど、いろんなことを吸収させてもらっているの。

テイラー:とても美しくて、みなさん礼儀正しいですし、すごく文化を感じます。経験したことがないような場所だし、桜の季節に来られて本当に嬉しいです。すごく綺麗な国だと思います。

――初来日ということは、本作のように未知の惑星に来たような気分じゃないですか?

マックス:そうだね(笑)

 

テイラー:私もそう思う。

ミナ:どうせ不時着するなら、あの星じゃなくて、東京だったら良かったのに(笑) 安全だし、綺麗だし、食事も美味しいしね。

――共演してみて、お互いにどのような印象を持ちましたか?

マックス: 二人とは本当に最悪の仲だったよ。

 

ミナ:本当に最悪。

テイラー:3人とも仲は悪かったわね......。

全員:もちろん、今のは冗談(笑)

――そんな冗談を言い合える仲なんですね(笑)

 

テイラー:私たちにとって、こういう作品に出演したことは初めてなんです。大きなプロジェクトですし、そういうこともあって初めてを一緒に経験できているんです。

 

ミナ:一緒に学んで成長しました。

マックス:僕らはすごく大きな経験させてもらって、すごく仲良くなったんだよ。こういう絆は他では持てないと思う。実際の姉弟みたいだよ。お互いにメールを送ったりとかもするしね。"宇宙のあなたの弟より"とかメールに書いたりもしてる。 そんな仲なんだ。

――作品全体や、みなさんが演じたキャラクターの注目して欲しいポイントはどんなところですか?

テイラー:3人ともそれぞれ共感してもらえるじゃないでしょうか。シリーズを通して3人の大きな成長をみんなに見てもらえると思います。若者がみんな経験するような青春もそこに含まれています。特に今の時代、アメリカでの政治状況とか、世界中の状況を考えると、ネガティブなニュースが多いですよね。その中で、この作品は見た人にすごくワンダフルなアドベンチャーとワクワクする気持ちを感じてもらえると思います。それは新鮮だと思いますし、共感してもらえたら私たちは嬉しいですね。

 

マックス:オリジナル・シリーズを現代的に解釈しているところを楽しんでもらいたいとプロデューサーの一人が言っていたんだ。だから、オリジナルへのリスペクトを払いながらも、すごく現代的な物になっているんだ。ウィルについてはインスピレーションを感じて欲しいキャラクターだよ。彼は物静かで、すごく神経質で、不安も抱えているけれど、子どもなのにヒーローみたいに成長していくんだよね。それを見ながら、自分もできるんだとか、ありのままでいいんだとか、インスピレーションとして感じて欲しいな。それと、この作品に登場するロボットとウィルみたいに、新しい友達を作ったり、人を外側で判断するのではなくその人の人間性や短所、それに誰であるかということを見極めるのもインスピレーションとして感じて欲しいな。それがウィルの素晴らしいところなんだ。

ミナ:舞台は宇宙だけど、そこで描かれているのは普通の人々というのがこの作品の素晴らしい点よ。一つの家族の物語でもあるし、良いところと悪いところ、両方が描かれている。さっき、テイラーが言ったみたいに、誰もが誰かのキャラクターに共感してもらえると思うわ。すごく責任を感じてしまっているジュディもそうだし、自分の居場所がここじゃないんじゃないかと思っているペニー、外側で判断しないでその人の真実を見極めるように成長していくウィル、これらは誰もが持っていることだと思うの。そこが共感できるポイントじゃないかしら。

マックス:ウィルは"人は見た目によらない"という言葉の良い例だね(笑)

――演じているキャラクターに対して、自分と比べての違いや似ている点などからその魅力をどう感じていますか?

 

マックス:僕よりもちょっと小心者なところがウィルにはあるんだ。ウィルは色々と物事に対して怖いという気持ちを持ってるんだけど、僕よりもそれを乗り越える力が強いんだよ。

 

テイラー、ミナ:うん、そうだと思う。

マックス:完璧でカッコイイわけじゃないけど、困難を乗り越えていけるウィルの力に僕も憧れる。どっちかというとウィルには似ているところのほうが多いかな。

ミナ:ペニーについては、私と完全に真逆というわけではないわ。だけど、ペニーのある種のバランスが崩れているところは3人姉弟の真ん中ということね。お姉さんほど責任感を持てない、だけど弟ほど子どもというポジションもピッタリこない。だから、"真ん中の子供シンドローム"という感じね。それに、私は一人っ子だからそういう問題は全然感じたことないの(笑)

テイラー:ジュディは正しいと思うことに躊躇しないんです。何が正しくて何が間違っているのかというコンパスを彼女はちゃんと持っているというか、自分が誰であるかはっきり分かっている。私は彼女ほどパーフェクトだとは自分のことは思えない(笑) だから、ジュディには憧れるわ。私たちは本当にキャラクターと似ているところを持っていると思います。ただ、私たちよりもさらに人間としてできているんです。

マックス:ロボットと友達になれるんだからウィルは最高だよ。

――3人とも感情面では演じやすかったんですね。

マックス:普通の11歳ぐらい(※インタビュー時、マックスは11歳)とはかけ離れた状況だけど、でも、そこで感じるストレスとかその気持ちはすごく入りやすかったよ。11歳って子どもほど子どもじゃないし、10代も始まったばかり。だから、「自分ってどんな人間なんだろう?」と考える時期でもあるだろうし、それは共感しやすかった。

 

ミナ:宇宙が舞台だけど、各キャラクターにとってトラウマを感じる時に、どんな気持ちになるか、あるいは自分の快適だと感じない場所に自分が立っているとしたらどうするのかというのをよく考えるわ。でもね、悲しい内容ばっかりの話じゃなくて、明るく楽しいシーンもたくさんあるから見る人は心配しないで(笑)

テイラー:ロビンソン一家の面々は勇敢で知的なんだけど、ウィルもすごく勇敢なキャラクターだと思うんです。マックスが自分で自分の勇敢さを見つけていくんですよ。でも、ロビンソン一家は普通の家庭でもあるんです。ただ、すごく極端な状況に置かれているだけなんです。そういう状況だったらどうするだろうかと私も考えていました。例えば、宇宙に行くということなら、他の国で違う方たちと出会って、それから自分らしくあるってどういうことなんだろうと考えたりね。だから、この作品を見てもらった時に、自分だったらと感じてもらえるんじゃないかと思います。さすがに宇宙というのは想像しにくいかもしれませんけど。でも、ある日、現実のものになるかもしれませんね。

マックス:僕は以前から宇宙に行きたいと思っているよ。イーロン・マスクが頑張ってくれればスペースXで僕らも目的の惑星アルファ・セントリーに行けるかもしれない(笑)

――本作はSFとしては珍しいファミリードラマですけど、お父さんであるジョン役のトビー・スティーブンスとお母さんであるモーリーン役のモリー・パーカーの二人と共演してみてどうでしたか?

 

マックス:モリーとトビーの二人と仕事をする中で、たくさんのことを教わったんだ。特にトビーからは、自分が何を言っているか心が信じることができれば、顔に表現がすぐに分かりやすい形で出てなくても伝わるということを学んだよ。それと役柄としては家族じゃないけど、ドクター・スミスを演じるパーカー・ポージーにもすごく助けられたんだ。現場でも友達になって、撮影の後にディナーに行ったりとか、すごく楽しかった。

 

テイラー:自分が若い頃って、自分の親がどんな人でどんな経験をして、私たちにどんなことを分かち合えてくれるのか、なかなか知ることができないと思うんです。モリーとトビーとの仕事では、二人がそれを感じさせてくれる点が素晴らしかったです。ベテランの役者だし、すごく洗練されている知的な役者だから、親的な存在でしたね。モリーも母親的なところがとてもあるけれど、特に私たちの撮影環境を考えると色々と学ばせてもらいました。二人のことをよく知ることができましたし、私たち3人とも役者として、モリーとトビー、それにパーカーにも憧れています。

ミナ:このファミリーの一員として演じたことで、現場で私たちも実際のファミリーになったの。カナダのバンクーバーで撮影していたんだけど、現場にはほとんどバンクーバー出身の人がいなかったのよ。みんなで一緒に学んでいたの。新しい惑星でね。実際はバンクーバーだけど(笑)

――撮影で苦労したことはありましたか?

 

ミナ:バンクーバーは天気が本当に悪かったわ(笑) 6か月間の撮影では、ものすごい早朝から遅い時間まで大変でした。気持ちも良い時もあれば、落ち込む時もあるし、機嫌が悪くなる時もあったわ。でも、そういう環境で一緒に過ごして経験したことで、一つの家族になっていったのよ。

 

マックス:スタッフも僕らの家族だよ。それと、撮影の最初の頃は、バンクーバーの天気があまり良くなかったんだ(笑)

テイラー:あなたたちが言うほどバンクーバーは悪いところじゃないわよ(笑)(※テイラーはカナダ出身)

ミナ、マックス:(笑)

マックス:1月から7月まで撮影したんだよ。最初はすごく寒くて天気も悪かったんだけど、撮影の最後には良くなってた。でも、本当にスタッフのみなさんが素晴らしいんだ。カメラの使い方や小道具の作り方を教わったりもしたよ。スタッフのみなさんが僕らの人生にすごく影響を与えてくれて、今でも仲が良いんだ。それと、今回の撮影はグリーンバックが多かったんだ。僕はグリーンバックでの撮影が初めてだったから、ちょっと圧倒されちゃってたんだよね。でも、パーカーに「自分の実際の妹と遊んでいるような気持ちでやればいいのよ」とアドバイスをもらって、それで全部が変わったんだ。うちにいる時は妹と宇宙飛行士ごっこや魔法使いごっこをするから、それを思い出すことでやりやすくなったんだよ。

――みなさんが演じたキャラクターのストーリー上の見どころを教えてください。

マックス:シリーズを通してウィルの場合は第2話、6話、10話で3つの大きな物語があるんだ。それにプラスして8話でも大きな成長があるよ。その4つのエピソードの中で、大義のために、あるいはより多くの人たちの幸せのために自己犠牲みたいなことを学ぶんだ。物語が進むにつれて、それがすごくドラマチックになるんだよ。

 

ミナ:ペニーの場合は、大きな物語の中に小さな物語があって、彼女がある人と友達になるの。それが良い形で終わらないのよ。でも、それと向き合って、それから学んでいくというのが10代の女の子らしい物語なので、そこを見て欲しいわ。

テイラー:ジュディは本から得た知識はすごくあるんです。だけど、変化していく環境の中で、自分が全部の答えを持ち合わせていないんだということを何度も学び続ける姿が描かれているんです。そこが見どころですね。

 

SFアドベンチャーを壮大なスケールで新たに映像化したNetflixオリジナルドラマシリーズ『ロスト・イン・スペース』は、4月13日(金)より全世界同時配信。

(取材/文:豹坂@櫻井宏充)

Photo:『ロスト・イン・スペース』